7.「ザラビス」の起源
過去編 ― ザラビス誕生
万象創世以前
原初虚無よりも遥か。
無の概念すら すら存在しなかった。
虚無という言葉조차 존재하지 않다。
「空虚」「無」「非概念」という認識조차生まれる前の時代……。
そこに在ったのは、原初にして混沌とした三つの現象のみ。
- 深紅の奔流――意味も目的も持たぬ、純粋なエネルギーの奔流。
- 絶対暗黒――定義すら許さぬ、不可能性の権化。
- 逆さAの閃光(インヴァート・A・スパーク)――静寂を切り裂き、無を揺るがす最初の波動。
三者は意味を持たなかった。しかし、互いに引き合い、反発し合った。
そして、その相互作用から、概念を超越した何かが誕生した。
「前概念歪曲」――無と可能性の狭間で生まれた、衝撃の波紋。
その歪みから、最初の秩序が生まれた。それは、
計測不能な爆発。だが、物質を創造したのではない。パターンを刻んだのだ。
物理的な記号ではない。
文字でもない。
世界の設計図に似た、しかし、どの世界にも束縛されない、存在の根源を刻む周波数パターン。
それぞれのパターンは、三次元では説明不能な、異形の幾何学形状をしていた。だが、生命は、それを言葉にすることができた。
Z - A - R - A - B - I - S
それぞれのシンボルは、
- 数百万にも及ぶ「力の変数」(ランダムな能力ではない。「存在の根源を司る基本数値」)を内包する。
- あらゆる概念に先駆けて存在したため、「反力」を宿す。
- 単独では存在できない。必ず共鳴し、安定した形を求めようとする。
そして、七つのパターンが一つになった時……。
なぜ、七つのシンボルは一つになるのか?(納得できる理由が必要だ)
前概念の世界に、「自我」は存在しない。
エネルギーも、意味も、時間も、空間も、まだ生まれていない。
故に、複雑すぎる存在は、一つの器に収まらなければ、安定を保てないのだ。
七つのシンボルは、
- 力の設計図
- 反力の設計図
- 自我の設計図
- 無我の設計図
すなわち、互いを補完し合う存在。
融合しなければ、無へと還ってしまう。
七つの周波数が最も安定した状態で共鳴した時、それは、
ザラビス
という「名」ではない、最終的な共鳴の形となった。
そして、その姿は、人型だった。
なぜ、ザラビスの姿は人型なのか?
ザラビスは、最初から人型の姿をしていたわけではない。
彼は、こうして生まれた。
己を理解しようと試みる、純粋な意識の奔流として。
しかし、新たな世界が創造されると(虚無 → 黎明期の多次元宇宙)、「形」という概念が定義され始めた。
ザラビスは、創造されたばかりの世界と関わりたかった。故に、「器」が必要だった。
そこで彼は、
あらゆる次元に対して、最も安定した形を選んだ。
人型を。
なぜ、人型が最も安定しているのか?
- 二本の足 → バランスを取りやすい
- 二本の腕 → 最も効率的な相互作用が可能
- 頭部 → 意識を集中させる
- 左右対称 → あらゆる種族に受け入れられやすい
では、十二本の虚無角は?
なぜ、十二本なのか?
