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運命の経済学 Economics of Fate  作者: キズナ
第2章 リスクと危険回避
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3 人生ゲーム リスキーな世界へ ~リスク回避ゲーム~

この話から人生ゲームの始まりです。

「会長、この人生ゲームのルールはどういうやつなんですか?」

「会長?」

「お姉ちゃんこんなの家にあったっけ?」

響さんが放った言葉の後、皆会長へ目を向けた。

私の問いかけに沈黙を貫いていた会長からある言葉が出てくる。

「実は……私も初めてやるんだ。だからルールは知らない。」

「なるほど。じゃあ説明書を見ながらまずルールを見ていきましょう。」

会長の顔色が悪くなっていくがここは敢えて放置しておくのがベストだと判断した。



【ルール】

①プレイヤーは2人~10人まで可能。

②それぞれ下級職をルーレットで選択する。

 ルーレット数字1:木こり、2:狩人、3:神父、4:警察、5:商人、6:魔法使い

③1~6のルーレットを回し、最終地点『幸せの花園』へ誰か1人が到達したら終了。2位以下は進行度で決まる。

④職業は中間地点や特殊マスで別、もしくは上位職になることができる。

上位職 木こり→ジェイソン、狩人→ハンター、神父→教祖、警察→マフィアのボス、商人→勇者の連れ、魔法使い→魔女

⑤各マスで様々な出来事が起こり、それに2択以上の選択肢に答えていく。回答によって様々な効果が発動する。

⑥マスの効果などは中央部分から流れる音声に従って下さい。

以上。

制作:リスキー株式会社 販売日2018年7月19日



なんだこのルール。詳細は遊んでみてねって事なのか?

「会長、あの申し上げにくいんですが…。」

栞が申し訳なさそうに会長へ話しかける。

「これ、発売したのつい先日ですよね?じゃあ10年前にって言うのは…。」

明らかに嘘だと判明してしまった。響さんに記憶がなかったのもそういうからくりなのか。



栞が会長へ話しかけていると、クスっと小さく笑い声が聞こえた。

「もう本当のこと話してあげたらいいんじゃない?かげちゃん。」

髙橋先輩が会長に話しかける。

会長はやや顔を赤くして頭を下げたままだ。

「もう、あのね。この間2人でショッピングモールへ出掛けた時に、おもちゃ屋で面白いのを見つけたってかげちゃんがはしゃいで私の所に来たの。部活に使えないだろうかって。じゃあどうせなら今度の部活に使おうって話になったんだけど、どうにも照れちゃって昔から家にあって、それを持ってきた事にしてくれって言うから話しを合わせたってわけなの。ごめんね。」

「そういう事だったんですか。別にそんなに照れなくても。逆に部活のためにここまでしてくれるって尊敬しますよ!」

「そ、そうか?」

「そうですよ!私のためにありがとうございます!」

私が会長と話している横で1人トリップしている奴がいた。



「先輩かわいいところあるんですね~。」

栞が会長を見る目が動物を見る目になっている。

「いや、まて。そんな目で見るな。恥ずかしいだろ。」

「そんなことないですよ。先輩かわいいです。」

栞の謎のスイッチが入ってしまったようだ。



「とりあえず、始めていきましょうか。」

高峰ナイスアシスト。栞の方から幽かにチッと舌打ちが聞こえたような気がするが…。



「じゃあ会長から時計回りでルーレットを回しましょう。じゃあどうぞ。」

「私からでいいのか?……じゃあ…。」

会長は勢いよくルーレットを回した.ルーレットが回る勢いは中々止まらず、ゆっくりと速度を落としようやく止まった。

「4なので警察ですね。なんか会長っぽいですね。威厳がある職で。」

「なんだか照れるな。」

「先輩かわいい♡」

栞のスイッチはまだ切れてなかったようだ。

「じゃあ次の人どうぞ!」

高峰またまたナイス!そしてまた聞こえる舌打ち。デジャヴだ。



ルーレットの結果は次の通り

会長:警察

髙橋先輩:神父

絵美:木こり

高峰:魔法使い

祐二:狩人

私:商人

響さん:魔法使い

栞:狩人


意外と職業がばらけた。絵美の時にルーレットが少し変だった気もしなくもないが、今はそっとしておこう。



◇ゲームスタート

 「それではプレイヤー1の方、ルーレットを回して下さい。」

 アナウンスがなるのか。なんてリッチな人生ゲームだ。

 会長がルーレットを回すと『2』が出て、青色のマスに止まった。

 「ラッキーマスです。貴方は財布を拾いました。その後貴方はどうしますか?①警察へ届ける②そのままネコババする。」

 「これ回答はどうするんだ?」

 「説明書によると中央ルーレット横にある6つのボタンを押すらしいです。」

 「お姉ちゃんこのボタン左から1、2、3って書いてあるよ。」

 響さんが発見したボタンは6つあり、そのボタンの上に1~6の数字が振られていた。

 会長は1のボタンを押す。


 「①を選んだ貴方は拾った所をおばあさんに見られており、『立派な人』と褒め称えられた。後日所有者から1割(1万円)の分け前を貰った。プレイヤー1の方は『立派な人』の称号を得ました。尚このゲームにおきましてお金の概念は存在しません。」

 なんだかかなり具体的な人生ゲームだな。音声付だからさくさくできるし。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の最新話更新は午後10時を予定しています。

よければブックマーク、感想等お待ちしています。

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