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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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記憶

 夏休みのある日の出来事です。あたしは事前にお兄ちゃんに言っていた通りその日にお出かけをしようと思って準備をしていました。


 そんな時、お兄ちゃんがやってきて不思議そうな顔でこちらを見て言いました。


「妹は今日何かあるのか?」


 それを聞いてあたしはびっくりしてお兄ちゃんを見ます。


 お兄ちゃんはなんであたしが驚いているのかわからないようでした。


「昨日今日お出かけするって言ってたでしょ?」


 あたしは言いましたが、お兄ちゃんは初めて聞いたかのような顔をしています。


 その顔を見てあたしはとても不安になってきました。もしかしたら言っていなかったのかもしれません。


 でも言った自信はあるんです。そうやってあたしが一人悩んでいるとお兄ちゃんが口を開きます。


「なんか一年前も似たようなことがあったな。事前に言ってたのはこっちだったが」


 言われて思い出してみると、確かにそんなことがあったような気がします。お兄ちゃんはこれでお互い様だって言いたいのでしょうか?


「確かにあったと思うけど……」


 あたしが言うと、お兄ちゃんは「まあ、嘘だがな」とサラリと言います。


「え? え?」


 あたしがわけもわからず、呆然としているとお兄ちゃんが言います。


「記憶なんてそんなもんだからな。あったと思い込めばあった気がする。でも普通確かめようがないわけだ」


 たった今お兄ちゃんが言っているような事を体験したのであたしはそうだなと納得するしかありません。


「大事なのは、今日妹が出かけても俺の方も大して問題ないって事だな」


 「何処に行くかはわからんが楽しんで来い」とお兄ちゃんに言われてあたしは頭を悩ましたまま家から送り出されました。

こんな話を書いたような記憶があるんだが……

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