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私たちは、あなたの輝かしい過去を一冊の本にし、夢を通してお見せします。  作者: 夢乃めちあ


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【アフターストーリー】私たちのシェルター 完結編

★主な登場人物★


・ベル (本名 綺咲凛音)

現代人。鈍感な本の書き手/164cm


・来栖恭介

未来人。爽やかな医者/177cm


・百目鬼弓月

未来人。真面目な護衛兼リーダー/185cm


・七彩七海

未来人。チート級つよつよギャルの護衛/155cm


・服部半蔵

過去人。純粋な心の忍者。護衛/172cm


、若王子王子

未来人。七海の兄。自称天才・実際天才/167cm


・黒羽フリル

未来人。洪水のように泣く。皆のサポート役/158cm


・沖田総司 ※この作品では女性※

過去人。真面目な剣の達人。護衛兼サポート/172cm

 みんながリビングから出ようとしたら、ナナの泣き声が聞こえてきた。


「みゃあっみゃーっ!」


 いや、ナナじゃない! リアルな子猫の鳴き声っぽい!


「あにゃ……にゃ……うぅにゃあぁぅ……」


 こ、これがナナだ! ややこしい!


「キョウ兄さん、猫とナナ姉さんの鳴き声がしますよね?」

「ああ……だな、沖田さん」

「オレ、嫌な予感がするよ……」

「同感だ。何が起きたのやら」


 沖田さんとキョウ、王子くん、ユヅさんがそれぞれ話している。


 すると。


 ――服部さんがナナをおんぶして、頭の上に猫を乗せて帰ってきた!


「うう……見つかっちゃったっス……ハチっち、来ちゃダメって言ったっスのに」


「ハチっち……?」


 ナナとお揃いのヒョウ柄のリボンをつけてる。って……! パステルピンクの三毛猫⁈


 ユヅさんが猫耳を出してるナナをひょいっと抱き上げて、服部さんは猫をそのまま抱いて撫でていた。「みゃみゃ!」猫は嬉しそうで、なんか服部さんに懐いてる?


「最近庭で見かける猫でござるよ。たまに一緒に飛んで遊んでたでござる」

「えっピンクの猫がうろついてたの?」

「そうでござるよ?」


 ピンクの猫は嬉しそうに「みゃあ」と鳴いた。まだ赤ちゃんなのかも。ちっちゃーい!


 キョウはこめかみを三回叩いて能力を使った。

 何? 何で猫に使うの?


「恭介。その猫は――」

「俺が見る限り普通の猫ですね。王子くん、『モフモン』買いに来てた未来人を調べてくれるか? あ、服部さんは知らないか……こいつ、未来でよく見るけど、未来にしかいない猫だから現代にはいないんだよ」


「そうでござるか?」

「未来の猫⁈ えっ、触りたい!」

「ベルっちぃ〜! ハチっちは最高の触り心地っスよ!」

「みゃあ」


 ナナが喋ると猫も嬉しそうに鳴いた。仲良しだー! てか、さっきから思ってたけど、ハチっち?


「ねっ♪ キョウくん! みんな! 例の未来人の男性は無事に未来に帰ってSNSに戦利品を投稿してたよんっ♪ お金持ちのボンボンらしいよ〜過去観光なんてそうそうできないからね〜〜〜じゃ、猫ちゃんの飼い主探そっか⭐︎」


「ウチが飼い主っス」


 ナナが頬を風船みたくぷうって膨らませて抗議する。王子くんとユヅさんが同時にほっぺをぷにーって指で押したらしぼんだ。


「こーら、ナナちゃん。名前までつけて! ダメだよ?」

「どこから来たのでしょう? 飼い主様はきっと探してますですの」

「まずは落ち着こうか。七海、その猫と本当の飼い主を見つけてあげないと可哀想だろ?」


「ウチが飼い主っス!」

「みゃ!」


 ナナはユヅさんから降りて私にしがみついてきた。こまったぁ! ナナをなでなでしても機嫌は直らない。


「ナナ……いいこでしょ? みんなの力も借りてみようよ?」


 私がそう言うと「むぅ」とした顔をして、ピンクのツインテールをゆらゆら揺らしながら、猫を迎えに行った。しゅばっと一瞬見えなくなる。服部さんが「あっ」と声を出した。


 ナナは強いから服部さんは敵わないんだ……!


