恋探し
新入生だ。そんな一言に過敏に反応、すぐさま窓から下を見る。理想の男の子はいないかな? 毎日恋って名前の宝探し。
かっこいいなら眼福で、タイプの人なら即行動。 待ったは無し、待ってられない肉食女子です。 今日もバタバタ恋探し。
そんな私を引き止める、意外と大きい掌。「廊下は走るな」そんな当たり前のことをこの人不機嫌そうに言ってきた。 離せー! って気持ちでジタバタしても、やっぱり力じゃ敵わない。
メガネをかけた、いかにもな真面目くん。 クラス委員だったっけ? 恋探しに夢中で良く分かんない。 早くこの手を離してください。
「そんなに男が好きなのか」 ふとした問いにちんぷんかん。 男が好きというか、恋がしたいの!そう言ってみたら鼻で軽く笑われた。 私はそこでこいつ嫌いと決めつけた。
毎日宝探し、出会いを求めて縦横無尽。 そんな私の行く手を阻む、仏頂面の止まれの標識。 関係ないね! 恋のためならルールなんてお構いなしだ。 アクセル全開全速力、恋する乙女は止まらない。
それでもなかなか上手くはいかない。 必死になっても運命の人なんて出会えない。 だからたまには止まれの標識で止まってみる。
「またお前か」 さながら常習犯を相手にするようなセリフ。 うるさいな、私はいつも必死なんだ! 上手くいかないモヤモヤをぶつけた。
「それは見てれば分かる」 そんな言葉に少しだけドキリとした。 仏頂面のメガネが笑うから、なんだか意外で意味もなく焦る。
見るな変態! そう言ってみれば「ならおとなしくしろ」なんて言う。 「出来るわけないね!」私は毎日アクセル全開、恋の宝を見つけるまで止まるわけにはいかないし! 私はまた駆け出した。
待ってろ私の運命の人! どんな所にいようが、必ず捕まえてみせるんだから!




