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虚無王ザラビスは退屈している  作者: 釘宮・連
ザラビスの起源に関する注釈
94/95

94.崩壊の臨界点

ニリオン多元宇宙の第層は崩壊の瀬戸際にあった。


空間はもはや安定していない。


時間はもはや真っ直ぐに流れていない。


そのすべての中心に…三つのオーラが未だ激しくぶつかり合っていた。


ヴェルドラ。


フェルダ。


そしてアルロ・アッシュヴァレン。


三者から放たれる圧力は、単なる力の衝突ではなかった。これは存在そのものの衝突だった。時が経つごとに、彼らの周囲の空間はますます亀裂が入り、内側からの圧力に耐えられなくなったガラスのようになっていた。


ヴェルドラはゆっくりと首を動かし、彼の宇宙竜の骨がかすかに軋む音がした。


彼の笑みは大きくなった。


「よし…」


彼のオーラが高まった。


より重く。より深く。より荒々しく。


「本気だってことだな」


彼の前で、フェルダは手を上げた。


彼の体の周りのエーテルの霧がますます速く回転した。エーテル・ソブリン・フォームの姿は今や完全に安定し、以前よりもさらに密度が高まっていた。


彼の瞳は冷たかった。


「どう解釈しようと勝手だが」


フェルダの声は穏やかだったが、圧力に満ちていた。


「俺はただ、終わらせるべきことを終わらせるだけだ」


ヴェルドラは小さく笑った。


「いい台詞だな」


彼は翼を大きく広げた。


彼の背後の銀河が、彼のオーラの重力に引き寄せられた。


「ならば…」


彼の瞳は鋭くなった。


「俺を止めてみろ」


最初の衝突


合図もなしに。


カウントダウンもなしに。


二人は同時に動いた。


ボォォォォン!!!


最初の衝突は普通の爆発を生み出さなかった。


空間そのものが砕けたのだ。


衝撃波が第一層全体を襲った。すでに亀裂の入っていた銀河のいくつかは一瞬で完全に崩壊し、荒れ狂うエネルギーに流される宇宙の塵となった。


ヴェルドラは一歩後退した。


フェルダは数メートル移動した。


二人は同時に立ち止まった。


そして笑みを浮かべた。


「悪くないな」とヴェルドラは気楽に言った。


フェルダは答えなかった。


彼は再び手を上げた。


エーテルのエネルギーが集まり、彼の周りに回転する次元の螺旋のような構造を形成した。


それから彼は再び攻撃した。


その攻撃は単に体を狙うものではなかった。


それは空間そのものの存在を攻撃するものだった。


ヴェルドラは笑った。


彼は避けなかった。


彼はそれを受け止めた。


彼の竜の体がエネルギーの一部を吸収し、残りは彼の体から爆発する黒いオーラによって破壊された。


二回目の衝突ははるかに大きかった。


今回、次元の亀裂は第一層の境界まで広がった。


ハルマゲドンの門


遠くの場所で…


すべての門番が見守っていた。


ニメロス。


ヴェルキラ。


ヴェルミラ。


スレイズ。


そして13人全ての門番。


彼らの前の宇宙エネルギーのスクリーンが激しく振動していた。


ヴェルキラは拳を握りしめた。


「これはもう限界を超えている」


ヴェルミラは緊張した声で付け加えた:


