発揮
32話、少し編集しました汗
まだ19日は終わってない!寝るまでが19日だ!
ブックマークありがとうございます!マジで感謝です!
『みんな~、はっちゃけてるか~い!?
今年も実況を担当させて頂きます、九十九学園中等部二年の清森巴です! よろしくベイビー!
さあさあ、今年もこのファンイベントがやってきました! Victer社主催「春の仮装収穫祭」だ! あ、仮装収穫祭っていうのは仮装した乙女たちを収穫するお祭りって意味ですよ?
お伽噺に出てくるようなかんわいい衣装から小中学生の心をくすぐるかっこいい衣装まで、今年も様々な要望をカバーするラインナップだぜ!
因みに~、わたし清森の一押しはチーム上妃のキャプテン、上妃・ヴィクトウォーカー・優那さん!
ご存じの方も多いと思いますが、victer社現社長の娘さんですね。やべえ、カワエエ。衣装も可愛いけどプロポーションも殺人的だよね。誘ってんのか、ああん?
一体なに食べればあんなに――おっと、早速試合が始まったようですね! 第一試合には先程話にでてきたチーム上妃が出場しています!』
「剛羽、ほんとに三人で大丈夫なのか?」
砕球では各チーム五人の選手を揃えるのが基本だが、正確には三人以上選手がいれば試合に参加できるルールだ。
「まあ、ルール的には問題ないからな」
「それもそうだな。人数差は根性でなんとかなるしな」
「…………」
賛同しかねる剛羽。
こういうところは意見が合わない。
「あのチーム、初心者同然が二人いるんだ。だから、一人一人がちゃんと役割を意識できる状況で、試合やるほうがいいと思ってさ」
「ああなるほど、それで三人か。剛羽はアレだな~。将来は鬼教官だな~」
「そういう炎児は熱血教官だな」
「おうよ!」
にっと笑う炎児。
別に褒めてはないんだが、と剛羽は微妙な顔になる。が、眼前の少年は嬉しそうなのでツッコまない。
「さてと、球砕手は……へえ、あのお姫様系女子か」
炎児は真剣な表情で《闘技場》内に視線を走らせた。
その目には試合開始と同時に駆け出した耀の姿が。
炎児は、自分と同じポジションの耀をその動きで判別したのだ。
―――――
(パンプキン頭の人が球操手パンプキン頭の人が球操手!)
風歌のサポートを受けて、耀は転送ポイントの近かった相手球砕手に向かって最短ルートで突っ込んでいく。
今回のステージは、中世ヨーロッパ風の都市の廃墟。城壁で囲まれた街が戦禍に呑まれたという設定だ。
鋭角の屋根が特徴的な家々はそのほとんどが半壊し、崩れ落ちた残骸が通りを埋める。整備されていた石畳は捲れ上がり踏み砕かれ、もはや見る影もない。
都市の中心にそびえ立つ大聖堂は窓が割られ、正面にあるシンメトリーの双塔がどちらも中ほどからボキッと折れている。
街のそこかしこから立ち上る黒い煙。むせ返るような灰色の煙幕。
そんな荒廃した街中を、仮装した選手たちが駆け抜ける。
「見つけたわ、パンプキンさん! 覚悟しなさい!」
耀はパンプキンの被り物をした相手球操手の選手に紅光した拳を叩き込む。
炎のようなオーラを纏ったその凄絶な一撃に、相手はたまらず自軍の犬球を射線に割り込ませ、自身を守った。
すると、耀の拳を受けた犬球はあっさりと破砕。試合開始一分も経たないうちに、チーム上妃が先制する。
――――――
「速っ!? てか、剛羽の妹ちゃんも指示速いぜ!」
「相手のフラッグはハダカだ。守手が来る前に片付けたいな」
「転送位置に恵まれたしな。ブレイカーからしてみればボーナスステージだぜ」
耀に襲われているチームの守手は、耀が戦っているところから二百メートルほどの位置。
砕球の選手の足を考えれば、鈍足でも二十秒で走破できる距離だ。
「多分、相手の守手は間に合うな」
「あ、マジだ! ボーナス少ないよ社長!」
(さあ、腕の見せ所だぜ――達花)
剛羽は、味方の援護に急ぐ相手チームの守手を阻もうとする誠人に、興味深そうな視線を送った。




