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ゆりかごのなかで  作者: わすれもの
2/2

おなかすいた?

今回グロ多めかもです ; ;

しいはるのに抱き上げられながら震えていた。

その時、小さくしいのお腹がなった。

「...そっか、まだちいさいからいっぱいたべないとだめなんだ。」

るのがしいを優しく血塗れの床に下ろしてどこかへ姿を消した。

そしてしばらくしてぺちゃぺちゃと血を踏む音が聞こえ、しいの前に来たるのの腕の中には見覚えのある血に染った白い羽、もふもふだったはずの血でびしょ濡れになった腕、そして誰のかもわからない長い長い腸。

「ごはん、もってきた。」

「...ご、はん...?」

「ほら、もっとおおきくならないとなんだから、いっぱいたべて?」

血塗れのそれをしいに何も悪気のない無邪気な笑顔で差し出した。

「ち、ちがうよ...?これ、しいのかぞくで...」

しいの言葉を遮るように言った。

「でも、もうしんじゃったよ?かぞくじゃなくて、ごはん。」

しいの触覚が徐々に下がった。足から力が抜けてぺちゃん、と音を立てて床に座ってしまった。

「あーあ、やっぱごはんたべてないからちからでないんだよ。」

るのが困ったように眉を下げた。

「まってて、いまたべやすくする。」

ぱかっ、と口から顔が裂けた。口の中にはバケモノ特有の無数の尖った牙が生えていた。

その大きく開いた口に家族の羽や腕、腸を一気にいれてぐちゃり、と咀嚼し始めた。

「...よし、これでしいもたべれるね。」

ぼとっ、と白い毛と肉、血が混ざったペースト状の家族とは言えないなにかがしいの前に吐き出された。

「え...?」

「たべやすくしたよ、あーんしてほしい?」

ぐちゃぐちゃのそれを手で掬ってしいの前に出した。

「おなかすいてるんでしょ?たべて。」

しいは震えながら後ずさった。

「や、やだ……っ」

涙がぽろぽろ落ちる。

るのはきょとんと目を丸くした。

「なんで?」

本当に分からない、という顔だった。

「たべないと、しんじゃうよ?」

るのは困ったように首を傾げる。

「しい、ちいさいからちゃんとたべないとだめなのに。」

差し出された赤黒いそれから、鉄みたいな匂いがした。

しいはぶんぶんと首を横に振る。

「やぁ……っ、かぞく、だもん……!」

その言葉に、るのは少しだけ黙った。

それから、小さく笑う。

「そっかぁ。」

優しい声だった。

「じゃあ、かぞくだからしいのなかにはいるんだね。」

「……え?」


意味を理解するより先に、るのの手がしいの頬を掴んだ。


「ほら、あーん。」


無理やり口を開かされる。


「んぐっ、ぅ——!?」


どろりとした肉が舌に押し込まれた。

鉄の味、生暖かい感触。

噛み切れていない毛が口の中に張りつく。

しいは涙を零しながら吐き出そうとする。

でも、るのは逃がさない。

「だめだよ、ちゃんとたべて。」

るのはしいの喉を優しく撫でた。まるで、本当に食事を手伝うみたいに。

「のみこんで?えらいえらい。」


ごくん。


されるがままに、飲み込んでしまった。

「ぁ、あ...」

「いいこ、じょーずにたべれたねぇ。」

しいは、息ができなかった。

飲み込んでしまった。

何をしたのか、自分でも分からないまま、喉の奥がひくひくと震えている。

「……っ、ぅ……」

気持ち悪いのに、吐き出せない。

るのはそんなしいを見て、嬉しそうに目を細めた。

「えらいねぇ。」

その声は、やっぱり優しかった。

だから余計に怖い。

「これで、ちゃんとおおきくなれるね。」

るのは当然のように言う。

まるでただの食事を終えたあとみたいに、血のついた手でまたしいの頭を撫でる。

白い毛がゆっくりと赤に染まっていく。しいはその色を見ながら思ってしまう。


───もう、戻れない。


その考えが浮かんだ瞬間、胸の奥がぎゅっと痛くなった。

「……かぞく……」

小さくこぼれた声に、るのは首を傾げる。

「うん?」

「……かぞく……だったのに……」

るのは少しだけ黙り、それから困ったように笑った。


「でももう、おなかのなかでいっしょだよ?」


その言葉の意味を、しいは理解できなかった。

でも、理解したくなかった。

いつも通り優しく、るのはしいを抱き上げた。

「しい、いいこだね。」

「これからずっと、ちゃんとたべて、ちゃんとおおきくなろうね。」

その声は、まるで何も壊れていないみたいだった。

るのの食べ物は ケモノ(肉) だから 家族 っていう概念はあまりないけど、しいはまず肉を食べないし、大事な家族だからここでずれちゃってるんですよね〜›⩊‹


可哀想なしいがだいすき⸝⸝⋆

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