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魔獣を従えし英雄  作者: 神原 優仁
第1章
12/30

食べ物どうしてるか気になりますよね?

今年二回目の投稿〜

それから三人は難なく60台の階層は攻略する事が出来た。


魔物は何度も現れたのだがことごとくリユと優也に瞬殺されていく。

人類未踏の地の魔物を完璧に雑魚扱いなのだからどれだけ二人がバグっているかが分かる。


それは千智も同じだった。


元より回復系のまほうに適性を持っていた千智は龍の加護をもらうことでさらにチートになった。


一度優也が深い傷を負った時があったのだが千智が回復魔法をかけるとみるみる治ったのである。

それに使われた時間はものの数秒。


結果として60階層を攻略し現在は70階層に差し掛かる前の階段にいる。


「さて、準備は怠らないに限るけど70階層の魔物ってどんくらい強いのか、というかこの迷宮ってさ何階層まであるんだ?」


優也は食用の植物型魔物の木の実を食べながらリユに尋ねる。


ちなみにこの木の実は68階層辺りにいた巨木の様な魔物からもぎ取ったものである。


何故こうも躊躇いなくその木の実を食べることが出来るかというと"賢者"のスキルのお陰だ。


"賢者"のスキルは龍の特殊スキルらしく、初めて見たものでもその概要をある程度理解することができ、さらには何度か見ればほとんどのことを理解出来るというチートスキルなのだ。


それにより始めて巨木型の魔物を見たときに千智以外の二人の目がギラついたのは記憶に新しい。


そしてその巨木型の魔物の木の実は三人の、主に優也とリユに美味しく頂かれることになった。


「恐らくじゃが80階層まではあるじゃろう」


そういって木の実をかじる。


「100階層じゃなくて良かった〜、100階層なんて言ったら面倒このうえない」

「じゃな、流石の私でも辛いからのう」


そういって二人で木の実をかじる。


その光景を見ていた千智は少し呆れながら渋々木の実をかじる。


この木の実は日本で言う林檎の味なのだが如何せん魔物から取れたということが抵抗感を感じさせてしまうのだ。味は大変美味しいのだが。


「二人は躊躇いなく食べるよね」

「なんだよ、食べられるものは食べる、これ常識」

「そうじゃよ、腹が減っては戦は出来ぬぞ?」

「なんでリユがそのことわざを知ってるのか気になるけどまあそうだよね食べなきゃ動けないよね」

「そうだぞ、それに美味いからいいじゃねえか」

「そうだね、うん躊躇ってちゃダメだね」


そうして千智は木の実にかぶりつく。






巨木型魔物の木の実を食べ満足した三人は70階層の攻略にかかる。


「おっし、そんじゃ行きますか!」

「「おー!」」


優也の掛け声に二人は腕を上げ元気に声を上げる。


そして新たな人類未踏の地に足を踏み出す。


70階層は簡単に言うとこれまでの階層以上に、そう一言で表すと...


