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第8話 女性の多い職場

 安住さやかは数か月の滞在ということもあって、特別な個室は用意されなかった。寝るだけの部屋だ。自分ではかたずけができない彼女には最適だったけど、極めて不満だ。

 彼の広めの部屋に入り浸り、彼の部屋でほとんど仕事をする。実験設備の設置も複数のリモートカメラやドローンで確認した。


 彼は弱っていた。

 寝ると、ベッドに入ってくるのだ。なぜか、しっかりシャワーを浴びて、ここにしかない風呂に入っている。自分のマンションにいたころに比べれば格段の進歩だけど、毎日だ。毎日Sexするのはやぶさかではないのだが。慣れというのは恐ろしくって、興奮しなくなる。


 部屋に彼女がいることを承知でモーションをかけてくる女性も少なからずいる。3PでもOKだという。

 実際、興奮する。マンネリを打破できるのだ。

 ストレスが少なくなり、実験がまだ始まっておらずじりじりしていた時、朝にはすっきりと仕事に取り掛かれた。


 でも、さやかは不満だ。だしに使われているように思えるらしい。



 実験設備の設置が完了した。X線発生装置は鉛の防壁と、厚いコンクリートで作られて、水が満たされたケースに囲まれた。電源遮断ボタンのテストも何度も行った。冷却水循環用の補助電源のテストも十分だ。内部にカメラが3台設置されているが、1回の実験の途中で壊れるので、何度も取り換えなければならない。

 FFMのエンジンルームから太くて長いケーブルがひかれている。

 小型のサイクロンで、砕いたマンガンモジュールはいくつかの粒度で選別して保管されている。


 いったん天候の予測を予報士から聞いてスケジュールを決める。なんといっても台風や熱帯低気圧が発生する海域の一つだ。太平洋なので、波の波高は50m以上あることも普通だ。


 契約している東京の天気予報会社に、2時間ごとに資料を作って送ってもらっている。それを、アホウドリ放送局が館内放送でAI音声で読み上げる。

 館内の数か所の壁に取り付けられている大型パネルには、風の流れ、波の高さなどのアニメーションが随時映し出されている。



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