第25話 「試験結果」
「皆様お揃いでしょうか。これから討伐者試験合格者の発表を行います。レクス総司令、よろしくお願いします」
000の職員が各々で休んでいた俺たちを集めて合格者発表が始まることを伝えてくれる。
集まった俺たちのことを確認したあと、レクスさんが前に出て手に持っていた紙を広げた。
「討伐者試験合格者の発表を始める!今から名前を呼ばれたものは返事をしてから前に出てきてくれ。一人目はコンタース君」
「はい!」
お、そういえばあの人は妖族で扇を神導武器として授かった人か。戦闘試験ではあまり目立っていた印象は無かったが合格できたんだな。
コンタースが少し緊張した面持ちでレクスさんの元まで歩いていく。
「コンタース君は主に学術試験と面接から討伐者になる資格があると判断した。しかし、戦闘面で少し不安が残るため特例ではあるが000から指導者を用意しその者の許可を得たあとに正式に討伐者として活動できるものとする。コンタース君、異論はあるか?」
「いえ、こちらからよろしくお願いします!私は神導武器を授かってから二年間、独学で研鑽を積んできましたが限界を感じていました。指導者を紹介して貰えるという期待を裏切らないよう精進していきます」
「ああ、これから努力を忘れずに頑張ってくれ。――では次の合格者を発表しよう。二人目はライメイくん」
「はっ!!」
レクスさんに呼ばれたライメイは倭国風の返事をしてからコンタースと同じくレクスさんの元へ向かった。
「ライメイ君は学術試験が規定値ギリギリだったが、戦闘試験での多彩な攻撃と面接の結果から討伐者になる資格があると判断した。ただ、ライメイ君の雷は土属性を扱う鉱魔獣には相性が悪いため依頼を受ける前に図書館にて知識を得ることを検討して欲しい」
「御意。知識を得たあと他の属性を習得することを宣言します」
ライメイはしっかりと頭を下げてから、こちらへと戻ってきた。
「ライメイ君の活躍に期待している。――三人目はシアネス君」
「はい」
シアネスはいつも通り余裕のある表情でレクスさんの元へ向かっていった。
「シアネス君は全ての項目において高い点数を有していることから討伐者になる資格があると判断した。また、アドバイスにはなるが詠唱や準備の時間が長いことで素早い鉱魔獣が相手のときは注意が必要だと感じる。パーティーを組むか時間を稼ぐための道具を用意すると良いだろう」
「助言をいただきありがとうございます。帰ってから少し考えてみます」
確かに、本の神導武器は強力ではあったが条件が多いのか戦闘移行までが長かったな。俺のガントレットのように長所と短所が明確な武器なのかもしれない。
そんなことを考えながらまだ呼ばれてない俺は少し緊張してレクスさんの言葉を待つ。
「ライメイ君と一緒に図書館に行くのも良いだろう。――四人目はマヌス君」
「はい!」
やった合格できた!自信はあったとはいえ、呼ばれるまでは不安でいっぱいだった。だけど、これでやっと安心できる......
俺は緊張が解れた身体を動かしてレクスさんの前に歩いていく。
「マヌス君はシアネス君と同じく全ての項目において高い点数を有していることから討伐者になる資格があると判断した。シアネス君と同じくアドバイスをするなら無詠唱での魔法の会得と並列思考の習得を目指す訓練を行うと良いだろう」
「はい、俺自身も遠距離攻撃の乏しさには不安を覚えていたので修行を続けていきます」
「是非頑張ってくれ、魔法のことはルミナ君に聞くといい。では、これで討伐者試験合格者の発表を終了する!ここで呼ばれなかった二名も面接で伝えた要点を改善すれば必ず討伐者になれるだろう。期待している」
そう言葉を締めくくったレクスさんは執務室がある方向へと帰っていった。
「討伐者試験に合格された皆様は次に000へ来た際に受付にて資格証をお渡しいたしますので忘れないようにお願いします。では、皆様お疲れ様でした」
そういって職員も待機所から出ていったことで解散の空気がその場に流れた。あとは帰るだけだな。
そうだ、帰ったら合格したことを皆に伝えなきゃな。まずはアレス父さんとミレア母さんに伝えて、それから宿屋にいたら氷龍の煌めきの皆にも!それに一番お世話になった――
「マヌス君~......!お疲れ様~......!」
「わあ!びっくりしたぁ!」
解放感に包まれながらこれからのことを考えている俺の後ろから手が伸びて、耳元で声が聞こえてきた。
振り向くと俺の横にルミナさんの顔があった。
「ルミナさん!討伐者になれましたよ!」
「見てたよ~......よく頑張ったね。でも、これで終わりじゃ無いよ~......依頼を受けてからが討伐者だからね......」
「はい!頑張ります」
気を引き締めるために言ってくれたのだろう。
これまでは討伐者になるために努力してきた。だけど、これからはどうやって依頼を達成していくかに思考を変えていく必要があるんだろうな。
「じゃあ、一緒に帰ろうか......帰ったら皆にも報告しようね~」
「ですね!......あ、少し待ってもらえますか?シアネスとライメイに挨拶だけしてきます」
「おっけ~......」
俺はルミナさんに断りを入れてからシアネスたちへと声を掛けた。
「シアネス、ライメイお疲れ様。お互い合格できてよかったな。これからもよろしく頼む」
「おーマヌスもお疲れ様。レクスさんに言われた通りに明日は図書館でライメイと色々調べてから依頼を受けようって話をしてたよ~」
「うぬ、000をあまり利用したことが無いものでな。シアネスに案内してもらいながら施設に慣れるようにしようと思う」
000って結構広いし沢山施設があるから迷いやすいもんな。俺も初めて来たときにはアルジェントさんに聞かなきゃ図書館にもたどり着けなかっただろうし。
「確かにそれがいいかもな。俺は外装をまだ持ってないし、他にも色々準備してから依頼を受けるから依頼を受けるのはその後だな。――じゃあ、俺は帰るからまた000で会ったときはよろしく頼む」
俺は二人と握手を交わし、その場を後にした。
その後はルミナさんと今日の感想を言い合い、明日の予定を決めながら宿屋へと帰ったのだった。
【作者からお願い】
もし少しでも、
「面白い」
「続きが読みたい!」
と思っていただけましたら、
下にある☆をタップして
★★★★★にしていただけると嬉しいです!
応援、感想お待ちしております!!!




