11、出発
朝になりましたが、更新します。
お願いします。
リンドルへ赴任するのは2週間後と決まった。
それまでに僕は色々と準備して万全の体制を整えてから望まなければ。
とんでもなく忙しい2週間が始まった。
まず、領主としてのルールを伯爵から教えてもらった。
一つ、毎年正月に決められた額と献上品を用意してランドバル伯に納めること。
一つ、領主からの命令は従うこと。
基本的にこのようなもの。
領主からの命令に従うことによって、なにがどれぐらい制限されるか少し心配なところもあるが、それはおいおい考えていこう。やってみないと分からないだろうし。
さて、なにをするにもお金と人がいる。特に領主になるんだから尚更だ。
これらの手配をしなければ。
まず、お金
こちらはなんとか手配できそうだ。伯爵が領主就任のお祝いという形で結構な金額をいただけることになった。
それに、なにかあったらお金も貸してくれるということだったので、はじめのうちのお金のことはこれで大丈夫そう。
もちろん、リンドルがどれだけの街で何をするのかにもよるのだが。
次に、人手
まず兵を100人、僕の直属につけてくれることにはなった。
各街に自治権を概ね認めてくださっているので、自分達の街はほとんど自分達で動かしていかないといけない。もちろん、自分達の街を侵略から守るということも。
あと、現地に前の領主のもとで働いていた人が残っているそうなので、最低限の人手はなんとかなるかな。足りなければ現地で雇おう。現地で雇うとそこで経済がまわりやすくなるしな。
しかし、これではとても大きな問題があった。
ということで伯爵に相談。
「どうしたんだい?」
「実はお願いしたいことがございまして。」
「ほう。言ってみろ。」
「僕のもとにネルさんをおいて欲しいのですが。」
「......それはなぜだ?」
「僕は領を納めるために前の世界の知識を使いたいのです。ですが、僕のもとの世界の知識を沢山の人に言うと...」
「あぁ。わかった。別にそれがあってもなくてもネルはお前さんのもとにいさせる予定だったぞ。信頼してる人はいつでも話せる所にいた方がいいからな。」
「ありがとうございます!」
「ただし、お前さんの知識は確かに広げすぎると大変なことになる。あまり広げるなよ、と言ってもお前さんはよく分かっているだろうがな。」
「わかりました。」
「でもだからといって必用なときは大いに使えよ。知識は大きな武器になりうるからな。」
「はい。ありがとうございます。」
こうして僕が欲しかった人材、「日本の知識を気にせずしゃべっても大丈夫な相談役」が手に入った。本当にネルさんは頭も回るから、これからもとてもお世話になることだろう。
よし、これで最低限は揃った。あとはお世話になった人たちに挨拶をして、お世話になる人にも挨拶して、あとリンドルの情報も集めて、他にも......あぁ!もう、大変!
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こうして色々バタバタしているうちに2週間がたった。あっという間だったな。
「準備はできたのかい?」
「はい、おかげさまで。」
「よし、それではいってこい。あれだけ俺に教えてくれた知識があれば、良い政治をできるはずさ。」
伯爵に教えたのはほんの序の口しか教えてないけどね......
「はい。頑張ります。」
「よければ定期的に手紙を寄越してくれ。質問でもいいし近況報告でもよい。それとあれだ、肩の力は抜いておけよ。」
「はい、ありがとうございます。」
「よし。これでもう伝えることはないな。」
「すいません、わざわざお見送りまで。」
「いや、いいのだよ。」
「では、いってきます。」
「おう。がんばれよ。」
こうして数ヶ月暮らしたランドバル領都を出発した。不安や期待を胸に。
さて、これからはどんな物語が待っているのか。
今回もありがとうございました。
感想、評価頂きました。ありがとうございます。
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