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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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夢

 気が付くとあたしは学校にいました。近くに時計がなくて何時なのかはわかりませんでしたが、窓から差し込んでくる日差しが赤いので恐らくは夕方。


 あたしはここにいるのに、不思議なことにパッと見た感じ誰もいなくて、時間も時間だし皆帰ったのかなとすら思いました。


 本来夏休みなので、学校にとどまる理由はありませんから多くの生徒が帰ってしまっていてもおかしくないとは思うのですが、やはり一人もいないのは少し変だなと思います。


 ためしに窓から外を眺めてみても校庭で遊んでいる人は無し。校舎内に人はいなくても先生がいる日は校庭は解放されているので、たとえ夏休みであっても誰かいると思うのですが……


 よく考えるとさっきから何も音がしません。誰もいないのですから当たり前だと思われるかもしれませんが、普通セミの鳴き声位聞こえます。


「誰かいませんか?」


 怖くなって声を出してみると、あたしの声が廊下に響きました。それで少し安心したあたしは、職員室に行けば誰かいるんじゃないかと思い、廊下を歩きだします。


 一番下の階まで下りようと階段を下るとあたしの足音が響いてそれが何となく怖いです。


 誰かいてほしいはずなのに、あたし以外の足音が聞こえたらどうしようと、そう思ってしまいます。


 そして、そう思っていたら後ろからカツンと足音がしました。恐る恐る振り返ってみると誰もいなくて。


 まさかこんな音のない世界で聞き間違えるなんてことありませんから怖くなって急いで階段を降ります。


 一階、二階、三階……と降りて行っても終わりが見えることなく、ぐるぐると回るように階段を下り続けます。


 ようやく一階にたどり着き職員室に逃げるように入りましたが、誰もいませんでした。


 誰かいないかと必死であたりを見渡していると、お兄ちゃんが居て、あたしは安心して


「あーにぃ」


 と言いましたが、お兄ちゃんはこちらに気が付いていない様子で職員室から出て行ってしまいます。


「あーにぃ待って」


 と今度は大きな声で言ったときに気が付きました。あたしの口から声が出ていないことに……




 はっと目を覚まします。時計を見ると朝の四時半。朝から家事をしなくてはならないあたしには二度寝するには少し怖い時間。


 ふと、見ていた変な夢を思い出します。そもそも夏休みなのだから帰る以前に学校にいるわけがないのです。それにあたしの学校の職員室は二階です。


 それでも、どうして夢の中のあたしはそれが夢だと気が付かないのでしょうか?


 いつかお兄ちゃんに聞いてみたいと思います。

夢と小説って似てると思いませんか?

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