④-7
戻ってきたももてぃんは、コーヒーを淹れながら、再び話はじめた。
大石さんは2つの条件を出した。という。
この紫の若返りの薬は、太古から伝わる秘伝の方法で煎じている。
そのため、お金がとてもかかっている。
なんと代金が500万円…!!
……これを、大石さんに払わなければならない。
それもOLである菅野桃子の給料からではなく、
あくまでもアイドルのももてぃんとして、稼いだお金であることが条件だ。
稼ぐ方法にはこれまた2通りの指定がある。
1つ目はライブのチケット代、グッズや、(仮に)テレビやラジオで出演があった場合のギャランティ。
2つ目は駅前に屋台を設置し、夜の12時まで稼ぐ方法。これは自分の好きなものを売っていいということだ。
そして、この屋台こそが、俺とももてぃんの……出会いの場でもある。
あのクリスマスイブの夜、ケーキを売るミニスカサンタとして、
ももてぃんは、俺の前に現れた…。まさしく魔法のように…。
それに正月だって……
よこはまジュリーを見かけたことを、ふっと思い出した。
おずおずと話してみる。
「…この前の正月……よこはまジュリーを駅前で見かけたんだけど…。おでん売ってたんだよね」
俺は、そこで口を閉ざした。
確か……帰ってきた親父が、火事になっただとかなんだとか言ってたことも、
思い出したからだ。
もし…親父の勘違いだったら、と思うとこれ以上言えなくなってしまった。
ももてぃんは、それを聞いて、下がり眉になって、ふぅっとため息をついた。
「ジュリー……あの子、スマホ依存症なの。寮でもどこでもずうっとスマホいじってるもんだから、この間不注意で火事起こしちゃったのよね~」
「え、火事??」
「火事ってもまあ……屋台の屋根が焼けたくらいで、ジュリーも軽いやけどで済んだんだけど、修理代含めて、50万円借金が増えちゃった…」
「…気の毒に」
「そうよね、かわいそう。だけど私とは違って、あの子たちの借金は400万なの。緑の薬だから。……緑の薬って、要するにゲテモノ薬なのよね」
「ゲ、ゲテモノ…?!」
「ろくろっくびとか、吸血鬼とか、のっぺらぼうとか…化け猫とか……」
「ああ…!!」
納得した。同じ魔法少女でも、飲んでる薬が違うのか!!
ももてぃんの若返りの紫の薬は、500万。
まあ…ももてぃんの場合は、元の顔も可愛いから通用するわけであって……。
可愛くなる&ゲテモノになっちゃう薬は、400万。
なりたいゲテモノになれるという。
……てか、なりたいゲテモノってなんだよ!!(ツッコミ)
大石さんは、かなりの額をこんないたいけな少女たちから、せしめているわけか…。
「あと…もう1つの条件は…ね」
ももてぃんが……言いにくそうに言葉を紡ぐ。
「男の人と……S○Xしたら……魔法が解けちゃうの」
俺は、あんぐりと口を開けた。
これ以上ないくらい、すごく間抜けな顔をしていただろう。
「な、なんで?!」
「魔法少女はみんな……バージンじゃないといけないから……って」
な、なんやって~~~!!!
「キスすると、1万円借金が増えて、それ以上のペッティングやあれやこれやは5万円……。持田くん!ごめんなさいっ!」
がばあっと土下座をするももてぃん。
「だから私……500万借金返し終えるまで、あなたとS○Xできませんっ!!」
「…………」
衝撃事実だ……。