 猫はナナに抱かれて嬉しそうに「みゃ、みゃう〜」と鳴いてナナの腕の中でくるっと丸くなった。ひゃわわ、かわいい。


 王子くんがタブレット端末を操作してると「あぁ!」と叫んだ。何か見つけたのかな?


「その猫のこともわかったよ! この間、未来に行って、うさぎ仮面ちゃんのお墓参りに行ってきたでしょ? その時、野良猫がいたらしいんだ。その時にナナちゃんについてきちゃったみたい!」


 王子くんがタブレット端末を見せてくれた。写真には、ナナの背中に猫がぴったりくっついてた。かわいい〜! 二枚目は、ナナのリュックの上で寝てた。やだかわいい!


 これならナナもわかんないね。

 てかその写真どこで見つけたの?


「それと、その子がダンボールに入ってる写真を未来のSNSで投稿してる人がいたよ。文面的にナナちゃんでしょ?」


 王子くんが問い詰めるとナナが逃げ出しそうになるけど、猫が「みゃう!」って鳴いて、ナナのおでこにおててをぽん、と乗せた。


 ――ナナに待ってって言ってるみたい。


 ナナは、反省してるみたいで「あにゃ……にゃ……」って泣きそうになりつつその場に留まった。


 えーとなになに? 何て書いてるの?

 みんなで覗き込む。


【誰か拾ってあげてっス。かわいそうっスよ! 早く迎えに来てあげてほしいっス】


 絶対ナナじゃん! すごい拡散されてる!


 ユヅさんは呆れながらも、ナナの思いやりに負けたみたいでナナと猫を撫でてた。そして、言いにくそうにナナと猫に真実を突きつける。


「いずれにせよ、その……だな。未来条例に違反してしまうんだ。ここで保護してあげたいが、未来に戻してこないといけない……」


 ナナは反論した。猫を守るようにぎゅっと抱いて後ろを向いた。「みゃうぅ」と猫が切なく鳴く。


「ユヅパイセン! 嫌っス! ハチっちはウチの弟なんス!」

「おい、ナナ。そいつメスだぞ?」

「何スかキョウ兄! じゃあ妹っス!」

「ナナ姉さんが猫といるなんてかわいいな」

「はいですの。かわいいとかわいいですのよ!」

「本当にかわいいよね! 規則がなければ飼ってあげたいのに……」

「ベル、みんな、気持ちはわかるけど規則なんだ。医学会的にも最大の禁忌になってる……」

「拙者も一緒にいたいでござるよ」


 みんなで話してると、突然猫がナナから飛び出して、アピールするかのように一旦止まって鳴いた。


「みゃあっ! みゃーーっ!!!」


 ピンクの猫は走り出した。


「ハチっち! 行っちゃダメっス!」


 ナナが止めようとするけど、猫はテーブルに乗らずに椅子に座った。


 ど、動作が人間みたい。


 私もみんなもびっくりして固まってしまった。

 未来の猫すご……!


 さっき私とフリルさんが片付けたテーブルの上の王子くんの仕事道具を器用に分けてボールペンと白紙の紙を探すと、器用に口でペン咥えて、紙に書いた。


 みんながびっくりしてる間に、その猫は紙を咥えて持ってくる。なんて書いたの?


 汚い字だけど読めるぞ! 頑張って書いたんだね!


【おりこうさん できるみゃ】


「ハチっちえらいっスー!」


 ナナが抱き上げてなでなですると、感謝をしているように頬をぺろぺろと舐めた。ナナが「くすぐったいっスよ」って笑う。

 

 やだもうかわいすぎる!


 と、同時にユヅさんの携帯が鳴る。


「百目鬼です。ちょうど相談したいことがありまして……え? ハチって、ピンクの猫ですか? はい。……はい。え? そんなことができるんですか? 目的? ……はい、――成程。わかりました。ご配慮感謝申し上げます」


 ぽかんとしながら、ユヅさんが少し屈んでナナと目線を同じにする。


「七海、その猫に『ぬいぐるみに変身』って言ってくれるか?」


「はいっス……? ハチっち、ぬいぐるみに変身っス!」


 ぼわんっと煙が出て、猫は、猫のぬいぐるみになった。か、かわいー!


