第八話 トカゲ
撃破したゴブリンたちを食べた。
成体を食べたからなのか、腕がより筋肉質になり、角も大きくなった。
これまでよりもさらに破壊力が増したようだ。
狩りつくしたのかこの辺りにもうムカデは見当たらないし、少し学習したのかゴブリンたちも姿を見せなくなった。
これからは少し、探索範囲を広げよう。
暗がりの中を進む。たまにゴキブリやムカデを見かけるが、今ほしい獲物はお前らじゃない。
親ゴブリンだ。もらえる経験値は、やはり強い相手のほうが多いだろう。
ムカデの顎も役には立っているが、それ以上に今ほしい要素がムカデにはない。
今俺が洞窟を進んでいるのか、出口に向かっているのかもわからない。
どちらにしてもその場所で俺は精一杯生き延びるだけだ。
なんて決意を胸にしていると、一匹見つけた。
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魔トカゲ
レベル7
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トカゲ。鱗と尾を持っている四足歩行。
俺はこいつがどんな動きをするのかを知らない。
最大限の警戒と、≪生存本能≫に身を任せることを心において対峙する。
トカゲが口を大きく開く。
威嚇か?
≪生存本能≫が警鐘を鳴らす。
違う!
口内に広がる赤。
やばい!
避ける準備をしていなかった!
防御!
とっさに角腕を前方に。
赤が腕に命中。
熱い!
火だ。
あいつ、火を吐けるのか。
今の攻撃で腕がうまく使えなくなってしまった。
火の走りがかなり速かった。
今から逃げようとしたって逃げ切るのは困難だろう。
こいつと戦って、勝つしかない。
幸い、武器は一つではないし、腕も生やせる。
ゴブリンたちと違って俺は損傷は気にしなくてもいい。
しかし体力はごっそり削られた。
これ以上のダメージは危険だ。
堅実に、顎と速度で削っていこう。
「シャアアアァァ」
トカゲが走ってくる。
咄嗟に壁を走り、背中に取りつく。
顎牙を突き立てるが、なかなか刺さらない。
硬いのに柔らかい、不思議な感触。
勢いをつければ刺さるだろうが、それでも大きなダメージにはならないだろう。
身をよじられ、振り落とされる。
さて、どうする。
しばらく避ける時間が続く。
そこで俺は気が付いた。
あいつ、火を吐いてこない。
どうしてだ?あの速さなら、俺をとらえられるだろうに。
不思議に思い観察していると、発見した。
治りかけの火傷だ。
自分で火の熱さに耐えられないのだろう。
けれど、それをある程度カバーできる再生能力も持っていると。
……よし、倒し方を決めた。
次に火を吐こうとした時が、お前の最後だ。
避けに徹する。
やはりゴキブリはいいな。俺のサイズにゴキブリの身体能力が合わされば、たいていの奴の速度には負けないだろう。
初めに狩ったのがゴキブリでよかった。
そんなことを考えていると、相手の再生が終わったようだ。
それの事を煩わしく思っていたのか、すぐに動きを止め、口を俺めがけて開く。
俺も動きを止め、走り出す準備だ。
トカゲの口内が赤に色づいていく瞬間、走り出す。
トカゲはもう発射を止められない。
口の中にやけどをした腕を押し込み、切り離す。
ボブッ!
そのまま自分の火力で焼け死んでくれ。
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魔トカゲを撃破しました。
経験値を獲得しました。
経験値が規定量に達しました。レベルアップします。
レベルが6→7に上昇しました。
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よっし!
何とか最初の一撃だけのダメージで倒すことができた。
早速食べよう。
腹ごしらえと、あわよくば火を吐きたい。
遠距離攻撃があればかなり戦いやすくなるからな。
結果獲得できたのは再生能力と鱗だった。
火も出すことができるが、まだ小さい。
実用までは行かないだろう。
またタイミングがあればトカゲは狩ろう。




