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28. 婚約破棄と断罪よ!


「陛下、こんな朝早くから緊急の呼び出しなど一体どうなさったの?」

「さ、サブリナ……!!」

「陛下!伯父様!どうなさったのですか!?」


 もうお馴染みになってきていた謁見室で、国王陛下は真っ青な顔をして玉座に座り、ガタガタと震えている。

 そこへ呼び出しておいたサブリナ嬢も来て、準備万端なところに私とアレクは登場した。


「サブリナ嬢、ご機嫌いかがですか?」

「ユリナ!何故ここに!?」


 もうユリナ()ですらないのね。


「見ての通り、アレクが助けに来てくれたんですよ。」

「何ですって?貴女そんなことしてどうなるか分かってらっしゃるの?」

「ジャンのことですか?」

「そうよ!ジャン・デ・ロワイとその一族がどうなっても良いって言うのね?大人しくあの地下牢で斬首刑を待っていれば良かったものを!」


 え?私、斬首される予定だったの?怖い。


「サブリナ嬢、黙れ。」

「………………うぐぐ……。」


 サブリナ嬢はしゃべりたくてもしゃべれず、体の自由も効かなくなっているようだ。

 多分アレクが魔法をかけたんだろうけど、随分怒っているようで無詠唱だったから何の魔法かは分からない。


「とにかく!このような事をするような御令嬢にはアレクは相応しくありませんから!」

「……ぐ……ッ。」

「アレクと、婚約破棄していただきます!!!」


 日本でも大好きだったマンガでよく見た、所謂これが婚約破棄ってやつよね。


「それと、国王陛下。アレクはアナタの所有物でも召使いでもありません。今後はこの国の問題は陛下が色々な専門家と話し合って解決してくださいね。」

「そ、そんな……。魔法使いが居なくなれば我が国はどうなるのだ。」

「だから、困ったときには講義に来てくださっていた専門家の方たちや教会の皆さんに知恵を出してもらうんです。そしてその方たちを国が全面的に支援してください。そうすれば魔法に頼らなくてもそのうち人の力と知恵で困難に立ち向かうことができます。」


 愕然としている陛下へ、大切なお知らせをする。


「いいですね。民を一番に考えて行動してください。もしも自分中心の政をなさった場合、それは各地の教会から私とアレクに報告が来ますから。あまりにも酷いようでしたら、陛下にはお仕置きが待っていますのでお願いしますね。」

「ユリナとの約束を違えれば、我が魔法に於いて国王とその一族は死神によって苦しみながら死んでゆくだろう。」


「ヒイッ……!分かった!必ずそうしよう!だから助けてくれ!」


 ガタガタ震え過ぎて玉座か転げ落ちたこのオジサンは、きっと心を入れ替えてくれると信じたい。


「あ、あとサブリナ嬢ですが。アレクの魔法で精神をおかしくされる前に、修道院に入って性格矯正した方が良いですよ。それで心を入れ替えて、どうか人のためになることをしてくださいね。」


 そう言って動けなくなったサブリナ嬢の方を見やると、サブリナ嬢は大人しく虚ろな目をして頷いた。


「アレク?あれ大丈夫なの?」

「ユリナを地下牢に監禁だけでも木っ端微塵に吹き飛ばされても文句は言えないのに、処刑を企てるとは、救いがないな。しばらくはあれで大人しくなるだろう。」


 どんな魔法が使われたのか分からないまま、サブリナ嬢はフラフラと部屋から出て行った。

 アレクが言うにはあのまま私が言った通りの行動をするとのことで、修道院へ向かったのだと思う。


 では、断罪イベントも終わったのでこのマルシャル王国ともサヨナラします。


「それでは陛下、ごきげんよう。」






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