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魔獣を従えし英雄  作者: 神原 優仁
第1章
11/30

契約

あけましておめでとうございます


今回はいつもよりかは長いです。


新年もどうかこの作品をよろしくお願いします。

『契約...じゃと?』

「ああ、そうだ契約だ」


広い洞窟の中に二人の呟きが響く。

千智はその中一人息を飲む、ここで自分が声を掛けるのは場違いだと思ったからだ。


『しかし、私は』

「そんな風に諦めんなよ!」

『じゃかな...』

「俺は諦めないぞ、それになお前の事ほっとけないんだよ、ここに閉じこもったのも人を傷つけないためだろ?そんな優しいやつほっとけるか!」

『ぬう...』

「それになここを出るにはお前と契約した方が確実に出れるからな」


優也がそう言うとリユは興味がそそられたのか興味深げに尋ねる。


『ほう、根拠はなんなのじゃ?』

「魔従師の能力だよ」


そういって優也がかざしたステータスプレートのレベル表記の下にあった「カッコの中は?????時表示」という意味深だったところが「カッコの中は契約時表示」に変わっているのである。

つまり優也は契約することでステータスを倍増出来るかもしれないのだ。


『ほう、しかし私はこの姿じゃ、外に出れたとしても迫害はまぬがれないじゃろう?』

「多分それも大丈夫だ」

『何故そうも断言できるのじゃ?』

「俺のスキルのうちに契約魔物人化?とかいうやつあるからそれで何とかなる!」


優也がそういうとリユはまた目を見開く。

それに優也は訝しそうにどうしたんだ?とリユに声を掛けると震えた声を出す。


『お、お主今、契約魔物人化と言ったな?』

「え?言ったけどそれがどうした?」


そういうとリユはくっくっく、と小さく笑ったかと思うと盛大に笑い始める。


『まさか、お主にもそのスキルがでるとはな!これも何かの縁なのかもしれんな!運命を感じるのう!』

「どうしたんだよ?」


突然笑い出したリユに訝しげに尋ねるとリユはその笑いを止めて優也の方を見つめる。


『お主が持っておるそのスキルはなかつて一人の魔従師しか持っておらんかったのじゃよ』

「それって...まさか!」

『そのまさかじゃよ、かつて私が加護を与えそして反乱を起こした男、その魔従師が持っておったのじゃよ』


どんな皮肉か優也が持っていたそのスキルはリユがかつて加護を与え送り出し反乱を起こした男の持っていたスキルらしい。

いや、皮肉ではないのかもしれん、リユが言うとおり運命なのだろう。


『うむ!お主の事は気に入った!ここにいることにも退屈してたからのう、契約してやろう!ありがたくおもうのじゃな!』

「本当か!?」

『ああ、それでは契約してやろうではないか!』


リユはそう言うと不意に空気中に魔力を込めるとそこに光り輝く結晶を作り出した。

そしてその結晶はゆっくりと落ちて行き優也の手の中に収まる。

その光はリユの鱗のように淡い銀色の光彩を放っている。


『それが契約の証じゃよ、肌身離さず持っとくのじゃな』

「ああ、分かったよ、それじゃあ早速人化やってみるか?」

『詠唱は分かるのか?』

「ああ、なんか頭ん中に詠唱のイメージあるから大丈夫だ」

『そうか、ならばよろしく頼む』

「おう!」


リユの方に手をかざすと優也は集中しながら詠唱を始める。


「...我に忠誠を持ち従いし魔のものに人の身を、人の心を、人の力を与えたまえ...」


するとリユの体を白い光が包み始める、やがて光の繭が形成されそのサイズが次第に人の大きさに変わっていく。

その神秘的な光景を見ていた千智はその頬をうすらと染めて「綺麗」とひとりごちた。

やがてその光は人の形を作り始め優也は最後に一言呟く。


「ここに新しき姿、新しき生を」


そう言うと光の膜は空気に霧散する。

リユがいたそこには...


