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おれの彼女は、アイドルなのか?!  作者: とっぺん
①アイドルたちとのクリスマス
10/80

①-10

手招きされて杏奈のそばに寄った。ふぅっとため息をついて、テーブルにどんっと腰掛ける杏奈。同じ目線になった彼女の顔を、改めて間近で見る。


額には粒になった汗がびっしりついていた。

瞳は相変わらずキラキラして…よく目をこらすと、俺の姿が鏡のように映って見えた。


(本当に、人形みたいだな…)


歌は音程がとれてなくてイマイチだったけど、このルックスなら、アイドルとして充分人気が出そうな気がした。


「で、わかった?にいに?」

目の前の杏奈はそう言って、腕を組んだ。


俺ははっとした。


「見たでしょ?杏奈はアイドルなんです‼︎マリアンヌっていう2人組の歌手なのっ‼︎」


舌を出して、ぷいっと横を向く。

いちいち腹立つ動作する奴だな〜。


都さんがラジカセを元に戻して、こちらにやってきた。

「つまりね、瞬くん。何が言いたいかっていうとね、杏奈たちにはマネージャーがいるのよ。杏奈もマリアちゃんも学校には車で行ってるのよ」


車‼︎

中学生のうちから車通学?


「乗せてあげないよぉ〜だっ」

杏奈は指で鼻の穴を広げた変顔をしたのち、居間から走り去っていった。


都さんは、「ごめんなさいね」と苦々しく笑い、ソファに腰掛けた。


「昔から、あの子あんな感じだから、よく誘拐されそうになってたの」


「……」


「だから、いま車で送り迎えしてもらえてありがたいのよ。アイドルになって、色々苦労もあるけど、そう言った点では良かったと思うわ」


俺は自分のことばかりしか考えてなかったんだな。さっき言ったことを後悔した。

もっと優しくなろう。頼りになる兄貴になろう。

たった1人の妹のために、俺も力になろう。


俺は決心した。


こうして、家族で過ごすクリスマスイブの夜はふけていったのだった。



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