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私たちは、あなたの輝かしい過去を一冊の本にし、夢を通してお見せします。  作者: 夢歌環めちあ


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1話 はじめましてではない「はじめまして」

この作品はあなたに優しさを届けるファンタジーであり、SFで、ギャグであり、シリアスであり、ラブコメもあり、アクションもあり、魔法少女っぽい物語です。


読者様が幸せになれますように、祈りを込めて書いています。


★主な登場人物★


・ベル (本名 ???)

鈍感な本の書き手

164cm

来栖恭介くるす きょうすけ

爽やかな医者

177cm

百目鬼弓月どうめき ゆづき

真面目な護衛兼リーダー

185cm

七彩七海ななせ ななみ

チート級つよつよギャルの護衛

155cm

・???


挿絵(By みてみん)


「――つまり、みなさんは、未来で私が亡くなったので、また未来から過去に私に会いに来た、ってことであってますか?」


 みなさんは、私が亡くなる度にループしているのでしょうから、この台詞も聞き飽きてるでしょうけど、となんとなく付け加える。


 私は蚊帳の外で、目の前にいる未来人三人がタイムリープしてるらしいから、ループもののお約束として何回も同じ言動を見聞きしているはず!


 目の前にいる紺のスーツを着た男性とギャルっぽい女の子二人がびっくりしてる。


 あれ? なんでびっくりしてるの?


 パーカーとジーンズの上に白衣を着た優しそうな雰囲気の青年は、折角のイケメンが台無しになるほど悲しそうにしてる。少しの間俯いていたけれど、顔を上げた。長めの茶髪の前髪が揺れる。


 ――かっこいいな、この人。未来人って美男美女ばかりなのかな。


 彼は、ゆっくり私を見て、さっきとは違って何かを決意したかのように顔つきが変わった。


「……いや、聞き飽きていない。何回も繰り返したループで"初めて"聞いた言葉だからな」


 声もかっこいい、と思った。

 と、同時に私はそれどころじゃない! と心の中でビンタした。


「あ、そうなんですか。でも、なんとなく私の推測は合ってるんですね?」


「悪いがそれには答えられない。禁忌なんだ」

 

 私は小説やアニメででよくあるケースだ、と察して黙ることにした。いきなりスーツ二人組がわたわたと忙しなくする。代わりに白衣の人が説明してくれた。


「今までのベルと違うということは、君を含めて俺達に何か起こるかもしれないんだ。バタバタしてるが気にしないでくれ」


 カバーしてくれてるけど気にするよ?


「そうなんスよ! とりまイレギュラーな事態なんで警戒体制に入りまーす! ベルっち、物騒な武器出しますけど驚かないで!」


 可愛いツインテールのギャルっぽい女の子が物騒なことを言っている。パンツスーツを纏っていてもクールさが微塵もない。ヘアピンだらけのピンク色の髪が似合っていた。猫目な感じもかわいい!


「はい、驚きません!」


 色々ありすぎて驚く暇も無いよ、と思いながらもお気遣いに返事をしておく。


「およ? 清々しいほど言い切るっすね。あ、ウチらにはタメ口でお願いするっス! "前"もそーしてたんで」


 ベルっちと呼んだ女の子は、横に置いていた大きなリュックからテキパキと慣れすぎた様子でライフルと思われるものを出し、窓を覗き込んだ。

私は、話して良いものかと思いつつ返事をする。


「うん。わかった。早速使っちゃうね」


 このコは話しやすい。オタクに優しいギャルは存在した! ありがとうございます!


「はいっス! ウチはナナっス! 警戒しながら喋れるタイプなんで気にしなくていい感じっスからねー! そこのパーカー白衣のにーちゃんはキョウ兄で、真面目そうなのがユヅパイセンっすよ」


