第十話:森ダンジョン4
パラデオンに戻ったツヴァイたちはまずはギルドの買取カウンターへ向かった。
「すいません。買取お願いします!」
「お、駆け出し冒険者にしてはなんとも大量だね。ウルフの肉と薬草、それから毒キノコかい?」
「いえ、そのキノコは無毒でとても美味しいんです!」
ツヴァイはトゲトゲキノコを1つとって食べる。
「お、おい君、大丈夫なのかい?」
買取職員はツヴァイの突然の行動に驚きを隠せなかった。
「ほら大丈夫です!職員さんも食べてみてください!」
そういってツヴァイはトゲトゲキノコを勧める。
「ま、まあそこまで言うなら解毒薬もあるし治癒士もギルドに入るし食べてみるか」
買取職員は恐る恐るトゲトゲキノコを口に含んだ。その目に鋭い輝きが灯った。
「これは美味い!今までこの見た目から誰も採取してこなかったのだろうな……」
「それで幾らくらいになりそうですか?」
「いや申し訳ないが買取価格は普通の食用キノコと同じにさせてもらうよ、新種過ぎて卸先が無いからまずは街の料理人に試してもらわないといけないし」
「えっとそれじゃあ10ゴルドずつくらいですか?」
「いや食用キノコは5ゴルドだよ。まあたくあんあるからウルフの肉や薬草と合わせて750ゴルドで買い取るよ」
「おお!ありがとうございます!」
ツヴァイは買取値段に納得し荷物を買い取ってもらった。
「新しい盾代くらいにはなりそうですね!」
マリンも予想以上の買い取り価格で嬉しそうにしていた。
「そういえばワスプの素材は売らなかったんですね」
「毒腺はスキルを使うのに必要だし、蜂蜜は俺が好きだから売らないことにした!」
ツヴァイは堂々と言った。
「ツヴァイさん甘党なんですね意外です」
「でも虫歯はないぜ!」
「油断はダメですよ!」
「大丈夫だって!」
「もう~」
そんなやりとりをしながら二人は買取カウンターを後にして防具屋へとやって来た。
「すいませんこのカイトシールドと同じサイズの盾ってありますか?」
そうツヴァイが尋ねると店主がごそごそと店の奥から盾を持ってきた。
「よう!甲殻戦士の坊主!お前のかった盾と同じだとこれがいいと思うぜ!」
そういって防具屋のおやじさんが見せてくれたのは自分の買ったカイトシールドと寸分違わず同じものだった。
「え、同じ盾……」
「ガハハ!その盾結構あるんだ!なかなか売れなくてな!今回も300ゴルドでいいぜ!」
豪快に笑いながらまたも値引き価格にしてくれた。
「あ、じゃあその揃ってる方が都合がいいので買います」
「まいどあり!ところで使い心地はどうだった?」
「え、凄く頑丈で森ダンジョンのボスの攻撃も受け止めてもほとんど傷んでません」
「おお!なるほどね!いい話を聞いたぜ!在庫を売りつくせるかもしれねえ!」
そう言うと店主は店の奥へと引っ込んでいった。
「売り文句でも書きに行ったのかな……」
「わかりませんけど、ツヴァイさんどうですか?ボーナス出てますか?」
マリンに言われて両腕にカイトシールドを付ける。
『左右均等のハサミによる正面防御を検出:【カラッパボーナス】』
『正面からの敵の突進・衝撃の勢いを80%削減します』
「お、少し銅の盾より重いけど発動したぞ!」
「やりましたね!今日はもう夕方なのでボスへの再挑戦は明日にしますか?」
「ああ、それがいいだろうな!じゃあまた明日広場で会おう!」
「はい!お疲れさまでした!」
ツヴァイはマリンと別れ自分の安宿へと戻っていった。
翌朝。
「おはようございます。ツヴァイさん!」
マリンが元気よく挨拶をしてくれる。
「おう、おはようマリン!じゃあボスを倒しに行くか!」
「はい!」
こうして二人は再び森ダンジョンへと向かった。
道中ワスプは優先的に倒し【オウギガニボーナス】を発動させるための毒腺を集めた。
そしてついに蒼鱗の大ワームにリベンジする時が来た。
以前来た時と同じでボスの広場にワームの姿はなかった。
前回と同じであれば出てきて咆哮からの体当たりコンボをしてくるはずだ。
ツヴァイは最初から防御の構えを取りマリンに『ソルトスプラッシュ』をかけてもらって、『サイドダッシュ』で広間へと入っていった。
――――クワァァァァァァァ。
またワームの咆哮が響く、体がこわばるが今回はきちんと防御の姿勢をとっていたので体当たりをまともにくらうことはない。
ガシィィィン!
【カラッパボーナス】は凄まじかった本来ならのけぞるほどの凄まじい質量だが完全にワームの勢いを殺していた
「80%しかカットしてないってほんとかよ」
ツヴァイはその恩恵のすさまじさに驚きながらも次の行動に移る。
「頭ががら空きだぜ!『バブルブレス』!」
ゆっくりとした猛毒の泡が蒼鱗の大ワームの頭を包み込んでいた。
「これで倒せるといいんだが」
ツヴァイはワームの次の動きを警戒しその場から素早く離れる。
だがもう警戒の必要はなかった。
――――ズゥゥゥン。
蒼鱗の大ワームは目、耳、鼻、口、穴という穴から出血しその場に倒れ伏した。
「なんかえぐいけどやったぞ!マリン!」
「ちょっとかわいそうな気もしますけどやりましたね!」
二人はハイタッチをし喜びを分かち合う。
「よしじゃあ鱗とか牙とかを詰められるだけ詰めて帰ろう!」
「解体はまだ苦手だけどがんばりますね!」
こうして二人は蒼鱗の大ワームの素材をギルドへと持ち帰った。
たった二人だけで森ダンジョンを突破したことはすぐに街中で噂になった。
もう甲殻戦士と水術師を外れ職業と呼べるものはいなくなっていた。
神様、甲殻戦士って何ですか? 完
これにて完結!最終話だけAIに直してもらわなかったのでクオリティはイマイチかもしれませんが、
これが本来の「かにすごくうまい」の文です!それではまた次回作でお会いしましょう!




