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――とまあ、受付に戦闘員でもいたら一発アウトだったけど、そこまで徹底してなかったのは幸い、か……院長の所業はここの職員も知らないってことなんだろうな。
黒ずくめの格好のジョセフは懐中電灯を口に咥え、天井裏を進んでいた。
鹿島医院の受付をはじめ、スタッフたちは催眠ガスを吸って仲良く眠っている。
「……と、アヤシイ現場はどこかいな、と」
しばらく移動していると、啜り泣くような声と笑い声が聞こえてきた。
――こっちか?
声の聞こえる方に向かって進み、それが間近に感じられたところで、道具を使って穴を開ける。
「ひひひ、ひひひひ、ああ、愉快」
「うう……ううう……」
虚無的な笑い声と鳴き声。
ごんごん、と壁に頭をぶつける者もいる。
いずれも異様な雰囲気に包まれていた。
天井から下を覗き込むと、座敷牢のようなところに粗末な布団が敷かれ、四、五人の女性が各々正常とは言い難い状況で収容されていた。
――入院っていうには雑すぎるっていうか、囚人の扱いよりひでえかもな。
外れそうな板を外し、その光景を写真に収めた。
天井の方がフラッシュしたことに対し、「モノノケモノノケが天井にいるおぉ」と騒ぎ立てた者が、天井から下がっている弁付きの呼び鈴のようなものを大きく鳴らした。
――ま、マジか……こりゃ、まずいな。
天井裏を駆け回るネズミのような速さで、ジョセフは引き返していった。