「さ、さぶい...!」


そう、寒い。


これまでの階層は寒くとも雪などは積もったりしてなかったのにこの階層では膝までの高さに雪が積もっているのである。

おまけに吹雪など当たり前で生い茂る樹海の中からは木々の間をぬって冷風と魔物の声を届かせてくる。


「ゆ、ゆう君、それだけは、いぃ言っちゃ、ダメだよ、寒いのなんで、わがりきってるから」

「お主ら大丈夫か?呂律が回っておらんぞ?」


寒くてガクブルしてる二人に対してリユは何故か平然としている。


「な、なんで、リユは大丈夫なんだ?さ、寒くないのか?」

「阿呆、火系の魔法が使えるだろう?それで温めるのじゃよ」


その言葉にそれもそうか、と納得した二人は慌てて火の魔法を使う。

すっかり冷え切った体が火の魔法を使うことでポカポカと温まる。


「ふう、取り敢えずはこれで一安心!」

「だね!はぁ、凍え死ぬかと思ったよ」

「お主ら、それでこの先大丈夫なのか?」


リユのその言葉に二人は固まる、そうこれから先このような事がないとは限らないのだからちゃんと対処出来るようにならないといけないのだから。


「「ぜ、善処します」」

「まあ、うむ、頑張るのじゃな」


それにリユは呆れながら歩みを再開させる。


すると早速目の前に大きな影が差す。

その影を辿り顔を上げるとそこには大きな猪がいた。

もの○け姫に出てきそうな黒い毛皮に太く長い純白の牙。

その猪はブルルッと鼻息を荒くしながら突進の準備のために足踏みをする。


反対に優也達はと言うと。


「なあ、リユ...」

「なんじゃ優也よ...」

「あいつさ、あれだよな」

「やはりお主も分かったか」

「ああ...あいつ」


「「食える!!!!」」


そう叫ぶと二人は雪を散らしながら猪へと猛然と走り出す。

そのスピードは風のように素早く突進しようとしていた猪の目の前にまでも一瞬。

この二人は食べ物が関わると容赦無くなるのだ、巨木型魔物の時も同じだった。


千智は突然黙り出した優也達にオロオロしてたので二人が走り出した時突然消えたように見えた。


そして優也は猪の懐に入り込むと下から身体強化をかけたアッパーをかましてやる。


すると途轍もなく大きかった猪はそれだけで空中に浮かび上がる。


出鼻を挫かれ、初撃を食らった猪はフゴッ!と叫びを上げてひっくり返る。

そしてリユが火の魔法を周りに浮かべた状態で優也の隣に現れる。手を前に突き出すと吸い込まれるように猪に火が当たって行く。


その火は猪を丁度いい具合にあぶっていく。


火が止んだそこには全身をコンガリ美味しそうに焼いた猪が横たわっていた。

周りの雪はその熱量にすっかり溶けている。


「おっしゃ、食料確保!」

「久しぶりの肉じゃのう!」


優也とリユは久しぶりに食べる肉に興奮してハイタッチを交わしてる。


ついでに言うとこの猪、70階層にいるほどだからすごく強いのだ。

突進する時にはその身に吹雪を纏い突撃したものを吹雪で凍らせ、抉りそして最後にその巨体をぶつけてくる。それだけでも致命傷になってしまうというのに優也達はそんなの関係ないとばかりに瞬殺したのである。


「ゆう君、リユ...」

「ん?なんだ?」

「まさかだけど今度はこの猪食べるの?」

「そうだけど?大丈夫だって賢者のスキルで食べれるって出てるから、それにリユも食えるって言ってるし」


そういって優也が指を指した方には。


「ほあ〜、久しぶりの肉じゃ〜、いつ以来か覚えてないのう」


子供のように目を輝かせて喜んでいるリユがいた。尻尾があったらパタパタと振られてるだろう。

その喜びように千智は先ほどまでの抵抗感もなくなったのかはぁ、と肩を落としながら優也達に声をかける。


「まあ、食べれるかどうかは今は置いといてまずは安全なところを探そ?そうしないと落ち着いて休めないでしょ?」


その言葉にそれもそうだなと頷いた優也とリユは自分たちよりも遥かに大きい猪を担いで歩き始めた。






薄暗い洞窟を火の魔法で灯した光が闇をさく。


「なんで、なんで魔物なのに!」


そこで千智は先程優也とリユが狩った猪の肉を少しやけ食い気味に食べる。

何故やけ食いになってるかというと結果猪の肉は美味しかったからだ。

木の実の時もそうだったが何故こうも魔物から取れるものが美味しいのか分からないのである。


「お、千智もとうとう抵抗感なくなったか」

「いや、なんか抵抗するのも馬鹿馬鹿しいと思ってきたしそれにほら」


千智が指差した方には。


「肉じゃ〜、うまいの〜」


やはりと言うか子供のように喜んでいるリユがいた。この状態のリユの前で食べるのを渋るのははばかられたからだ。


「まあそうだな、さすがにこの前ではな」


苦笑しながら手元にある猪の肉を食べる。

ちなみにこの肉、リユがこんがり焼いたのだが流石にそれだけでは中まで火が通らないので切り取った後に優也が石から物質変換で鉄を作ってフライパンを作り出し火の魔法で加熱した後に肉だけでは彩りがないので巨木型魔物から取った木の実のうちの野菜のようなものと一緒に炒めて頂いている。


