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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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虫の声

 九月になり、朝と夜はとても涼しく感じられるようになってきました。


 それでも、昼間はまだまだ暑い日が多いですが洗濯物はよく乾くのであたしにしてみたら、多少暑くてもいいかなと思うときがあります。


 そんなある日の夕方のことです。外でリーンリーンと鈴虫の鳴き声が聞こえ始め、木の葉っぱはまだ緑色ですが秋になってきたんだなと思っていた時にお兄ちゃんがあたしに話しかけてきました。


「こういう、虫の音ってのは外国人には聞こえなかったり、雑音でしかなかったりするらしいな」


 何気ない一言でしたが、あたしはとても驚いてしまいました。こんなにきれいな音なのに、聞こえないと言うのは残念なようなもったいないような気がして、お兄ちゃんに「それって少しかわいそうだね」と返しました。


 しかし、お兄ちゃんは首を振るとぽつりと言います。


「逆もまたしかりだからな」


「それってどういうこと?」


 あたしがお兄ちゃんに尋ねると、お兄ちゃんは少し考えて口を開きます。


「綺麗な景色を見るためとか達成感を味わいたいからとかいう理由でどうして人は山を登るんだろうな?」


 お兄ちゃんはそう言った後は何も話さず、外から聞こえてくる音に耳を傾けているようでした。

 理解できることと、分かることってのは違うような気がするんです。

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