 長身のスーツの男の人がツッコミを入れる。長い黒髪は後ろで束ねている。切れ長の瞳が大人の妖艶さをさらに底上げしていて、真面目そうだけどモテるだろうな、と思った。


「七海、ざっくりすぎるぞ。この時代のベルは僕達と初対面なんだ。丁寧に説明してくれ」


「無理っす。ウチ、今からマジモード入るんで」


「ナナの"警戒しながら喋れるタイプ"は一瞬だったな……」


 ゆるくなった雰囲気に、ユヅパイセンという人はナナを見て怒った。その声で緊張感が走る。


「七海! 真面目に集中しろよ。何が起こるかわからない」


「ラジャーっス!」


「僕は早急に上に指示を仰ぐ。恭介、ベルに説明を頼む。大体の説明はさっきのよくわかる紙芝居でわかってもらえただろうから、今一度僕達の特徴と名前をベルに教えてくれ」


 最初にやって下さった、よくわかるタイムリープの紙芝居はめちゃくちゃ噛み砕かれていたけど、ぶっちゃけ大人三人が読み上げている姿は滑稽であんまり頭に入っていない。


 長髪の人はタブレット端末を操作し始めた。彼にキョウと呼ばれた白衣の人が「ああ、ユヅ先輩」と頷く。


「ベルは顔と名前を覚えるのに時間がかかるからな」


「……うん。キョウは流石わかってるね。私は、芸能人の中でも国宝級に顔が良いとか個性が強いとか、同じ服着てる芸人さんとかなら覚えやすいんだけど……ってあれ?」


 白衣の人の名前、勝手に口から出た!


「ベル! 俺のこともう覚えたのか?!」


「そう、みたい? てゆか、全員わかるかも。自己紹介と紙芝居のニ回で覚えれたのかな……?」


 端末を操作しながら、長髪の人が器用に話す。「ベル! 全員フルネームで言えるか? それも含めて想定外だ。僕達は最低でも三日、長くて一週間は名札をつけていたからな」


「うわ、過去の私? 未来の私……がお手間かけてごめんなさい。ええと、白衣のイケメンくん、君がお医者さんの来栖恭介くんだよね」


「そうだ。イケメンなんて嬉しいな。ありがとう」キョウは照れながら笑って頷いた。んー良い笑顔!


「で、今ライフル持ってて、警護担当が七彩七海ちゃんでしょ?」


「うっス。ナナっス!」返事はしているが警戒は怠っていないらしい。こっちを振り向かなかった。

 本当に喋りながら警戒できるタイプなんじゃないの? プロって感じがする。


「それから、タブレットが百目鬼弓月さん。警護とチームリーダー的な感じ、で合ってる? ユヅさんって呼んで良い?」


「ああ。ユヅさんでいいぞ。"前"もそうしていた。だがな、ベル。一つ言わせてほしい。僕はタブレットじゃないぞ」


「いいなあ、タブレットドウメキかあ。ユヅ先輩に新しいあだ名ができたな」


「むしろタブレットパイセンで良くないっスか? タブレットパイセン」


「お前ら僕のことをなんだと思ってるんだ!」


「「タブレット」」


「上からは連絡が来ないし部下にはタブレット扱いされるし僕はなんなんだ……」


 仲が良さそうな三人を見て微笑ましくなる。


 おっと、今は警戒中だ。気を引き締めないといけないのに。ってタブレットとか言っていじってみんな余裕じゃん!


「えと……こんな時にタブレットって言っちゃってごめんなさい」


 私は一応責任を感じて謝ってみたけれど、面白くなっちゃって笑いを堪えた。


「お前ら、覚えてろよ」


「えwww ユヅパイセン、忘れて欲しくないんですか? 矛盾してるっスwwwマジうけ――」


 ディスりまくっていたナナが表情を険しく変えた。


「あっ! 家の下に不審者発見ッス! さっと拘束してくるっす。離脱するんでベルっちのことよろっスよ〜」


 すると、ナナはライフルを乱暴にユヅさんに投げて窓に走っていく。「先輩を侮辱しやがって」と言いつつ受け取ってライフルを持ち、援護の体制に入った。


 ……うっわ、テンションの高低差で風邪引きそう。


 ナナはふわっと窓から飛び降りた。ツインテールが風にゆらゆらと揺れる。絵になるなあと思いつつ、落ちていく瞬間、右手に光るものが見えた。多分ナイフっぽかった。


「恭介。ベルを死守!」


「ああ! ベル、狙撃があるかもしれない。すまないがこれを着てくれ」


 キョウはパジャマのままだった私に防弾チョッキみたいなゴツい服を着せて、ヘルメットを被せてくれた。重っ。未来のものなのかな? でもヤバそうだし我慢しなきゃ……!


「俺の背中にいてくれ。こう見えても戦闘訓練は受けてる」


「あ、ありがとう……」


 ――うう。着替えてないの、恥ずかしいな。……だって、この三人ったら朝に突然、助けてくれ! 怪我人が居るんだ! とか言って無理矢理上がって来たんだもん!


 キョウ本人はヘルメットだけ装備する。予め白衣の下のパーカーに何か着てるのかな? 


 ――呑気なことを考えていると、物騒な音と声が聞こえた。

ベルの突拍子もない台詞ではじまりました。

これから彼らがどうなっていくのか、お楽しみにして下さい!


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