目を閉じている銀髪の美少女が立っていた。


リユだった美少女は閉じていた目をゆっくりと開く、そして自分の体に目を落とす。

白く細い腕、少し力を込めたら折れてしまいそうで怖い。

その身を包んでいるのはかつてのリユの鱗のように銀色のドレス。

至る所に花の装飾が飾られておりまさに一級品だった。

胸は千智よりも小さく慎ましい。

リユはそのない胸をスカスカとさすり千智と見比べてまたスカスカとさする。

そして少し羨ましげな視線を千智に送る。


なりより目を引くのはその美しい赤色の瞳だ、その瞳はクリムゾンに染まっており引き込まれるような魅力を感じる。


リユは自分の姿を確認し終わるとその場で嬉しそうにスカートを広げながらターンをして優也達の方に体を向ける。


「まさか本当に人になれるとはのう!流石じゃな優也!」


そう言いながら優也に飛びかかりそして抱きつく。

突然飛びかかられた優也は慌ててリユを受け止める、そうするとリユは嬉しそうに優也の胸にうりうりと頭を擦り付ける。

優也はそれに苦笑しながらリユの頭を撫でていると突然寒気に襲われその体を震わせる。

首をギギギと音を立てながら後ろを向くとそこにはにこやかな笑みを浮かべた千智がいた。

自然と優也の頬をたらりと汗が伝う。

その空気に気づく事なくリユは優也に抱きついている。


「後で、どうなるかわかるよね?ゆう君?」


千智が目が笑っていない笑みを浮かべながら首を傾げてくるので優也は有無も言えずにその首を頷かせることしか出来なかった。






暫くしてやっとリユは離れてくれ今後の事を話し合っていた。


「まあ、取り敢えずはここを出ることが最優先事項だよな」

「まあそうじゃのう」

「でも、どうやってでるの?やっぱり上に上がる?」

「いや、それは無理じゃ、私がここに身を隠すために追ってが来ないように階段を塞いだからのう」

「そっか、やっぱり下るしかないか、ダンジョンってほどだし一番したにはゴールエリアもあるだろうしな」


取り敢えずの目的は決まったので三人は移動を開始しようとしたがその前に千智が待ったをかける。


「ん?どうしたんだ?」

「いや、ここを出るにはさ、ゆう君とリユの力が必要になるけどさゆう君てどの位ステータス上がったの?」

「ああそういえば確かにちゃんと見てなかったな」


優也もちゃんと見てなかったことを思い出しステータスプレートを取り出す。

そしてそこに書かれた内容を改めて見て目を見開き何かの見違いなのではと疑い目を何度もこする。


そこに表記されていた内容はざっとこうである。


_________________________________

上木 優也 レベル20

カッコの中は契約時表示

筋力 300(+3000)

耐久 150(+3500)

敏率 200(+2500)

体力 800(+4000)

魔力 260(+3000)

魔耐久 120(+3500)

