表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見合い相手は殺し屋でした⁉ 幸せを掴むスリリングなメソッド。  作者: 八波琴音


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/39

17

「――やっぱりそうか。催淫剤(さいいんざい)の成分がゴッソリ。幻覚剤も入ってる」

 薄暗い地下室――

 本棚とデスク、何らかの薬品が並んでいる。

 手元だけが煌々と明るい机の上、シャーレに採った粉状のものを眺めつつ、白衣を羽織ったマチルダが眉を(ひそ)めた。

「そんなあっぶねーモンを千蔵(せんぞう)くんに渡したってことか?」

「まあ、一度や二度服用したくらいじゃ、どうにかなるほどの毒性はないね。だけど、日常的に使ってたら廃人にでもなりかねない」

「華族相手にもヤバいクスリを渡すんだな」

「まあでも……それほど中毒性の高いものかどうかは分からないけどね。惚れ薬のつもりなら、一回、既成事実でも作っちまえってな感覚だろうし」

「……今のお話で決心がつきました」

 百合亜(ゆりあ)が瞳に強い意志を込め、頷いた。

「おそらく、鹿島(かしま)先生はなにかよからぬことに手を染めてらっしゃると、そういう認識でよろしいのですよね?」

「今までの先入観なしに、調査が出来れば何よりだな」

「まあ、頼りになるお医者さまではありましたけど……本当はどういった方なのかという興味もありますから」

「いい返事だな。ここで「あの立派な先生が悪事を働くわけがありませんわ」な~んて言われたら、どうしようかと思ってたところだ。それで、だ。実はあんたの経済状況ってのはこっちに筒抜けでね。一応、調査費用だ」

 何枚かの札を渡され、百合亜は表情を強張らせた。

 こちらが探る立場であった筈なのに、自分のことを知られているという不気味さ。

 百合亜はこの男を侮れないと思った。

「世の中金、だろ? 医者に掛かるのも当然費用が掛かる。――ま、大金は出せねえが、一、二回の診療費用にはなんだろ。あんたが華族ってことなら、優先して診てくれんじゃねえか」

「………」

 調査費用など結構ですわ、と突っぱねてやりたい気はしたが、こちらの経済状況を知られていることを思えば、受け取っておく方が得策な気がした。

「~~~ジョセフ、あんた金持ってんじゃないか」

 依頼料を値切ったことが気に食わなかったようで、マチルダが半眼になった。

「有り金全部渡したんだ。もうねえよ」

 ジャケットの内側をはだけて見せるようにして、ジョセフは肩をすくめた。

「ふん、どうだかね。とにかく、ざっくり成分分析はしてやったよ。あとは自分らで頑張りな」

 マチルダは一応激励するつもりなのか、ぽん、と百合亜の背中を叩いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