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虚無王ザラビスは退屈している  作者: 釘宮・連
ザラビスの起源に関する注釈
95/101

96.主の妹、降臨

多元宇宙ニリオン…


もはや安定していない。


第一層は単に亀裂が入っただけではない。


内側から崩れ始めている。


空間は途切れ途切れの呼吸のように震えている。


時間は不規則に脈打っている。


銀河…一つずつ、その形を失い始めている。


そして、そのすべての真ん中に。


未だ立ちはだかる三つの力があった。


ヴェルドラ。


フェルダ。


アルロ・アッシュヴァレン。


彼らから発せられる圧力は、単なる力の衝突ではなかった。


それは存在同士の摩擦だった。


凍てつく緊迫の第一層


ヴェルドラが大きく笑った。


彼の黒き龍の気配はますます大きくなり、周囲の空間を押しつぶす。


「惑星を作り直すだけなら…」


彼は気楽そうに言った。


「なぜここまで大げさにする必要がある?」


フェルダは瞬きもせずに彼を見つめていた。


彼女の周りの濃い紫の霧はゆっくりと、だが極めて密に渦巻いていた。


「あなたが破壊しているのは、単なる惑星ではないからだ」


彼女の声は冷たい。


「それは構造の一部なのだ」


アルロ…相変わらず沈黙している。


だが今回は。


ただ観察しているだけではなかった。


彼の目はゆっくりと動き…拡大し続ける破壊の様子を見ていた。


亀裂。


歪み。


消滅。


そして初めて…。


彼は自分が決して行いたくなかったことを、真剣に考え始めていた。


すべてを創り直すことを。


圧力の変わる第二層


ルータズ・リレスがエネルギーの嵐の真ん中に立っていた。


エテリアルの四将軍がなおも食い止めようとしていた。


ミロアが次元の幻を作り出し。


パゴダが特異点の槍を形成し。


グレーターが純粋な力で攻撃する。


だが。


ルータズはもはや遊んではいなかった。


彼の気配は静寂に包まれていた。


弱いのではない。


だが…深すぎて理解できないほどだった。


彼はゆっくりと剣を掲げる。


「十分だ」


たった一言。


そして周囲の世界は…一瞬だけ時間が止まったようだった。


将軍たちは直ちに悟った。


何かが変わったのだと。


危険な笑みの第三層


ワルサー・ザギが剣を肩に担ぎ、気楽そうに立っていた。


シゲドンとフジラが両側からなおも攻撃を仕掛けていた。


だが今回は。


ワルサーは避けなかった。


彼は前に出た。


彼らの攻撃が彼の体に当たる。


だがそれはまるで、何もない空間に当たったかのようだった。


彼は二人の背後に現れていた。


「本気になってきたか…」


彼の笑みは薄い。


以前よりもずっと冷たい。


「ようし」


最果ての門 頂点に達する緊迫


ニメロスが突然、目を大きく見開いた。


「…これは単なる破壊ではない」


すべての番人たちが一斉に彼の方を向いた。


ヴェルキラが眉をひそめる。


「説明せよ」


ニメロスは彼らの前にあるエネルギーのスクリーンを見つめた。


第一層は…もはや予測不可能な状態になっていた。


「このまま進めば…」


彼は手を握りしめる。


「第一層だけが破壊されるのではない」


皆が沈黙した。


彼らは知っていたからだ。


もし多元宇宙ニリオンが崩壊すれば…。


彼らの主がそれを感じるだろうことを。


そしてそうなれば…。


その結果は想像を絶するものとなる。


多元宇宙の外側 ミジャルンの旅


銀河の彼方。


宇宙の外側。


通常の多元宇宙を超えた場所。


一つの小さな影が虚空の中を飛んでいた。


ミジャルン。


彼の体は周囲の宇宙的な規模に比べれば、はるかに小さい。


だが彼の決意は。


決して小さくはなかった。


彼は息を切らしていた。


この旅は彼にとって容易なものではない。


彼は多元宇宙級の存在ではない。


自分自身の力についてさえ、まだ完全には理解していないのだ。


だが。


彼は進み続ける。


「…着かなければ」


彼の目が震えていた。


「もし俺が遅れたら…」


脳裏に破滅の光景がよぎる。


破壊。


「…すべてが消えてしまう」


彼の体からかすかなエネルギーが立ち昇る。自らの決意への応答のように。


