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蔑ろにされる令嬢は豹変しました ~ パワハラする婚約者も幼馴染みも要りません!~  作者: mimiaizu


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第3話


ユミーは本当に王宮に行くことになった。馬車の中では、ユミーが兄バグタスの前で心境を吐露する。



「あんな婚約破棄で王子殿下が伯爵令嬢の私に……現実味がないです……」


「何を言ってんだ。俺の仕えるロミュド殿下がお前に会いたいとこの耳で聞いて、俺が承諾したんだ」


「話が追いつかないくらい展開が早いのは気の所為でしょうか?」


「公爵家よりも上の立場の王族のお願いなんだ。仕方がないんだよ」



仕方がないと言いながらも兄バグタスがニヤけた顔をしていることをユミーは見逃さなかった。だからこそ気付いた。この兄はこの話にどこか噛んでるなと。しかし、確かに王族の言うことなのだからと今更深く追求するつもりもユミーにはなかった。



「はぁ……もう、それもそうですね。話を聞かれることにもなるのでしょうが、面白い話になります?」


「ははは、悪い公爵令息を罰した伯爵令嬢の英雄譚とか?」


「お兄様の馬鹿……」


「事実だろう? 婚約破棄の後も罰が下ってることだしさ」


「……」



悪い公爵令息とはガソマ・ドパント公爵令息であり、ユミーの元婚約者だ。ユミーに冤罪を着せて断罪する形で婚約破棄するつもりが逆に罪を暴かれて断罪と婚約破棄を突きつけられた愚か者、今は意中の相手ノウヴァ・ゾディアーリ侯爵令嬢と共に大変なことになっている。



「あの馬鹿男、父親のドパント公爵から大目玉を食らったようだな。ユミーに色々と押し付けてきたばかりか公爵家の金に手を付けた挙げ句に公爵領の領民を虐めてただなんてヤバすぎだろ」


「ガソマ様は父君であるドパント公爵が仕事人間であったことで個人の自由な時間が多かったのでしょう。我儘で自己中な性格が原因でやりたい放題できたのです。後々に自身の首を絞めると思わずに」


「公爵が教育も仕事のうちだという自覚が足りなかったわけか。悩んだのに長男を廃嫡しないで厳しい教育下に置くだけにするような人だしな。自由時間は一切ないって聞くけど」


「意中の相手のノウヴァ・ゾディアーリ侯爵令嬢も問題だったのです。ゾディアーリ侯爵家の三女ということで結婚相手に高みを求めていたようですが、ガソマ様に負けず劣らずの性格の悪さ故に婚約者が見つからない。そこでガソマ様に目をつけたみたいですね」


「頭の足りなくい公爵令息、格好の獲物ってわけだ。結果的に悲惨な事になったみたいだな」


「ガソマ様のような男は親がすごいだけ、それを理解していなかったのですね。結果的にガソマ様と一緒になることはできましたが、それも罰を受けるため。公爵家で使用人のように扱われているようです」


「ゾディアーリ侯爵に家から追放されて、公爵家で働かされてるわけか。ついでに勉強もさせられてるとなればガソマよりも悲惨だな」


「彼らが選んでしまった道ですわ。自業自得です」



ユミーは穏やかに笑う。彼らの今の現状に同情はしないかわりに嘲笑っているのだ。ガソマとノウヴァの尻拭いをさせられた身の上としては彼らが報いを受けたことに誰よりも喜ばずにはいられない。彼らを断罪するために兄をはじめとする多くの人たちの協力とユミー自身の行動がもたらした結果なのだから。



「そういえば、ドパント公爵とゾディアーリ侯爵は婚約破棄の直後にパーティー会場に現れたよな。お二人共顔を真っ赤にに染めてガソマとノウヴァをどっかに連れ去って行ったわけだけど、タイミング良すぎすぎだったな。もしや、あらかじめ知ってたのかな?」


「……あら? まるでタイミングを見計らって現れるように仕向けられたとでも?」


「ああ、どこかの誰かさんがあのバカップルの所業を忙しいところに伝えたりでもしないとあんなに面白い状況はできないと思うんだが?」


「ふふふ、そうですね。ドパント公爵とゾディアーリ侯爵の上級貴族のプライドがガソマ様とノウヴァ様の所業を許さないことでしょうし、実際にお二人から私に謝罪されましたからね。私自身は伯爵令嬢に過ぎませんからものすごく緊張しましたわ」



なんでもないというか恐れ多いとでも言うユミーだが、ドパント公爵とゾディアーリ侯爵に内密に彼らの子どもたちの所業を伝えていたのは彼女自身だった。つまり、断罪劇の締めにガソマとノウヴァが親に引きずられて消えるように仕組んだわけだ。話題を求める社交界で面白おかしい噂になりやすいように。



「緊張、ね。これから会いに行くロミュド王子殿下はどうだ?」


「どうでしょう。お兄様を通じて何度かお会いしたことがありますし、言ってはなんですが王族の方の中でも親しみやすいと思っています」


「……脈有りか」


「何か言いました?」


「いや何も」



馬車の中ではこんな会話が続いていた。王宮に到着したのは数時間後のことだった。



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