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試製自走多連装ロケット砲奮戦記  作者: 通りすがりの野良猫
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試作野戦メーザー照射装置

陸上自衛隊が指向性エネルギー兵器で本土に来襲する怪物と戦う様子は当時のフィルムに記録されている通りであるが、その兵器の原型になった試作野戦メーザー照射装置についての概要である。

惜しくもすでに解体処分されてしまった装置で、予算の都合からあちこちの機材を流用してでっち上げた代物であったが、これができたからこそ、後の大型で強力な指向性エネルギー兵器が実用化したのである。



これはすでに歴史の彼方に埋没した陸上自衛隊の試作兵器の一つであるが、これによる研究は後に大型化、実用化され我が国近海や本土に上陸した巨大な生物などの撃退に活用されていくのである。

アメリカでメーザーの実験に成功した1954年以降日本の自衛隊ではこれを我が国の兵器体系に組み込めないか、技術的な可能性を検討した。


当時はアメリカ始め各国の関心は核兵器に向かっていた。

これに対して核兵器の被害を受けた我が国の場合は、感情的にも、また経済、技術的にもこれを積極的に兵器体系に組み込むのは難しく、夢物語であった。

兵器はまともな軍隊として運用することを考えると、どうしても一つの兵器体系として扱う必要がでてくるのである。

製造し、整備して維持管理するには、きちんと部品の在庫を持ち、整備するための人材を育成し、必要な整備機材を配置するなど諸々の準備があり、初めて兵器としての機能を果たせるのである。

しばしば言われている我が国の核兵器保有は、後方支援能力が核兵器については自衛隊には皆無に近い点(ミサイル本体は経験あったとしても、肝心の核物質の取扱など全く未経験)からも非現実的なんである。それを整えるには莫大な費用や時間、人員がいるのである。


一例を上げたら、イギリスが現在保有しているトライデント潜水艦発射弾道弾関連費用が約3兆円、これと比較して今の日本の防衛関連予算が約5兆円、これではいかに核兵器が重要とは言え予算規模に対してバランスを失したものと言える。


このため我が国は核兵器よりもより汎用性がありかつ、威力のある他の兵器体系を地道に模索することになったのである。と言うのも、核兵器と並んで戦後発達していくミサイルも別途研究していき、これにより日本のミサイル技術はアメリカやイギリスと共同開発できるレベルまで進んだが、研究が様々な段階で左翼勢力の妨害にあっていくため(導入反対、試射場反対、基地の設置反対とまあ、煩わしいこと(^-^))この煩わしさを避けれるものとして、先に述べたメーザーが指向性エネルギー兵器として使えないか、研究を重ねていくのである。


最初に目をつけたのは、艦艇の防空兵器であった。ビキニ環礁で行われたアメリカの核実験、クロスロード作戦で、例え戦艦でも近距離の水中爆発の核兵器使用で無力化されることが判明したから、核兵器による攻撃(主として長射程ミサイル、爆撃機からの自由落下式の核兵器投下)を防ぐ一つの方策として考えられた。艦艇搭載ならば少々嵩張っても実用化しやすいと思われたのである。


ところがどっこい、まだ当時はようやく戦後の国産護衛艦が建造されつつある時期で、排水量もまだ3000トンを越えないようでは、実用化は困難であった。

当時は対空ミサイルすら排水量3500トンくらいないと装備が困難なくらい、ミサイル発射装置や管制装置が嵩張る代物だったのである。

初の国産護衛艦が1700トンの時代であったからこれまた当分無理な話しであった。


また陸上での高射兵器としてみたら、まだ予想される出力では、十分な射程が確保しにくいため、良くて戦場防空程度しか使えないことが判明した。また大規模な電力が必要と言うことから、野戦にもってくのも難しいとなった。


そこでとりあえずは、野戦で使用可能なサイズで、どの程度の出力の指向性エネルギー兵器が作れるか実際に車両を製作して実証試験してみることになり、これが試作指向性エネルギー照射装置となったのである。


指向性エネルギー照射装置と言う表現も、砲と言えるくらい威力が出せるか疑問だったからである。

搭載車両には様々な形態の車両を考えてみたが、装軌車両は重量面では魅力があるものの、結局「予算」の壁から、本体は装輪式で、火砲牽引用のトラクターで引っ張ることになった。

この際、アメリカ軍の原子砲の牽引車が適当?と検討してみたが「日本が原子砲を運用する布石である」との誤解を招くと言う、日本的な反対意見が防衛庁内から出されたためすでに供与されている牽引用トラクターを流用することになった。


ようやくすったもんだしながらも研究が始まっていく過程についてはこの後に詳しく紹介したい。


こんな感じで書いてきましたがとりあえず牽引するトラクターを決めたところで、総重量が決まります。それから、車輪の数や接地圧やら考えて、また道路の幅の制限などから、寸法考えてみたり、していくと、、、。

せっかくの「超兵器」も 現実的な制約からは地味なものになりますね。

まあ、実際兵器になるかを検討するためのモデルケースだから良いっていえばそうなんですが。



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