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おじいちゃん家



子供の頃の話だ

おじいちゃん家は 昔 寺子屋だった

土間は フローリングにしちまったさ

いつか 落ちるか分からん 黒ずんだ木の天井

化け物が出そうな 押し入れ

囲炉裏も レトロなテレビも

今は誰も使う人がいない

梯子のような 階段を登ってゆけば

屋根裏の屋根裏があって

真っ暗の中に ぶら下がった マムシの干物

古時計が ボーンボーンと鳴ってさ

畳しか ないような だだっ広さ

そこに 父さんが子供の頃 買ってもらった昔話の絵本

絵がなんだか怖くてさ

うわばみの話は 夢にも出たよ

とんと昔 とは言ってもね

おじいちゃんも おばあちゃんも とうにいない

だから 誰も行かないと 静かなものだ

知らない人が いつの間にか 部屋の中にいた

野菜を持ってきてくれたものだ

子供の僕は おっかなく思った

家の前は 田んぼが広がっていてさ

水路には いつも綺麗な水が流れていた

その田んぼの奥には お墓があってさ

棺を担いで えっさほいさと ぐるぐるやって

みんなで 埋めにいくんだそうだ

そんなことは 言われないと 覚えていないけど

それでも 以前は土葬で

人の形に土が盛られていたな

そこから 富士山が 見えたものだ

夜になれば カエルの大合唱

騒がしくて 眠れなかった

僕は そんな中で うわばみが出るのが 怖かった

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