 ナナが目をうるうるさせて、焦って抱き上げる。あぁっ泣いちゃった。


「ハチっちがぬいぐるみになっちゃったっス〜〜〜戻ってっス! 戻ってっスぅぅぅぅ」


 また、ぼわんっと煙が出ると猫に戻って、「みゃうっ」と鳴いてナナの涙を拭うように手で目元をぷにぷに触ってた。


「な、なんてかわいさなんだ!」

「あらまあっ! ぬいぐるみにもなれるなんて! おりこうさんですの!」

「きゃあっどっちもかわいい〜〜〜!」

「愛らしいでござる!」


 猫とナナのところに、『かわいいは正義の会』の沖田さん・フリルさん・私・服部さんが集まる。猫は会釈するように動いて「みゃ」と鳴いた。


 後ろでは、キョウと王子くんが頭を抱えたユヅさんを支えて事情を訊いてた。



***



 全員テーブルに座る。猫は病気を持っていたら大変なので、医師として色んな免疫を持っているらしいキョウが優しく抱っこしていた。早くも頬擦りされてる!

 キョウは「お前大人しいな」と言って撫でてた。あー、猫側もキョウ側もいいなぁと思って、私はずっと隣に座ってるキョウと猫をちらちらちらちら見てた。


 ユヅさんが「では、上からの指令だ」と言って説明し始めた。


「外出の際はぬいぐるみに変身してもらうことを約束して、絶対に守ること。現代人に見られたらすぐに未来に返すことを条件に出してきた。また、現代で未来猫が無事に生きていけるかの観測を目的とした実験として、上が飼育の許可を得たらしい」


 キョウが心配そうに鳴いている猫をゆっくり撫でながら身を乗り出す。


「え、それ特例すぎませんか? 万が一誰かに目撃されたら一発アウトですよ。あ、猫。不安にさせちまったか? 大丈夫だからなー、よしよし」


 キョウの腕の中で猫は震えてた。「ごめんな、怖いよな」と言うと、「みゃむん……」と微妙な感じで鳴いた。耳もくしゃくしゃになってる。人間の都合でごめんね。私もなでなでに加わる。

 

「この猫を迎えないと、七海・ベル・沖田さん・フリルさん・服部さんが未来へ返すことをとてつもなく悲しんで、現代猫を飼い始める未来があったらしい。そうなると、猫探しも大変だしリスクもある。この猫みたいに賢い猫はいないだろうから、仲間にした方がいいと上は考えたらしい」


 とのことで、とにかく『猫』はシェルターの新入りとなったのである!


「みゃあ!」


 キョウの中で両手上げてる! 猫、良かったね!


「なあ、猫なのにハチってなんなんだよ。ピンクだから『モモ』にしようぜ」

「キョウ兄! ひどいっス!」

「あ? ハチってハチ公みたいで犬だろ?」

「有名漫画にもハチってあだ名の女の子がいるっス!」

「俺は『モモ』がいい。みんなで決めようぜ」


 ナナとキョウが言い争いをしてると、猫が私の肩に乗ってきて、タッチペンとスマホを肉球でとんとん、と叩いた。


 つ、使いたいの? 使えるの? 使えそうだね?


 テーブルに置いて、メモ帳のアプリを開く。ハチが使いやすいように抱っこして、「これでいいの?」って訊いたら「みゃ!」とイエスな雰囲気で鳴いた。お返事助かる〜〜〜!


 口で器用にタッチペンを咥えると――すごい速度で打ち始めた。


【なな つけてくれた はち いいみゃ ななのつぎ はち みゃ】


 私がみんなに見せると、「おおっ」「わぁ」と歓声が上がる。


「スマホもこんなに使いこなせるなんて賢いねえ。オレのお古あげよっか♪」


 するとまたタッチペンでぴぴぴぴ! と打ち込んだ。はやいねぇ!


【はいみゃ これから よろしく みゃ】


「七海よりちゃんとしてるぞ。見習え」

「ハチっち、うちよりおりこうさんっス! えらいっス!」

「ナナちゃーん? ハチちゃんみたいになりなさいっ」

「……ナナ、否定しないのかお前……ハチに負けるなよ?」

「随分と頭の良い子ですのよ」

「未来の猫ってすごいね!」

「ベル姉さん、未来にもハチみたいな優秀な猫はいませんよ」

「えっそうなの?」

「かわいいでござるな……」


 みんな、本当はハチを迎えたかったから大喜び! ユヅさんも笑って撫でる機会を伺ってうずうずしてるー!