そしてついに。


彼の前に…。


一つの巨大な構造物が現れた。


多元宇宙ニリオン。


第一層 来訪


三つの力の緊迫感の中で。


何かが変わった。


爆発でもなければ。


攻撃でもない。


だが。


それは「存在」だった。


ヴェルドラの動きがぴたりと止まった。


彼の目が細くなる。


フェルダもまた沈黙した。


アルロは…ゆっくりと顔を上げた。


空間に小さな亀裂が開く。


そしてそこから。


小さな影が一歩踏み出した。


静寂。


第一層全体が…まるで時間が止まったかのようだった。


ミジャルンがそこに立っていた。


彼の気配は大きくない。


圧迫感もない。


恐ろしくもない。


だが。


誰もが彼のことを知っていた。


すべての層の停止


第二層。


ルータズの動きが即座に止まった。


彼の剣は空中で凍りついている。


ミロアも固まった。


パゴダは一歩後ずさる。


「…あれは…」


第三層。


ワルサーがゆっくりと剣を下ろした。


彼の笑みは消えていた。


「ああ…」


彼は小さくため息をつく。


「彼が来たか」


最果ての門


ニメロスがすぐに立ち上がった。


「…ミジャルン様」


すべての番人たちが一斉に沈黙した。


誰一つ、動くことを許されないかのように。


第一層 すべてを止める言葉


ヴェルドラが大きくため息をついた。


彼の大きな気配がゆっくりと収まっていく。


「…ついに来たか」


彼の口調は気楽そうだが。


その中には確かな敬意が含まれていた。


フェルダがミジャルンを見つめる。


攻撃もせず。


動きもしない。


アルロは…相変わらず沈黙していたが、もはや戦う準備はしていなかった。


ミジャルンは大きく息を吸い込んだ。


彼は周囲の破壊の様子を見た。


亀裂。


虚空。


崩れ去った銀河の名残。


彼の手がわずかに震えていた。


だが彼は立ち続けた。


「…やめろ」


彼の声は大きくはない。


だが。


すべての者に届いた。


弟の命令


ミジャルンは一人ひとりを見つめた。


ヴェルドラ。


フェルダ。


アルロ。


「このまま続ければ…」


彼は唾を飲み込む。


「…すべてが消えてしまう」


彼の声に脅迫めいたものは何もない。


ただ…真実があるだけだ。


そして、恐怖が。


ヴェルドラが腕を組む。


「それで、お前はこれを止めに来たのか?」


ミジャルンはゆっくりと頷いた。


「…ああ」


一瞬の沈黙。


それから。


ヴェルドラが小さく笑った。


「お前がそう言うなら…」


彼は肩をすくめる。


「わかった。一旦やめるとしよう」


多元宇宙全体の沈黙


第二層。


ルータズが剣を完全に下ろした。


「…命令が下った」


エテリアルの将軍たちはゆっくりと後退していく。


第三層。


ワルサーがため息をつく。


「はあ…残念だな」


彼は剣を鞘に収めた。


最果ての門


すべての番人たちが頭を垂れる。


第一層 新たなる責任


フェルダがミジャルンを見つめる。


「では…誰が責任を取るのだ?」


ミジャルンは言葉に詰まった。


彼に完璧な答えがあるわけではない。


だが彼は知っていた。


このままにしておくわけにはいかないことを。


彼はヴェルドラを見つめた。


「…頼む」


たった一言。


そして初めて。


ヴェルドラが冗談を言わなかった。


彼はため息をつく。


「わかった…」


「俺が直してやる」


結末 遠方より来たるもの


だが。


このすべてのはるか彼方。


多元宇宙ニリオンよりも遠く。


通常の全宇宙を超えた場所。


六つの光が現れた。


彼らは普通の存在とは似ても似つかない。


安定した形を持っていない。


彼らの存在は…異質なものに感じられる。


極めて、異質だ。


かすかな声が響く。


「興味深い…」


「システム外からの干渉か…」


「これは観察に値するか…それとも破壊すべきか?」


そしてゆっくりと。


六つの存在は動き始めた。


一つの方向へと向かって。


多元宇宙ニリオンへと。

「次回更新: 3月 24日 21:00」

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