襲撃
僕たちはリナ先生に魔法を教わった。僕は水と風、お嬢様は炎と地に適性があるみたいだ。
「本当は光と闇の二種類もあるみたいなんだけどね。私じゃ扱えないから教えてあげられないの。」
「いえ、ありがとうございます。大丈夫です。」
「魔法を教えてもらえるだけいいんです。ありがとうございます。」
その時、周りの音が騒がしいことに気づいた。それもイベントのような騒音でもない。
「リナ先生、なにか音が…」
「ダメ、静かにして…、」
パリン!と窓が割れた。その外には…
「動くな!クラリス=ライラ!シュウ!貴様らを国家反逆罪で捕縛する!リナ導師、その子たちを引き渡してもらおう。引き渡さない場合、あなたも公務執行妨害で捕縛せねばならない。」
「断るわ。それにあなたたちじゃ私に勝てないでしょう?それにライラ子爵がそんなことをするわけがないでしょう?ちゃんと調べたうえでの行動かしら。」
「こちらには密告とそれに準ずる証拠、さらに信頼にあたいする証人がいる。」
嘘だ、そんなことは旦那様はしない…。それよりこの警察隊から逃げなければ…、せめてお嬢様だけでも…。
「お嬢様、逃げましょう。」
「でも…、リナ先生が…」
「私は大丈夫よ。早くお逃げなさい。」
僕はお嬢様を抱きかかえて走って逃げ出した。
「逃げたぞ!捕まえろ!この女!さっさとどけ!」
「そう簡単には私から抜けられないわよ。せいぜい頑張りなさい?」
僕はその先生の言葉を聞いてその場から素早く逃げ出した。
「お嬢様、これから隣国に向かいます。隣国では捜査網はそう簡単に組めないでしょう。ドルファ国へ亡命します。僕が頑張ってお嬢様を連れて行くので我慢してください。」
「わかったわ…。お父様はもちろんお母様、リュー、サラが心配だわ…。今からでも家に戻れないのかしら…。」
「僕も心配です。でも今はそれどころではありません。」
僕はお嬢様を抱きかかえてライラ子爵領を抜け出しドルファ国境付近へ急いだ。
「すいません…。ライラ子爵の娘とその使用人の男を逃しました。」
「何をしているのだ。全く…、ライラ子爵と子爵婦人、その他の使用人を捕まえてもほとんど意味はない。仕方がない、ライラ子爵の娘であるクラリスに多額の賞金首をかけて捕まえさせるのだ!あの賢い使用人のことだ。もうこの国にいられないことはわかっているのかもしれない。周辺国にも脱国した可能性のある犯罪者がいるとお触れを出しておけ。」
「わかりました。仰せのままに…」
その日、ライラ子爵は処刑された。
罪は国家反逆罪。原因は国家転覆を狙い広く根回しをし、王家の力を失わせようとしていたためである。




