表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/49

艶本 / 旅 / 隙間時間

*『ストレート、相槌、古本』 250字以内で書いてください。


【艶本】


眠たげな眼の、だらりとした老人が店の奥に座っていた。埃を被った本棚に古書が並ぶ。眼を走らせるが分野が違う。駄目元で探している題名を告げた。ああ、数奇者の本さね。相槌を打ち店主はにやりと笑う。ストレートな物言いに釣られて笑った。表には置けないよ、と目配せして、店主は奥に手招きする。


***(空白・改行含む):250字


 裏通りの小さな古本屋のガラス戸をガラリと開けた。始めて入る店だった。

 眠たげな眼の、背中の丸まった老人が店の奥に座っている。が、じろりと一瞥されただけだった。挨拶もない。感じの悪い雰囲気に居心地の悪さを感じながら、古書の並ぶ埃を被った本棚に眼を走らせる。どうも分野が違う。

「すみません」と、駄目元で探している本の題名を告げた。

 ああ、数奇者の本さね。相槌を打ち店主はにやりと笑った。ストレートな物言いに釣られて笑いが漏れる。表には置けないよ、と目配せして、店主は立ち上がり私を奥に招き入れた。





*『スイッチ、リュック、隣』 250字以内で書いてください。


【旅】(139文字)


見てみたい、ただそれだけのスイッチが入ると、もう誰にも止められない。勿論僕自身にも。リュック一つ背に担ぎ世界中を旅して回る一人旅。気楽なものだ。いつの間にか隣の席にきみがいた。初めは偶然。それから必然。リュックで塞いできみの席を確保する。また逢ったね、ときみの笑顔を待ちわびる。


***(空白・改行含む):250字

 見てみたい、それだけが僕を動かすスイッチだった。

 一度入ると、もう誰にも止められない。もちろん僕自身にも。

 片道チケットで大空を飛ぶ。リュック一つを背に担ぎ、世界中を旅して回る。


 そんな気ままな一人旅だったのに、いつの間にか僕の横にはきみがいた。初めは偶然。それから必然。同じ夜行で。同じ船で。尽きぬ会話に夜が明けて、到着のアナウンスが恨めしい。


 次はどこへ?


 きみが乗るのはいつも一号車。リュックで塞いで隣の席を確保する。素知らぬ顔をして、また逢ったね、ときみの笑顔を待ちわびる。



(集中力を欠いてます。なんか散漫~)





*『裏表、相合傘、アルバイト』 140字以内で書いてください。


【隙間時間】(140文字)


傍から見れば何てことない黒い蝙蝠。その内側は花畑、星空、緑生い茂るジャングル。二人分の世界を開く相合傘のアルバイト。お客様を駐車場までお送りする、それだけの仕事なのだけれど。外から見えない傘の内側で、ほっと緩むその表情に垣間見える裏表。優しい雨音が忘れた時間を巻き戻す永遠の一瞬。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