♬一小節目♬アナタを追って不思議な異世界へ♬
「〜〜待ってッッッ!!〜〜お待ちになってッッッ!!」
大橋を因幡の白兎の如くに疾走る彼を私は追いかける。
「〜〜因幡君っ!!」追いし彼の名を呼べば、名を呼ばれし彼は、その美しき白兎の如くに真っ白な髪と色素がまるで無い白き顔に形良く嵌め込まれた血のように赤き ビードロ玉の如き両の瞳で私を振り返り見て、脱兎の如くに大橋の欄干に飛び上がりて仁王立ちにて言うのです。
「…和栗鼠…僕は、還らなければならないんだ」
和栗鼠と私の名をまるで歌でも詠むかの様な旋律の美しい声で呼び彼は、因幡君は仰いました。
「帰るって何処にっ!?因幡君は何処から来たのっ!?」
私が訊ねますと因幡君は、色素がまるで無い白き顔に形良く嵌め込まれた血のように赤き ビードロ玉の如き両の瞳で私を真剣な眼差しで見て言うのです。
「…和栗鼠…僕は、この世とは異なる世界から来たんだ…君に一目、逢いたくて…」
「この世とは異なる世界?因幡君、何を言ってるの?」
私には彼が、因幡君が何を言っているのか何もわかりませんでした。
「…お別れだ…ありがとうー和栗鼠ー」
そう小さなお口で囁いて、彼は、因幡君は、大橋の欄干からそのまま天を仰いで身を投げましたーーーー。
「ーー因幡君ッッッ!!!!」私は身を投げた彼の細く白い腕を既の所で非力ながらも両手で掴みはしましたが、殿方にしては身が軽い因幡君ではありましたが、輪をかけて乙女な私の細すぎる腕では、橋の上へと引き上げることもできずにズルズルと因幡君が大橋の下へとその下の大きな川へと刻一刻とゆっくりと落ちてゆく……。
「…手を放せ…和栗鼠…君はコチラに来てはいけない」
刻一刻と川へと落ちてゆくと言うのに因幡君は、とても静かな声で私を諭すように言うのです。
「〜〜ッッッ!?コチラって、どちらよぉッッッ!?」
もう限界でしただけども私は決して、因幡君から手を放すことはありませんでした。
……そしてその結果ーー!!!!
「〜〜〜〜キャァアアアッッッ!!!!」
因幡君と私は共に大橋からその下の大きな川へとバシャァァアンッッッ!!と落ちて逝ったので御座います。
……そう、確かに落ちて逝ったはずでした。
……ブクブクと川の中で私は己の死を悟りました。
……走馬灯だって見たのですからね。
……因幡君と出逢って今日に至るまでの四十九日の短くも色濃く恋に恋した淡く美しき永遠の夢の如く幸福だった日々を走馬灯の夢のまにまに見ていたのです。
……死の間際に確かにこの瞳で見た光景は、とても不思議なモノで御座いました。
「〜〜因幡君っ〜〜!?」
川の水の中で私は、思わず彼の名を呼びました。
……だって、だって、彼は、因幡君は、確かに私の目の前で、白い泡となってブクブクと水音を鳴らして、……忽然と消えてしまったのですから。
その光景を最期に私の意識も記憶も命も全て途絶えました。……そう、確かに途絶えたはずでした。
ーーだのに。ーー何故?…何故、私は、生きている?…のでしょぅか?……私は、確かに死んだはず。恋しい因幡君を追って、川に落ちて死んだはず。だって、確かに生々しく憶えていますもの。掴んだアナタの白く細い腕の感触、ブクブクと私のハイカラでモダンな緋袴とレースの着物とリボンの髪留めに、ブーツに纏わりついた川の水の恐ろしく冷たい感触も、全て、まざまざと憶えていますもの。
……そして白兎のようなアナタが私の目の前で白い泡となり川の水底に消えて逝ったことも。全て憶えている。
ーーそうしてアナタを追って、私は、この不思議な異世界へと来たので御座います。
……まるで天の川のような川の岸へと打ち上げられて、途方に暮れていたところに、あの御方に拾われました。
ーーそして「ー和栗鼠ー我は君に婚約を申し込む♡」
……私は、今、不思議な異世界で求婚されております。
その御方は白くて大きな兎の骸骨のような風体をして、伽藍堂なポッカリと空いた両の眼窩に底しれぬ闇を抱いた因幡君と良く似た血のように赤きビードロ玉の如き両の瞳で私を見詰め仰るので御座います。
「ー我の花嫁となるのだー愛しの和栗鼠よ♡」
♬一小節目♬アナタを追って不思議な異世界へ♬終♬
♡この度♡このあまり怖くないホラーラブコメ小説!?
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こんなに沢山❣❣ランクインさせて頂きました❣❣
とても嬉しいです♬(๑╹◡╹๑)♬
3位!?前歯が知覚過敏な中(ᗒᗩᗕ)
頑張って書いた甲斐がありました(≧Д≦)❣❣
有難う御座います♡m(_ _)m♡
完結目指して頑張るます(๑•̀ㅂ•́)و✧




