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その夜、王子の部屋に行くと、サグナがいた。
「サグナ様、こんばんは」
「ああ、ララ・メローか、相変わらず、ウソをついているのか?」
「失礼ですね、サグナ様、私は、ウソなんてつきません」
キャイルは笑っている。
「サグナに反論する女の子なんて、滅多にいないから笑えるよ」
サグナは、体形がごつく体も大きい、普通の女の子なら、その時点で怯えることも多いのだ。
「慣れました」
「サグナ、例の事は、秘密な」
「はい」
「?」
ララは首を傾げて見せた。
(二人だけの秘密なのでしょうか? どうせ、ネコミミ関係なのは、見たらわかるのですけどね~)
「それじゃあ、ララ・メロー、キャイル様に付け入るなよ」
「それは、こっちのセリフです」
「ララ、サグナの友達になってあげなよ」
「嫌です。絶対気が合わないわ」
「そう? 仲よさそうだけど」
「良くない」
「そっか、それじゃあ、サグナのお友達は、当分出来そうもないな」
「サグナ様って、友達いないんだ」
「ああ、そうなんだ」
「……そっか、やっぱり、あれじゃあ、人気も出ないわよね」
ララは日頃のサグナの態度を見ていると、どうしても、人気が出る様には思えなかったので、そう言った。
「ララ、サグナは、ファンはいるんだよ」
「えっ?」
「戦いの腕にあこがれている、若い兵士に人気なんだ」
「若い兵士にね~、そうですか~」
遠い目でそう言った。
「ララ、もう、夜も遅いし寝よう」
「うん、おやすみ」
「明日、ちょっと、話したい事があるから」
「えっ!」
キャイルはもう寝ていた。
(なんだろう?)




