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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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ホンネ

 夏休みだけれど、私が大学の図書館に来ていた。家にいてもだらけてしまうし、あの兄妹の家に行ってもだらけてしまう。


 だから、物語を考えるには学校の図書館が良かったりするのだ。


 でも、今日頭に浮かぶのは物語ではなく、妹ちゃんにどうして小説家になりたいのかと聞かれたこと。


 さすがに私自身それを考えなかったわけではないし「感情を~」というのも間違いではない。


 しかし、最近そういうわけだけじゃないと気が付いた。学校で授業を受けながら先生やら特別講師だという人だとかがやけに今求められる人材という者を語る。


 それから、君たちは期待されているのだとも。人によってはこれからの未来はうらやましいほどに明るいなんて事も言ってのける。


 その言葉は恐らくは就職が難しいと呼ばれる昨今学生を喚起するために言っていることだろうし、それにより頑張った学生はいわゆる「好い企業」だとか言われるところに入れる可能性は十分にあるだろう。ここはそんな学校だ。


 だからと言って私はそうではない。どうしても自分がどこかの会社に入って社会の歯車の一員として働いている姿が想像できない。もちろん某お兄ちゃんのように先生という道も考えられない。


 自分は一種の社会不適合者というやつじゃないかと思うことが多々ある。


 だからと言うわけではないのかもしれないけれど、何度考えても私は小説家になる以外の道を考えられない。かといって、私にそんな才能があるのかと言えばそうじゃないとも思う。どちらかというと、ほかの才能がないのだ。


「ふぅ……」


 とため息をつき、椅子から立ち上がる。こんなに気分が落ちてしまったら小説どころではない。外でも歩いて気分転換をしよう。




「また、小説書いてたの?」


 図書館の外に出ると、そんな風に声をかけられた。同じ学部の女の子。


「小説ばかり書いてないでそろそろ就活とか考えた方がいいと思うんだけどな」


 そして、先生たちの言葉に喚起された一人。私は彼女が嫌いではない。でも、見せつけられる。私と私以外の違いを。


「私は小説家になるからいいの」


 そう返して歩き出す。今日もまだ言えた。私は私の夢を諦めていない。


 忘れてない。初めて誰かから感想をもらった時のことを。


 なんだかんだ言っても、根底にあるのは最初からある想いなのかもしれない。

どんなに複雑になっても実は単純なことってあります

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