それぞれの角は、七つのシンボル構造を守護する役割を持つ。
- 七本の角 → コアシンボル(Z-A-R-A-B-I-S)を象徴する
- 残りの五本の角 → 存在を安定させるための装置
安定装置がなければ、ザラビスは、
- 非実体へと崩壊するか、
- あるいは、ただ「存在する」だけで、意図せず世界を破壊してしまう。
故に、十二本の角を持つ人型の姿は、
ザラビスが世界を破壊せずに存在できる、ぎりぎりの形なのだ。
出力 = 七つのシンボルから、どれだけの「周波数」を活性化させるか。
- 00000.000002%:
ザラビスは安全。世界は破壊されない。
- 10000.00000%:
絶対的な力をフルに解放する。
しかし、シンボルに限界はない。
故に、10000.00000%を超える出力は、
ザラビスが、存在を安定させるためのリミッターを解除することを意味する。
それは、世界にとって危険な行為。
彼は、古代の超次元文献において、こう呼ばれている。
「ニヒルム・プリモルディアリス――虚無王の血統」
しかし、「血統」と呼ばれるのは、あくまで象徴的な意味合いに過ぎない。ザラビスは、唯一無二の存在だからだ。
彼の姿を模倣しようとした者は、存在の矛盾に耐えきれず、消滅した。
神々の畏怖
最初に生まれた神々は、ザラビスのオーラに触れた瞬間、戦慄した。その圧力は、世界を震わせ、彼らの存在をひび割れさせるほどだった。
ザラビスが静かに通り過ぎるのを「見た」だけで、消滅した神もいた。
抗うことなどできず、神々は彼をこう呼んだ。
「奈落の魔王」
ザラビスは、「魔王」も「奈落」も知らなかった。ただ首を傾げた。
「王」という言葉は知っていた。かつて、神々が彼をそう呼んだことがあったからだ。敗北する前に。
ザラビスが、「魔王」と「奈落」の意味を理解するまで、34億年という歳月を要した。神々との戦い、天使との戦い、英雄との戦い、そして、魔族との戦いを通して。
だが、あらゆる種族の中で、魔族だけが、ザラビスに心酔し、忠誠を誓った。彼らは、ザラビスの魂が、自分たちと似ていることに気づいたのだ。はるかに古く、強大な魂だと。
奈落の支配者と十二守護将
残された三十柱の破壊神のうち、二柱が降伏した時、彼らはザラビスに誓った。
「我々は、二度と貴殿に逆らいません。奈落は、貴殿のもの。」
そして、ザラビスは、孤独を癒すために、十三人の魔族守護将を創造した。
彼らは、ザラビス自身の血から生まれた。最も古い二人は、
- ヴェルドラ――竜魔将、第六門の守護者。
- ヴェルザカー――最強の魔将。ヴェルドラとは、固い絆で結ばれた兄弟。
ザラビスにとって、奈落は、拷問の場所ではない。
罪を償う場所。誰がそこに落ちるに値するかを決めるのは、ザラビス自身。
ザラビスの道徳
ザラビスは、善でも悪でもない。
ただ、世界に応じるだけ。
「我に平和を望むなら、我もまた平和を望もう。
だが、我が愛する者に触れるならば、世界は悲鳴を上げるだろう。」
彼は、人間の腐敗を憎む。特に、女性に対する暴力と虐待を。
だが、外見で敵を判断することはない。
美しかろうと、醜かろうと、老いていようと、若かろうと、罪は罪。
オメガ・アルファとの邂逅
旅の途中、ザラビスは、時間、空間、次元を司る存在、オメガ・アルファと出会った。
多次元宇宙を見下ろすオメガは、初めて恐怖を感じた。
ザラビスは、ただ通り過ぎただけ。だが、その存在は、オメガ・アルファを揺るがした。
ザラビスが謝罪すると、オメガは、逆に興味を抱いた。
時間という概念に縛られず、自らの存在を維持できる存在など、見たことがなかったからだ。
二人の会話は、決して交わるはずのなかった、二つの存在の、永遠の友情の始まりとなった。
ザラビスに関する真実
1.彼は、敵役ではない。強すぎる力を持つが故に、誤解されているだけ。
2.彼のオーラは、意図せずとも世界を破壊する可能性がある。
3.彼の出力は、00000.00000%から、限界突破まで、自在に調整できる。
4.彼の能力は、絶対レベル数百万以上、ウルトラレベル数十万、そして、「アンチ・オール」能力四百。
5.彼は、「存在しなかった」存在、記録にも残っていない存在すら、消去できる。
6.だが、それら全てを超越して……
ザラビスが望むのは、ただ一つ。
友と、安寧。
ザラビス――種族なき種族、虚無王、そして、空虚からの救済者。
彼は、世界を支配するために創造したのではない。
ただ、星を見上げ、こう言うために創造したのだ。
「今度こそ、私は、独りではないかもしれない。」
「幾百万年もの間、私は虚空に語りかけてきた…
今、初めて、虚空が答えてくれた。」




