表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アラフィフになったキョロ充、異世界に行く  作者: アカピロ
第一章 キョロ充、森での暮らし
9/104

第6話

今まで結界内でやっていた朝晩の修行を結界の外で行う様にした。


まず最初になるべく気配を消して周辺を散策することから。


今までは剣を振ったり魔法を放ったり、地面を掘り起こしたりと朝から存在を主張していたが今日からは違う。


「バニラ、気配をなくして魔物を探しながら行くよ〜」


「ワンッ」


誰に言ってるんだ、とでも言いたそうな顔をしてバニラが返事をする。

昨日の晩と同じ様について来いという素振りを見せながらスッと動き出すバニラ。


元の世界でもそうだが野生の生き物は基本的には警戒心が強い。

日本の田舎でも蛙や昆虫くらいならザワザワしながら動いてもその辺にいるが、イタチくらいになると見ようとして見るにはかなりの情報と根気が必要だろう。


そんな事を考えながらバニラの後ろをついて行くと、バニラが身体を伏せでピタッと止まる。


ハルキがそっと覗き込むとその先には朝日を浴びた半透明の球体、いわゆるスライムが石の上にいた。

大きさはソフトボールくらいでゲームやなんかでイメージしてたよりかなり小さい。


ハルキが気がついたのを確認したバニラが小さく吠える。


こちらの気配に気がついたスライムはサッと石から降りて姿を隠す。


スッと近付いて行くバニラとハルキ。

バニラが器用に草をかき分け石を動かしてハルキの方を見る。


そこにはよほどしっかり見ないと気が付かない状態で隙間にピタリとハマっているスライムがいた。


バニラがサッとそれを咥えてハルキの前に受け取れと差し出す。


差し出した手の平の上に乗せられたスライムは元の丸い形に戻ってスッポリと収まった。


「波長を合わすんだよな」


バニラはスライム程度にはそんな事気にする必要もないよと言いたそうな顔でこちらを見る。


それでもハルキにとっては初めてのテイムだ。スライムの気持ちに寄り添ってみようと試みる。

座禅を組む様な体勢になり足の間にスライムをおく。最初は少し動いていたが逃げ出す気は無くなったのかピタリと止まる。

鞄から干し肉を取り出して与えてみる。

スライムが体の中に干し肉を取り込むと消化しているのか小さくなっていきすぐに無くなった。

なんとなく嬉しそうな気配を感じる。


もう良い頃かなぁ〜と思ったハルキはテイムのを呪文を唱える。


ボワっとした感覚が一瞬身体を通り抜け、テイムの成功を確信したハルキ。

スライムも嬉しそうにこちらを見ている、目はないけど。


バニラがスライムに向かって


「ウー、ワン!」


と吠える。


テイムしたのはハルキだが、立場をわからせている様だ。


バニラはハルキを見ると次に行くよと動き出す。


続くハルキとスライム。


こうしてハルキの初めてのテイムは無事に成功したのだった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