***



 ハチはナナがいじけて逃走してもすぐ見つけてくれたり、郵便物を取ってきて、怪しいものは教えてくれたり、とてもみんなの役に立つことを率先してしてくれてるの。


【こねこ の おんがえし みゃ】だって。律儀だね!


 だから、朝のナナ探しも楽になってユヅさんは助かってるみたい。


「ハチ、七海はどこにいるんだ?」

「みゃ!」


 ハチがナナのところまで誘導してくれてナナがすぐ見つかる。


 いいこだ、とハチを抱き上げると、ナナもヤキモチを焼いてユヅさんに抱っこをせがむというのがセットになって毎朝微笑ましいの。みんなでニコニコしながら見てるんだ。


 ハチは善悪がわかるコだから、しっかりナナを叱ってくれるぞ! もちろん、私たちが言い合いをしても仲裁に入ってくれる。


「ハチちゃぁん! ナナちゃんが『クソアニキ』って言ったぁ!」


「みゃみゃう!」


 ハチはナナのところに走ってって、ツインテールを肉球でふみふみして叱る。


「あにゃ! にゃ! にゃ! サーセンっしたぁぁぁ」


 ナナが泣いてると、真っ先に来てくれてなでなでの代わりに、ほっぺを肉球でぷにぷにして励ましたりしてた。


「ふふ、まるでお姉さんですわね」

「微笑ましい光景ですね! フリル姉さん、ベル姉さん!」

「うんっ! あっ、ナナも猫に変身してハチと遊んでる! あ、こっち来たっ」


 ナナが小さくなったり、猫になったりできるのは能力だったんだって。能力簡易測定器の結果なの。今度、未来でちゃんと計測するみたい。


 今は、ナナなりに能力をもっと鍛えてて、一瞬だけど『大人のお姉さん』にもなれる。変幻自在なのは能力だったんだ……!


 三人で猫になったナナとハチを可愛がってると、ユヅさんとキョウ、王子くんと服部さんが写真をスマホで連写してた。いつもこうなんだからっ!


 ハチはスマホを操作した。そして私たちに見せてくれた。


【みんな すき みゃ】


「きゃーっ! ハチーっ!」

「にゃううっウチも好きっス!」

「かわいすぎて持ちません……」

「あらっ⁈ 沖田様気を確かに!」


 キョウが沖田さんに駆け寄って、王子くんが慌てているフリルさんをなだめて、ユヅさんがナナを撫でて、服部さんはハチをいいこいいこした。


 寝る時はぬいぐるみに変身してくれる。今日はナナと私、ハチの三人で寝るの。

 調子が悪い人がいたり、寂しそうにしてる服部さんや徹夜してる王子くんがいると書き置きを残してそっちに行ってくれるんだよ。


 ベルうさとキョウうさを守るように、ハチは丸くなってぬいぐるみになった。


「ハチ、おやすみなさい。今日もありがとうね」


 一瞬だけ猫になったハチは、「みゃ」と鳴いて私の頭とナナの頭におててをぽん、ぽんと乗せておやすみなさいをしてくれた。


 さらに、ユヅさんとキョウが来てくれて、ユヅさんはナナを、キョウは私を撫でてくれた。ふふっ。二人は最後にハチを労って撫でて、いつも夜が終わるのだ。



***



「なあ、沖田さん。相談なんだが――学校に慣れるまでハチについてきてもらったらどうだ? ハチに話してみたら、やる気みたいだぞ」


 キョウは毎朝ハチの健康チェックとレポートを書いて未来に送ってるの。その時に一生懸命二人で相談してたんだ。


「でも、ぬいぐるみに変身できるとはいえ窮屈ですし、ハチはつまらないですから」


「みゃあ」


 ハチは予めスマホのメモに打ち込んできたらしい文章を見せた。


【そーちゃん いっしょ いこう みゃ! みゃあ は ねてるから へーき みゃ】


「ハチ……!」


 沖田さんはハチを抱っこすると、ぬいぐるみになった。ハチの大きさは、両方の手のひらから少しくらいで、ぬいぐるみだとさらに一回り小さくなるの。かわいいサイズ感なんだよ!


「あら、ハチ様。まだ猫のままでいいですのよ?」


 フリルさんがくすくす笑うと、ハチは猫に戻って「みゃう?」と首を傾げてた。


 でも、ナナは寂しくないのかな?