三人で火を囲みながら猪の肉を食べていると洞窟の入り口の方で物音がした。


「ん?何だ?」


松明をかざしそちらを照らすとそこには。


「グルゥゥ」


傷ついている狼が横たえていた。

その狼の視線は優也たちの手元にある肉に注がれている。


狼がいかにも物欲しそうに肉を見つめてくるので優也が肉を差し出してあげると嬉しそうに尻尾を振りながらその肉にかぶりつく。


『久しぶりの食料!美味しいです!』


この声を発しているのは狼だ。

ちなみに千智には聞こえていない、ただ唸ってるようにしか聞こえないのだ。

それに反してリユは元魔物なのでその言葉は分かるがそれでは優也はと言うと魔物言語理解のスキルがあるので分かるのである。

ついでに言うとこのスキルは常時発動ではない、何故かというとこれまで食べてきた魔物の声を聞くことになったら、考えても見ろ食べる気も失せてしまう。

このスキルは優也が少なくとも食べる気がない魔物と敵意のない魔物に反応するのだ。


「この迷宮にこんなのいるんだな」

「珍しいのう」

「傷ついているし、治してあげる?」

「いや、ちょっと待って」


傷を治そうとする千智を手でせいして優也は狼に話しかける。


「なあお前、なんでそんなに傷ついてるんだ?」


そう言うと狼は少し警戒心をにじませながら優也に話しかける。


『私の言葉が分かるのですか?』

「ああ、分かる、それでなんでそんな状態なんだ?」

『..話せば長くなるのですが...』


それから狼が語った内容は訳すとこうだった。


今から数日前かつてこの狼がいた群れは食料を探して彷徨っていた。

そしてやっとのこと肉を見つけたのだがその肉は黒い猪だったらしい。

その猪にかつての仲間達ごと狼は返り討ちにされてしまい、生き残った仲間とも離れてしまい一匹心細い状況でいたら香ばしい匂いがしてきてそれに釣られるように体を引きずらせながら歩いてきた所に優也達がいたらしい。


「そういうことか、お前も災難だったな」

「かわいそう、一人で寂しかったんだね」


千智が何故涙ぐんでいるかというとどんな状況になってるか分からなかったのでリユに訳してもらい聞いていたのだ。


『いえ、大丈夫ですよ。こうしてあなた方に巡り会えたのですから』


そういって狼なりの感謝を示す格好をする。


『それにしてもこの肉食べたことがない味ですね、大変美味です。一体どのような生き物だったんですか?』

「んーとな、多分お前が遭遇した黒い猪」

『はぇ?今なんと?』

「だからその黒い猪」


そう言うとその狼は口をこれでもか!って程開き驚きを表現する。

そりゃ驚くだろう食った後にその肉は自分の仲間達を蹴散らした黒い猪だと言うのである。驚かないのが無理がある。

黒い猪を倒したことを言うと狼はしばし何かを考えるように俯くが何か決然としたように顔を上げると優也の方に声をかける。


『あ、あなたに込み入ってお願いがあるのですが...』

「ん?なんだ?」


何を言うんだ?と尋ねると狼は衝撃的な言葉を放つ。


『私の、主になってもらえませんか!』


もう予想つくと思いますけどはい、狼です!

優也に従える魔物が増えます!

こうしてもっと優也がチートになって行くのです!


前にも言ったと想いますが狼は人化すると、はい、美人にする予定です。


属性は敬語+ケモミミですね。

多分他にも増えますけど(笑)


Yesケモミミ!

NoケモミミNoライフ!


取り敢えずモフモフ源は確保!


次回投稿は恐らく出来たら4日後です。


何故出来たらかというと冬の童話祭の〆切が近いからです、なので遅れる場合もあるのでそこらへんはご了承をお願いします。


これからどうなるか気長に見て行ってください。m(_ _)m


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