天職 魔従師

スキル

魔従契約 魔物言語理解 主従契約 契約魔物人化 契約時ステータスUP

増加スキル

全属性適性 火属性適性 風属性適性

全属性耐性 全状態異常耐性 威圧 賢者 魔力操作 金剛


錬金術

派生スキル

分離錬成 錬成速度上昇 物質変換 錬成強度強化 鋭利化 錬成範囲拡大 錬成可能物質増加


言語理解

特殊スキル

龍の加護


_________________________________


「なんじゃこりゃ...」


その表示されている情報を信じられなくリユの方に視線を転じるとリユは色っぽく笑い身を屈め優也の事を下から上目遣いで見つめながらこう言う。


「主には貢ぐものじゃろ?」






リユによるとこういうことらしい、魔従師は契約した魔物の力によりその力を増大させることが出来るらしい。

例えばステータスの上昇、そしてスキルの増加。

今回契約したのはリユ、つまりドラゴンと契約したのだからステータスは馬鹿にならないほどの上昇の仕方をしたのだ。

反対に魔物と契約出来る制限は3体までとなっている。

もしそれ以上の魔物と契約するとその力を制御しきれずにその身を魔物に変貌させてしまうからだ。

かつてそれを実際にやってしまった魔従師がその身を魔物に変えてしまったらしい、リユが言うのだから間違いはないのだろう。


「にしても、この上がりようは凄えな」

「ふふん、なんせ私は龍じゃからのう!」


優也が素直にそう言うとリユはない胸をはる。

すぐ隣に千智がいるのでそれがやけに強調される。


「こんだけあれば問題なく進めそうだな」

「うむ、恐らくじゃが最下層までは行けるな、それにお主にはまだまだ伸び代はあるからのう」

「私もゆう君が傷ついたとき頑張るから!」


千智がそう言うとリユは千智の方をいきなり向くそれに千智はビクッとなりなから「な、なに?」という。


「いや、お主にも龍の加護を与えといた方が良いだろうと思ったからな」

「え?いいの?」

「無論じゃよ、取り敢えずほれ私の前に来い」

「うん!」


リユがそう言い千智にこいこいと招く。それに千智は少し嬉しそうに頷いて素直にリユの近くに行く、純粋にこれで優也の役に立てるようになることが嬉しいのだ。


暫くして加護も与え終わったのか二人揃って優也の元に行く。


「そんじゃまあ、行きますか!」

「うん!」

「うむ!」


そうして三人は洞窟の外に足を踏み出した。







「なんか...俺達出番無くね?」

「ゆう君、それは言っちゃダメ、虚しくなるから」


優也と千智が諦めたような表情で見るところには。


「楽しいのう!久しぶりの戦いじゃ、思う存分暴れてやろうではないか!」


一人無双をしているリユがいた。


飛びかかってきた犬みたいな魔物に手を向けるとその手のひらから赤いブレスが吹き出しその魔物の体を焼き尽くし灰にする、すぐ近くに寄ってきた同じ形の魔物の首におもむろに手をかけるとその細い腕からは考えられない剛腕を発揮し魔物を床に何度も叩きつけて絶命させる。


そのタイミングに咄嗟にその場から飛びのいたかと思うとリユがいた場所にかっと光が閃きその場がボロボロと音を立てて崩れる。


その光が出た所をたぐるとそこには目を光らしている蛇のような魔物がいた。

恐らく魔眼のようなものを持っているのだろう。


リユは絶命した魔物を盾にしながら石化の魔眼を持つ蛇のような魔物に近づく、その過程で魔眼の餌食になった魔物の死骸はボロボロと体を崩すが少しは耐性があるのか崩れきりはしない。

