第8話 本人の意思
あるだけの召喚ポイントで、鬼人を召喚したおれは、魔王のダンジョンに向かった。
必要があれば鬼人とダンジョンにもぐるつもりだ。
魔王のダンジョンについて気づいた、幸いなことにまだ、魔王の入口で食い止められているようだ。
先に着いた鬼人はボロボロかと思ったがそんなことはない。魔王と金級を相手によくやるなと思ったのだが、そういうわけではないようだ。
「主、来てしまったんですか!?」
「なんか、悪い気がしてな......。ところで、魔王さっきから動きが鈍くない? いや、俺なんかより全然すごいよ? でも、ダンジョンバトル中はめちゃくちゃ強かったじゃん?」
「先ほどのダンジョンバトルで、聖剣を抜いたとき、魔王の凶化が少しとけたのではないでしょうか? それだけではないような気がしますが......。」
なんだと? ダンジョンバトル中のできごとは全て元通りなんじゃ? まてよ、凶化スキルは本人にとってマイナスだから、元通りにされなかったのかな?
「鬼人、はよ、その聖剣で魔王にどどめをささんかい! こわいだろ!」
「主、それなんですが、すでに何度もやってるんですが、効果がないようです。この聖剣......たぶん、さびてます、、。」
聖剣がさびるのかよ!?? やってらんないのよ! それとりに、わざわざ魔王のダンジョンにもぐったんやぞ!?
やれやれなんよ......。
落胆した俺があらためて、魔王の様子を伺ってみたのだが、全身黒い影で覆われていたはずが、今は影がうすくなってきて......ってあれ? 女の子じゃね? 魔王って女の子なんじゃね?
影が薄くなったことで、なかがすけて見える。女の子のようだ。しかも可愛い。
「マスター、おそらくマスターの思っている通りです! 魔王の本体は少女だと思われます。"凶化スキル"とは恐らく本人の意思に関係なく周囲を襲ってしまうスキルなんでしょう。動きが鈍いのは......少女に戦う意志がないからでしょうね。」
やばくね? 本人の意思じゃないの? このまま魔王として、この少女を倒してしまうは違うんじゃね?
「鬼人! 俺に考えがある! そのおんぼろ聖剣をよこすんだ! サクレ達が来ても魔王を倒したりせず、時間を稼いどいてくれ! いいな?」
俺は鬼人から聖剣を奪うと、街に向かった。前から知ってはいたのだ、この近くの街に聖剣に詳しい賢者とやらがいるという話を、、。




