第2話 魔法
俺はドラゴンを振り切ったところで、彼女に尋ねた
「魔法って、何があるんだ?」
彼女は不思議そうな顔でこちらを見つめる
「あなた魔法も知らないでよく今まで生きてこられたわね」
この反応から見る限り俺が別の世界から来た人間という言うはバレてないようだ
「魔法っていうのはね…四大魔法、火、水、風、光…それ以外にも派生属性として闇なんかもあるわ…」
本当にこの世界には魔法があるのか
なら俺も魔法を…
俺は不敵な笑みを浮かべる
彼女はまた不思議そうな顔でこちらを見つめてくる
「俺にも魔法は、使えるのか?」
彼女は少し沈黙した後言葉を発した
「絶対に使える、というわけじゃないわ」
俺は少し落ち込んだ
そんな俺の姿を見て彼女は
「で、でも絶対にないってわけじゃないし、魔法が使えなくても剣術とかあるから大丈夫よ」
剣術か…かっこいい!!
目を輝かせる俺に対し、彼女はため息をつきながら言う
「貴方本当に何も知らないのね」
「そういえば貴方名前は、なんていうの?」
日本での名前を使ってもいいのか…?
一瞬迷ったが、偽名を考える余裕なんてない
「あ…、神代蓮と言います」
「カミシロレン?珍しい名前ね」
彼女は首を傾げた
やっぱり…日本の名前は、まずかったか
「私は、シルフィア・レインよ。よろしくね」
「シルフィアさんは、なんで俺のことを助けてくれたんですか…」
「”さん“付けしなくていいわよ。堅苦しいのはあまり好きじゃないの」
彼女は柔らかく微笑んだ
「冒険者ギルドの依頼で、この辺りを見回っていたの。そしたら、貴方がドラゴンに襲われそうになっているところを見つけてね…」
「だから助けてくれたのか…」
「困っている人を助ける、当たり前のことよ」
彼女は少し、照れくさそうに言った
そんなシルフィアに俺は、ふと疑問に思った事を聞いた
「俺も冒険者ギルドに登録とかできるのか?」
「一応できるけど、冒険者になるなら学園に通ったほうがいいわ…実績にも残るし、基礎も学べるからいいわよ」
学園…この世界には日本で言う学校みたいなところがあるのか
「ところでレン、貴方学園に通ってる?」
「行ってない」
シルフィアは少し考えた後言葉を発した
「じゃあ、私と同じ学園に通ってみない?」
俺は驚いた顔をシルフィアに見せる
「今から急にでも入れるのか?」
「入学試験まで数ヶ月あるから大丈夫よ」
俺は少し考える…
「学力面は…」
「それは大丈夫よ!なんせ私が教えてあげるから」
数ヶ月で覚えられるものなのか…
「結構暗くなってきたわね…これ以上の移動は危険だからここら辺で泊まりましょうか」
そう言われ、空をみてみるとさっきまで晴天の青空だったのが真っ黒になっていた
「薪をとってきてくれる?」
「任せて!」
俺はそう言い…薪を取るために周りから拾ってきた
「とってきました!!」
俺は大きい声で、シルフィアに聞こえるように言った
「ありがとう」
そう言ってシルフィアは、俺から薪を受け取った
「《ファイヤーボール》」
シルフィアはそう言い…彼女の手のひらから生まれた小さい火の玉が、薪へ触れた瞬間、勢いよく燃え上がる
それを見て俺は、
ーー本当に魔法がある世界なんだ…
改めて、この世界に来たことを実感した




