他人事
「他人事ってあるじゃない」
まだまだ暑さの厳しい日が続く中、珍しくねぇねからお兄ちゃんに声をかけました。
でも、考えてみたら同じ学校なのだから言うほど珍しいことでもないような気もします。
「俺に対するお前のことだろ?」
お兄ちゃんがあたしの質問に対する答えより五割増し位適当に答えます。
「まあ、間違ってはないけど、要するに『お前明日テストあんの? 勉強なんてしなくて大丈夫だって』みたいなやつ」
それだけ聞くと何となく大学生だなって感じがします。小学校では皆同じ日に同じテストがありますから。
お兄ちゃんは少し考えると棒読みで話し始めました。
「大丈夫、あなたなら心配しなくても小説家になれるわ。でも、もしかするかもしれないから仕事は探しなさい」
「そうなのよ。家族だからって人の小説読みもしないでそんなこと言って……」
お兄ちゃんのセリフにねぇねが食いつきます。初めから大して話についていけていないあたしは置いてけぼりです。
「親であれ他人は他人だと」
お兄ちゃんの言葉にねぇねが大きく首を上下に動かします。
「まあ、俺はお前の小説好きだけどな」
お兄ちゃんが冷蔵庫からお茶を取り出しながらそういうと、ねぇねが一瞬見たことない表情をしました。
毎日更新してるんだからネタが雑でも仕方ないって(他人事)