「このまま彼らが続ければ…第一層だけが崩壊するわけじゃない」


スレイズは鋭い目で見つめた。


「その影響は多元宇宙全体の構造にまで及ぶ可能性がある」


ニメロスは依然として黙っていた。


だが今回、彼の表情は変わっていた。


彼の瞳は細められた。


彼は単に戦いを見ているのではなかった。


彼はさらに深い何かを感じ取っていた。


第一層の空間が歪み始めた。


時間…が遅くなり、不安定に回転し始めた。


「これは単なる戦いじゃない…」


彼は小さくささやいた。


「これは現実の基礎を損ない始めているんだ」


第二層


第二層での戦いは依然として続いていた。


だが今でははるかに残酷になっていた。


四人のエーテル将軍は変化に気づき始めていた。


だが、ある一言が発せられた瞬間、すべてが変わった。


サストランはにやりと笑った。


「貴様たちのような門番は…あの虚ろな存在の飼い犬に過ぎない」


沈黙。


ほんの一瞬。


それから


ルータズ・リレスのオーラが変わった。


大きくなったのではない。


だが…より重く。


より冷たく。


より致命的に。


彼は少し頭を下げた。


「もう一度言え」


彼の声は平坦だった。


サストランは皮肉な笑みを浮かべた。


「何だ?気に入らないのか?あのニヒルロードが—」


彼の言葉は途切れた。


一瞬のうちに。


ルータズは彼の前に現れていた。


彼の剣が動いた。


見えなかった。


音もしなかった。


ただ一つの結果だけがあった。


クラァック!!!


サストランの背後の次元が裂けた。


サストランの体も引き裂かれた。


彼は遠くに弾き飛ばされ、存在の形を失いかけていた。


ミロアとパゴダは即座に反応した。


「彼が変わった—!」


「これは以前の力じゃない!」


ルータズはゆっくりと剣を上げた。


彼の瞳は感情のない冷たいものだった。


「貴様たちは口が過ぎる」


戦いは再び激しくなった。


第三層


他の場所で…


ワルサー・ザギは依然として気楽に立っていた。


だが彼の笑みは今や違っていた。


より薄く。


より危険に。


彼はすべてを感じ取っていた。


ヴェルドラのオーラ。


ルータズの変化。


そして…あの侮辱。


「ふむ…」


彼は剣を上げた。


「なるほど、そういうことか」


シゲドンが先に攻撃した。


次元の波が襲いかかった。


フジラが反対側から続いた。


連携攻撃。


だが


ワルサーは消えた。


彼は彼らの背後に現れた。


「これからが本番だ」


一閃。


シュラァァァク!!!


空間が裂けた。


彼らの遠く背後にあった惑星…が完全に二つに割れて崩壊した。


シゲドンは弾き飛ばされた。


フジラは体勢を崩した。


ワルサーは笑みを浮かべた。


「そう簡単に死ぬなよ」


第一層へ戻る


衝突が次々と起こり続けた。


今や一つ一つの攻撃が一つの恒星系を崩壊させるほどの力を持っていた。


ヴェルドラはますます大きく笑い始めた。


「ハハッ!これこそ生きてるって感じだ!」


フェルダはもはや自分を抑えていなかった。


彼のエネルギーはますます密度が高まり。


彼の攻撃はますます深みを増した。


アルロ…ついに動いた。


一歩。


たった一歩。


だがその影響は


彼の周りのすべての空間が一瞬止まった。


彼は周囲の崩壊を見た。


銀河が崩れ落ち。


空間が亀裂し。


時間が振動していた。


そして彼の心の中に…


一つの可能性が浮かんだ。


このまま続けば…


すべてが崩壊する。


第一層だけではない。


それに接続されたすべての構造が。


そしてそれが起これば…


彼はすべてを再創造しなければならない。


惑星も。


銀河も。


宇宙さえも。


自分自身の力で。


だが彼は知っていた。


それは彼を疲弊させるだろう。


非常に大きな代償を払うことになる。


そして初めて…


アルロはめったに感じることのない何かを感じた。


恐怖。


ハルマゲドンの門で…


ニメロスは瞳を大きく開けた。


彼はついに完全に悟った。


「いや…」


彼の声は小さかったが、緊張に満ちていた。


「第一層が…崩れ始めている」


空間は歪み。


時間は曲がり。


銀河は一つずつ崩壊し始めた。


このまま続けば


すべてが消えてなくなる。


そしてニヒルロードが戻ってきたら…


そしてこの混乱を感じ取ったら…


ニメロスは手を強く握りしめた。


「これは…さらに大きな災難になる可能性がある」


崩壊の中心へ戻る。


アルロはヴェルドラを見つめた。


初めて…彼は本気で話そうとしていた。


彼は手を上げた。


まるですべてを止めようとするかのように。


なぜなら彼は知っていたから


次の一つの衝突が…


別の存在を目覚めさせる引き金になるかもしれないことを。

「次回更新: 3月 20日 21:00」

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