1、旅路の中で
第二章始まります
こうして僕たちは領都を出発したわけだが、僕が治める予定の都市、リンドルまでは結構遠いらしく、これから5日はかかるんだとか。
それまではひたすら馬車のなかで暮らす日々。
もとの世界のことを考えると結構大変だが、ランドバル伯がつけてくださった兵隊さんの多くは歩いているので、何一つ文句は言わない。言いたくないんだけど......ちょっと酔ってきたな。
「すまないが休憩を挟んでくれないか?ちょっと酔ってきてしまってね。」
「おう、そうかい。酔っちまったなら仕方ねぇなぁ。」
このちょっと口の悪そうなおっさんは、僕の直属の兵隊100人をまとめる隊長であるクロードさんだ。髭もじゃだし、筋肉が盛り上がっているのがわかるので大分怖そうなのだが、意外に優しい。会話もたくさんしたのだが、ちゃんとこっちのことを考えながら話してくれるのでとてもやり易い感じだった。口悪いけど。
「おい!お前ら一度休憩をとる。いいか、回りの警戒はおこたなるなよ!」
「「「アイアイサー」」」
訂正、結構厳しい人かも。
休憩しながら、ネルさんにちょっと話を聞いてみることにした。
「ネルさん、あのちょっと聞きたいんだけど...」
ピクッ
ネルさんの視線がとんでもなく強いんですけど......
あ、そうか。領主になるんだから敬語を使うとなめられるからやめろってそういえば言ってたな。
うぉっほん。
「ネル、聞きたいことがあるんだが。」
「はい、なんでしょう。」
よし、これでいいんだな。
「リンドルについて何か知ってることがあれば教えて欲しいのだが。残念ながら僕は伯爵から頂いた資料に書いてあることしか知らなくてな。」
資料にはリンドルはランドバル伯爵領のなかで南の交易の中間地点として栄えていて、人口がいくらで納められている税金がいくらで......といったいわゆるデータ的な情報しか書いてなく、どんな雰囲気で何が有名なのかなどといったことは全くもってしらないのだ。
「すいません。私も交易でそれなりに栄えているということしか。」
そうか。
「でも、確かクロードさんがあそこら辺の出身だとおっしゃっていたような。」
「おう、わかった。ありがとう。」
早速クロードさんに聞いてみるか。
「クロード、ちょっと聞きたいことがあるんだが。」
「おう、トムさんよ。何かあったかい?」
「あなたはリンドルの辺り出身だとか。」
「あぁ。そうだ。と言っても近くにあるちと小さな農村の育ちだけどな。」
「そうなのか。ならよければリンドルについて詳しく教えてくれないか?残念ながら僕はこんな紙に書いてあることしか知らないからな。」
「そうかい。いいんだが、出発して動きながらでいいかい?もうそろそろ出た方が後々急がなくてすむからな。」
「おう、すまない。」
「そうときまったなら。おい、お前ら、出発するぞ!」
「「「アイアイサー!」」」
「よし、では話させて頂こうかな。旅路はまだまだ長いからよ。ゆっくり話させてもらうぞ。」
クロードさんの長ーいお話が始まった。
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引き続き頑張っていきます。