 心配してると、ナナは腰に手を当てて大きな声で宣言した。


「これより! ハチっちの初めての任務が始まるっス!」


「みゃー!」


 ナナに返事をして、沖田さんの肩に登ってスリスリした。


 みんなでニコニコしながら拍手する。


 朝食を食べ終えて、沖田さんはフリルさんから小さめのカバンを借りていた。ハチ用のカバンだ。ハチ用の小さなぬいぐるみ、ハンカチも入ってる。ご飯はハチの鞄が狭くなるから沖田さんのスクールバッグに入れた。


「ハチ。ハチにとって学校はつまらないと思う。飽きたら自分に教えてほしい。みんなに迎えに来てもらおう」


 ハチは「みゃみゃう!」と首を振った。


「そうか……たまになでたり、話しかけたらするから、今日は頼んだ!」


 ハチはスマホとタッチペンをちょんちょん、としてから自分から鞄に入る。


 これ、入れてねって言ってるんだ。ふふっ私にもメッセ来るかも!


 沖田さんがスマホとタッチペンを入れてあげた。ハチは鞄に入ると、片手を上げて「みゃっ」と挨拶する。


「ハチ、沖田さんを頼んだぞ! 頼み事聞いてくれてさんきゅな!」

「沖田様もハチ様も、いつでも迎えに行きますですの。安心してくださいませ」

「ハチっち、頑張れっス!」

「二人ともファイトっ! いつでもメッセ送ってね!」


途中、ハチから自撮り付きでメッセが来た。写真のハチ、近くてわかんない! 頑張って撮ってくれたのかな?


【そーちゃんといっしょ うれしいみゃ】


 なんだか大丈夫そうだね! メッセを見てみんなで安心してた。


 沖田さんは笑顔で学校に行って、笑顔でハチと帰ってきたのだった。

 朝、私の髪を結んだり、ハチの健康状態をチェックしたり、ハチのレポートを書くキョウは大変。

 レポートは私もお手伝いしてるの。


 健康チェックを終えて「お疲れハチ」となでて労うとハチは背伸びをして「みゃあ〜〜!」とリラックスしてた。


「あのな、ハチ。沖田さんは学校が不安なんだ」


「みゃう⁈」


 なんだって? ってポーズをしてる。器用だね?


 キョウ、ずっとなんか迷ってるって思ってたけどまさかハチにお願いするの?


「ハチに沖田さんと一緒に学校へ行って欲しいんだが――長い時間つまらないし、ぬいぐるみにもなってなきゃいけないんだが……」


「みゃ! みゃ!」


 ハチはスマホに打ち込んだ。


【みゃあ は そーちゃんの ちから なる みゃ】


「そう言うと思ってたよ。お前、恩返ししたいんだろ? ここに来て、一日目からずっとみんなをよく見て手伝ってたもんな」


「みゃ……みゃう!」


 ハチはまたスマホに打ち込んだ。咥えやすいようにタッチペンはL字型にユヅさんが改良してくれたのだ!


【みゃあ は ほんとは ここいちゃ だめ みゃ だけど いさせて もらてる みゃ】


「ハチ、ずっとそう思ってたの?」


 私が悲しくなって訊くと、ハチはしょぼん、と小さなお耳をくしゅくしゅにして「みゃぅ……」って鳴いた。


 私が抱っこして、キョウが撫で撫でして「悩んでたの気づかなくてごめんね」「確信が持てなかったんだ、ハチ……我慢させてたよな」と言う。


「ハチもこのままじゃストレスが溜まっちまう。何か任せられないかと思ってたんだ」


「そっか……ハチ、頑張ってみる?」

「サポートするからいつでも連絡してくれな」


 ハチはスマホにぴぴぴぴ! と打ち込んだ


【きょう べる ありがと みゃ やるみゃ】


「きゃ〜〜〜! ハチ〜〜!」


 私が喜んでると、ハチがまた打ち込んでる。なになに?


【きょう べる はやく らぶらぶ なる みゃ】


 ハチは「みゃふふ」と微妙な顔をして鳴いた。あっ、冗談だなー?


「こいつめーっ!」


 キョウが全力でハチと遊ぶ。


 猫じゃらしに飛びついたり、キョウの肩に乗ったり、楽しそう。


 ハチとキョウの二人推せるーーーー!

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