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オオカミ少女はつらいぜ  作者: 霜月ぷよ
9/10

第8話 俺がネットアイドルなんてつらいぜ

もうじき完結です。

終わり方どうしよう?

「そんな、何てことだ。策弥が元の男に戻ってしまったなんて!?」

「バカ!お前声デカいっての!」

策弥がオオカミに咬まれたとかで、ある日突然、謎の女体化&獣耳少女に。しかし、今度はさらに突然、一晩の高熱の後、朝には以前までの人間の男に!?策弥の身体にいったい何が起きたのか?


「もう一度いうが何てことだ!これではじゃれ合い紛れに君の胸を触れないではないか!」

何やらおかしな理由で憤慨する輝。

「どういう理由だ!結構な頻度でどさくさ紛れにセクハラ行為に及んでただろうが!」

「セクハラとは失礼な。あれは君との仲を深める為のスキンシップだ」

「バァカ。深まったのは溝だよ。ドスケベ野郎!」

以前とは少し違うが、策弥と輝はまるで夫婦漫才のようなやり取りで学校へ登校した。



この日の一日は最高の気分だった。胸はもうないから抑えつけられることもないし、男子達との絡みも全然怖くないし、下腹部に来るアレももうない訳だし。やっぱり心と体は一緒が一番だ。

「あぁ~なんてことだぁ~。僕は美少女な策弥が好きだったのにぃ」

「おまっ、よくそんな恥ずかしい発言を堂々と!仮にあのままだったとしても、俺はお前なんかに落ちるような変態じゃないからな!」

心底落胆する輝。

それに毒づく策弥。

それを傍目から見詰めていた小豆先輩がぼそりと呟いた。

「元に戻ったっていうけど、サックン相変わらず可愛ええやんか。ウチはサックンが女でも男でも別に問題ないよ。男の娘で行けるくらい可愛ええもん」

「小豆先輩ぃ~、その単語やめて下さい~。せっかくまともな男子に戻ったんスからぁ」




以前のなんの問題もない3人の関係に戻った。……かに見えた。



放課後。


策弥の奇病が治った祝として、小豆先輩の部活体験入部が実施されていた。

パソコンルームには部長の小豆未来。体験入部者は、崎町策弥と東城輝の計三名である。

小豆先輩のオタクオリティーと情報網(Twitter)で獣耳女体化を二次元的に分析。


……………結果


『誰だこの子は!!!?』

『猫耳男装美少女萌えええええ!!!』

小豆先輩が操作しているパソコン画面、その画面に策弥は目をまん丸に驚愕の表情を剥き出しにしていた。

画面がスライドする度に表示されるのが、スヤスヤ寝こける策弥。

体育で流した汗をタオルで拭く策弥。汗の部分にキラキラと画面編集を加えてあったり。

輝にからかわれてほっぺを膨らませている策弥。

それら画面それぞれに凄まじい書き込みが記されている。


「あ、あの先輩?な、何ですかこれは…!?」

片眉と頬をヒクヒクさせながら、パソコンを操作している小豆先輩に聞く策弥。

出てくる数々の策弥の隠し撮り画像に輝は内心では今すぐにでもプリントアウトしたさに微かに汗ばんで来ていたりするのであった。

小豆未来は、驚き焦る策弥の様子を楽しみながら、さっぱりアッサリと質問に答えた。

「サックンの隠し撮り画像。めっちゃ可愛かったからウチのホームページにアップしてん。したらウチのネットモにめっちゃウケてもうて、なんやかんやて視聴率上がって来て、もうサックン萌っ子大ブレイクやで!」

如何にも大阪のノリな感じで体全体を使ってとても嬉しそうにペラペラと答えて下さった。あまりのハシャぎぶりに、策弥は喜怒哀楽のどれを使えば良いのか分からなくなってしまった。


あれからしばらく経った。

ひたすら画面の中で色々やり取りしているらしい小豆先輩。パソコンがイマイチよく分からない為、とりあえずその様子を眺める策弥。別ののパソコンで策弥の画面をプリントアウトしながら満足そうにしている輝。

「…ってお前は何やってんだコノヤロー!」

「君の愛くるしい姿を愛でているだけが、何がいけない?ふ~む…」

顔を赤くしてキィキィ突っかかっていく策弥だったが、突然輝にアゴクイをされ、至近距離で見詰められる形になってしまった。

「!?」

「顔を赤くして怒ってても、恥ずかしがってるところは性別が違っても変わらないんだな。…可愛いなぁ…」

一瞬だが、策弥は胸の奥がもぞもぞするような、なんとも言えない気持ちになった。いわゆるこれが゛キュン゛である。が、策弥がこのことに気付くのはだいぶ先のこととなる。


「ハイ、激写!」

「えっ!?ちょっ、先輩!」

慌てて我に帰る策弥。

「お二人さんがイチャラブしてる間に色々調べてあげたよ」

「い、イチャ!?」



策弥を襲った奇病の推測的原因。

・100年以上生きている、雌のオオカミに咬まれた可能性。


・何らかの実験に巻き込まれ、薬を打たれ、一種の記憶障害を起こして、オオカミに咬まれたという記憶が上書きされた。


・オオカミ伝説と言えばやっぱりお月様でござる。ルナルナでござる。月の満ち欠けがきっとヒントでござろう。


・男女入れ替わり系好きだなぁ。生理はつらいよォ。男子どもには分からんだろうねぇ。


・愚か者!男とて股関に打撃を受けた時の苦しみは相当なもの。それこそおなご共には理解出来まい。


・やっぱ月でしょ月。雌は月でしょ。月見バーガー食いてぇ。




「は…?」

「オタクというのは皆こんな感じなんですか先輩?」

輝もこれはさすがに怪訝な表情になる。

「これは当てにして良いレベルなんッスか?確かに考えてみるとそんな気がしてこないでもないですけど…」


(月と薬…?今更だが考えてみればこの日本でオオカミに遭遇、さらに咬まれたにも関わらず策弥は軽傷。考えて難いな。もし何らかの人体実験だとして、女体化は成功なのか、副作用なのか?)

策弥の隠し撮り画像について、被害者策弥と、確信犯小豆未来の押し問答を横目に、輝は色々と考えを巡らせていた。



策弥 自室

小豆未来にいつの間にかしてやられた、ネット上に未承諾の完全プライベート画像。普通に恥ずかしい姿もいくつか。策弥はそんな小豆先輩を警戒していなかったことに軽く頭を抱えていたのだった。

しかし、この小さな悩みはもうじき微塵も残らなくなるだろう。

誰も予想だにしない事態が策弥を襲う。そして輝にも…。




続く…

ネットアイドルです。本人が知らないって冗談なしにつらいぜですよまったく!

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