15-1+1
九月も半分以上が過ぎたある日、いつものようにあたしとお兄ちゃんとねぇねで夕ご飯を食べた後、不意にお兄ちゃんがキッチンの方に行ってしまいました。
あたしはどうしたのだろうと思ってねぇねに「ちょっと様子を見てきますね」と断ってから、キッチンに向かいます。
そこでお兄ちゃんは粉をボウルに入れていたのですが、それだけ見ても何なのかは解りません。小麦粉でしょうか?
「あーにぃ、何してるの?」
あたしがそう尋ねると、お兄ちゃんは一度こちらを向いてから「まあ、まってろ」とだけ言ってあたしをキッチンから追い出してしまいました。
「お兄ちゃん何してたの?」
あたしがねぇねの所に戻るとそう尋ねられましたが、あたしにはよくわからなかったので首を振るってから「わからなかったです」と答えます。
「そういえば、ねぇねは明日も来るんですか?」
そしたら、明日は何を作ろうかなんて考えながらそう尋ねてみると、ねぇねは少し残念そうな顔で答えました。
「明日はバイトだから、来られないかな」
「せっかく晴れるのにね」とねぇねは最後に付け加えましたがあたしにはそれがどういうことかわかりませんでした。
それから少しして、お兄ちゃんが戻ってきたときその手に持つお皿の上には白くて丸いお団子が乗っていました。
それからお兄ちゃんは「さて、月見でもするか」というと徐に窓の方へ行ってカーテンを開けてしまいました。
あたしとねぇねはあっけにとられていましたが、ねぇねはすぐに立ち上がると、お兄ちゃんに向かって言います。
「月見って、十五夜は明日じゃない」
ねぇねに言われてそういえば学校でそんなことを言っていたっけと思い出しました。
ねぇねの言葉にお兄ちゃんは月を見たまま反応します。
「明日は忙しくてな。今日でも丸いだろ」
お兄ちゃんがそういうとねぇねは呆れたでもどこか嬉しそうな笑いをした後で「仕方ないから私たちも行こうか」とあたしの手を引いて窓際へと向かいました。
ねぇねに連れて行かれた先であたしは気になることがあったので、ねぇねに聞かれないように小声でお兄ちゃんに声を掛けます。
「あーにぃ、明日は暇って言ってたよね?」
「確かにいつ見るかも大事かもしれんが、それ以上に大事なこともあるだろう?」
お兄ちゃんはあたしの質問には答えてくれませんでしたが、ねぇねとお兄ちゃんの間で見る月は確かにいつもよりもきれいに見えました。
前回の続きはそのうち書きます(適当)




