おなかすいた?
今回グロ多めかもです ; ;
しいはるのに抱き上げられながら震えていた。
その時、小さくしいのお腹がなった。
「...そっか、まだちいさいからいっぱいたべないとだめなんだ。」
るのがしいを優しく血塗れの床に下ろしてどこかへ姿を消した。
そしてしばらくしてぺちゃぺちゃと血を踏む音が聞こえ、しいの前に来たるのの腕の中には見覚えのある血に染った白い羽、もふもふだったはずの血でびしょ濡れになった腕、そして誰のかもわからない長い長い腸。
「ごはん、もってきた。」
「...ご、はん...?」
「ほら、もっとおおきくならないとなんだから、いっぱいたべて?」
血塗れのそれをしいに何も悪気のない無邪気な笑顔で差し出した。
「ち、ちがうよ...?これ、しいのかぞくで...」
しいの言葉を遮るように言った。
「でも、もうしんじゃったよ?かぞくじゃなくて、ごはん。」
しいの触覚が徐々に下がった。足から力が抜けてぺちゃん、と音を立てて床に座ってしまった。
「あーあ、やっぱごはんたべてないからちからでないんだよ。」
るのが困ったように眉を下げた。
「まってて、いまたべやすくする。」
ぱかっ、と口から顔が裂けた。口の中にはバケモノ特有の無数の尖った牙が生えていた。
その大きく開いた口に家族の羽や腕、腸を一気にいれてぐちゃり、と咀嚼し始めた。
「...よし、これでしいもたべれるね。」
ぼとっ、と白い毛と肉、血が混ざったペースト状の家族とは言えないなにかがしいの前に吐き出された。
「え...?」
「たべやすくしたよ、あーんしてほしい?」
ぐちゃぐちゃのそれを手で掬ってしいの前に出した。
「おなかすいてるんでしょ?たべて。」
しいは震えながら後ずさった。
「や、やだ……っ」
涙がぽろぽろ落ちる。
るのはきょとんと目を丸くした。
「なんで?」
本当に分からない、という顔だった。
「たべないと、しんじゃうよ?」
るのは困ったように首を傾げる。
「しい、ちいさいからちゃんとたべないとだめなのに。」
差し出された赤黒いそれから、鉄みたいな匂いがした。
しいはぶんぶんと首を横に振る。
「やぁ……っ、かぞく、だもん……!」
その言葉に、るのは少しだけ黙った。
それから、小さく笑う。
「そっかぁ。」
優しい声だった。
「じゃあ、かぞくだからしいのなかにはいるんだね。」
「……え?」
意味を理解するより先に、るのの手がしいの頬を掴んだ。
「ほら、あーん。」
無理やり口を開かされる。
「んぐっ、ぅ——!?」
どろりとした肉が舌に押し込まれた。
鉄の味、生暖かい感触。
噛み切れていない毛が口の中に張りつく。
しいは涙を零しながら吐き出そうとする。
でも、るのは逃がさない。
「だめだよ、ちゃんとたべて。」
るのはしいの喉を優しく撫でた。まるで、本当に食事を手伝うみたいに。
「のみこんで?えらいえらい。」
ごくん。
されるがままに、飲み込んでしまった。
「ぁ、あ...」
「いいこ、じょーずにたべれたねぇ。」
しいは、息ができなかった。
飲み込んでしまった。
何をしたのか、自分でも分からないまま、喉の奥がひくひくと震えている。
「……っ、ぅ……」
気持ち悪いのに、吐き出せない。
るのはそんなしいを見て、嬉しそうに目を細めた。
「えらいねぇ。」
その声は、やっぱり優しかった。
だから余計に怖い。
「これで、ちゃんとおおきくなれるね。」
るのは当然のように言う。
まるでただの食事を終えたあとみたいに、血のついた手でまたしいの頭を撫でる。
白い毛がゆっくりと赤に染まっていく。しいはその色を見ながら思ってしまう。
───もう、戻れない。
その考えが浮かんだ瞬間、胸の奥がぎゅっと痛くなった。
「……かぞく……」
小さくこぼれた声に、るのは首を傾げる。
「うん?」
「……かぞく……だったのに……」
るのは少しだけ黙り、それから困ったように笑った。
「でももう、おなかのなかでいっしょだよ?」
その言葉の意味を、しいは理解できなかった。
でも、理解したくなかった。
いつも通り優しく、るのはしいを抱き上げた。
「しい、いいこだね。」
「これからずっと、ちゃんとたべて、ちゃんとおおきくなろうね。」
その声は、まるで何も壊れていないみたいだった。
るのの食べ物は ケモノ(肉) だから 家族 っていう概念はあまりないけど、しいはまず肉を食べないし、大事な家族だからここでずれちゃってるんですよね〜›⩊‹
可哀想なしいがだいすき⸝⸝⋆