リユは盾がわりの魔物を投げてそちらに蛇の視線が行ったすきに蛇の首に手刀を落とし首をへし折る。


その光景に仲間の魔物達はある意味恐慌状態に陥っておりまともに戦えないでリユに簡単に葬られて行った。


「はあー、久しぶりの戦いはあれじゃの、楽しいな!」


リユは首をポキポキと鳴らしながら優也達の元に歩いてきた。

優也と千智の二人はリユのオーバーキルを見ていたので少し呆れた顔でリユに労いの言葉をかける。


「お疲れリユ、本当お前凄いな」

「全く、はしゃぎすぎるのはいけないよ」


千智はそう言いながらめっとリユに言うとリユは少し罰が悪そうにする。


「すまん、少しはしゃぎすぎた、これから気をつける」




リユがどうしてこうも一人で戦っているのか理由はというと。


洞窟から出て歩みを進めていると早速一匹目の魔物に出会った。

優也は俺が行くといい前に出ようとするがそれをリユが手で制し自分が出るという。

今の体にもならしたいらしかったので優也はそれを了承してリユ一人に戦わしたのだがそれからああなってしまったのだ。


自分でならしたいと言っていたのだがリユはその時にはかなり慣れていたらしく速攻で魔物を倒して行ったのだ。


それに想定外の事に人化は魔物の時のポテンシャルはそのままにレベルは初期に戻るらしくつまりそれからまたポテンシャルを増やすことも出来るということだ。

そしてリユは戦う事に楽しみを見つけたらしくポテンシャルが伸びることも嬉しくどんどん戦ったらしい。


「取り敢えずさ、俺たちもどんくらい強くなれたか確かめたいから今度出た時は俺が相手していいか?」

「いいぞ、しかしな、優也に危険が迫ったら私が手を貸すからな」

「分かってるって」

「私も回復役頑張るからね!」

「ああ、よろしくな」


優也が微笑みながら千智の頭を撫でるとえへへと嬉しそうに笑う。その光景を見ていたリユはそれまで疑問に思っていたことを尋ねる。


「二人は付き合っているのか?」

「へっ?」

「うん!」


リユのその言葉に優也は硬直するが千智は嬉しそうな笑顔で頷く。


「ほうほう、じゃからこれまでの道中も私をほっといていちゃついていたと?」

「それは〜」

「良いのじゃ良いのじゃ、若いものの仲睦まじい所を見ているのも悪くないからのう」


リユが見た目に反して年をとったような言い方をするので優也達は顔を赤面させる。

その雰囲気に優也は耐えられなくなったのか声を張り上げて歩みを再開させる。


「ほら、ここで止まってないで早く進むぞ!」

「そうするかのう〜」

「はーい」


本当に大迷宮には似つかわしくない空気だった。









暫くしてまた魔物が現れた。


「グルルルゥ」


先程の狼型の魔物が合計で10匹。


この魔物の厄介な所は数を活かした連携攻撃、リユに聞く限りだとこの階層は60階層つまりは現在認識されている50階層の魔物達よりも強い。


この狼は単体でも強いのだろう。


しかしここにいるのはチート、龍を使い魔にしたことでその力を増大させた優也なのだ。


「今度は俺が戦うからな手出しすんなよ」

「分かっておる、優也、さっき教えた魔法は覚えているじゃろ?」

「当たり前だよ」

「そうか、ならば行ってこい!」

「おう!」


リユに背中を押され狼型の魔物の方に足を踏み出す。


獲物が来たと狼型の魔物達は吠えながら優也に飛びかかろうとする。しかしその寸前に優也は手に魔力を込め小さく呟く。


「"炎帝"」


炎が荒れ狂った。


その炎は数体の魔物の体を焼き、それだけでは足りずに灰塵とかす。


この世界の魔法の定義は精霊で始まり長い詠唱をすることで発動する事が出来ることになっている。


精霊に力を借りることで例えば火を灯したり光を照らす。


しかし今しがた優也は魔法名を呟いただけで魔法を発動させた。

それは何故かというとリユと契約したことで獲得したスキル"魔力操作"のおかげだ。


本来は詠唱する事で体に宿る魔力を移動させるのだが、魔力操作は文字通り好きなところに魔力を込める事が出来る。

そしてその魔力操作により移動した魔力は常に臨界状態にする事が可能で魔法名を唱えるだけで魔法を発動させることが出来るのだ。

もう一つの利点は中級の魔法はどうしても上級には勝てない、それは詠唱により取り出せる魔力が違うからだ。しかし、魔力操作があればどうだ?魔法名を唱えるだけで発動出来るということは中級でも上級の威力を出す事が出来るのだ。


そして優也が今しがた使った魔法はリユに教えて貰った現代の人には操作が難しく使えない上級魔法、"炎帝"だ。

それは文字通り炎が現れそして敵を焼き滅ぼす魔法だ。


優也は残った魔物に近づきその途中で石から"剣"を錬成する。

これまでは刃を作ることは出来なかったのだが"鋭利化"と"物質変換"により刃を作る事が出来たのだ。


そしてその剣を振りかぶり魔物に振り下ろす。

その刃は魔物の体を一刀両断にする。その斬れ味に内心満足しながら切った魔物を足で蹴って残りの魔物の方にぶっ飛ばす。

それを魔物は俊敏な動きでよけるが優也の足の方が早く、回り込まれて首を飛ばされる。振り切った姿勢の時に残りの魔物が飛びかかってくるが優也はあらかじめ込めといた魔力を魔法名を唱えて解放させる。


「"風帝"」


優也を中心に風の刃が吹き荒れ魔物の体をズタスタに引きちぎる。


ものの数分で60階層の魔物達は殲滅された。




「すげえなリユの教えてくれた魔法!」

「上級じゃからのう、恐らく今の人達には使えんな、魔力操作を持っておらんからな」

「だな、俺も魔力操作がなかったら絶対使えねぇよこれ」


そういいながら優也は手元に魔力を集めて放出させる。

優也の魔力の色は鮮やかな銀色だ。それはリユの銀色のように煌き散って行く。

優也は放出をやめ二人の方を向く。


「取り敢えず俺がどんだけ戦えるか分かったからな、多分暫くは無理なく進める」

「そうじゃな」

「うん!ゆう君がそれだけ戦えるならどこまでも行けるよ!リユとゆう君、でそこに回復の私、これで無敵だね!」

「だな、怪我ができた時は頼むからな」

「うん!」


そうして二人はナチュラルにいちゃつき始める。それを横からニヤニヤとしながらリユは見つめる。

その視線に気づいた二人は気恥ずかしそうに体を離して顔を赤くしながらモジモジする。


「なんじゃ、私は気にしないでいいから二人でいちゃついていて良いのじゃぞ?」


リユがそういいながらからかってくるので二人は声を揃えて。


「「余計なお世話だ!」よ!」


優也、ちゃんとチートに出来ましたかね?


あとリユどうですかね?


取り敢えずこれからは残りの美女、美幼女の子を作りたいのですが魔物でですけどどのような魔物がいいですかね。

一応今決めてるのだと美女は狼で美幼女はウサギみたいな感じです。

活動報告で投票をします。

こういう魔物が欲しい!てのがあったら遠慮なく言ってください。

あ、あと一人美少女増やしますけどそれはいつ出るかはお楽しみに。


次回投稿はこれまでと同じく4日後です。

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