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運命の経済学 Economics of Fate  作者: キズナ
序章<プロローグ> 白紙の進路希望票
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読み返すと、なんだかしょうもない話だなと思ってしまう自分がいます。でもプロローグだけなので(謎の自信)。本編は…頑張ります!

◇2週間前


 学期末テストを無事終え、かなり気が緩んでいた生徒が殆どだろう。

 しかし、橘大和にはそんな事は関係ない話で、日常のリズムを崩されることが許されない。もちろんそこには喜怒哀楽と言う感情的選択は何一つない。

 いつもの様に教室へ入ると、予鈴がなってもだらだらとしたり、わいわいとしている生徒だけで、誰も掃除へ向かおうとはしていない。大和にとっては誰が何処で何をしようが構わない。自分に何か影響がない限り関わる必要はないのだ。



 大和は掃除用具を取りに用具入れへと足を運ぶ。そこには不良と呼ばれるグループ3人程がゲラゲラと下品な笑い声を出して居座っていた。もちろん彼らのせいで用具入れを開けることはできない。



 「すまないがそこをどけてくれないか?掃除用具が取れないんで。」

 大和は軽く会釈をするようにお願いした。

 「は?何お前?頭が少し俺らより良くて生徒会副会長だから粋がってるだけのやろうが俺らにたてつく気か?」

 不良グループの一人が喰って掛かってきた。

 「いや、粋がってもいないし、そもそも君だれ?このクラスの生徒じゃないよね?とりあえずどいてもらえるかな?」

 私なりに相手を思って対応した。

 何かが気に食わなかったのだろう。それとも口喧嘩が相当弱いのか、胸ぐらを掴んで殴りかかろうとしてきた。

 「はぁ…君たちは私みたいなタイプはどうせ頭が良いだけでケンカは弱いと思ってる口?じゃあ君たちから最初に手を出してきたわけだし正当防衛って形でいいよね?裕二もそれでいい?」

 私は顔を斜め後ろに向け裕二に尋ねた。



 「大和、ほどほどにしておけよ?お前は生徒会副会長なんだからな。」

 私にOKの指示を出した裕二。



 「は、原田君。いいの?立花君とあの3人だと明らかに不利だと思うけど…。」

 心配で裕二へ話しかけたのはクラス委員長の田中芽衣華。

 「田中さん、問題ないよ。むしろ相手3人の方が心配だよ。」

 「え?」

 委員長が大和の方へ向くと既に3人は倒れ込んでいた。ほんの一瞬裕二と会話していた委員長だがそれ以上に早く3人を伸してしまう大和。



 「オーケー大和ストップだ。先生が来る前に持ち場へ行くぞ?」

 「あぁもちろんだ。」

 私と裕二は掃除用具を手に取り自分の担当場所へと向かった。



 「原田君これって…。」

 「あぁ、大和はアレでいて中学で『柔道』『剣道』『陸上』『空手』で全国大会へ行っているんだ。特に空手と柔道は全国でベスト8まで行ってる。この辺だと結構有名なんだよ。『変人スーパープレイヤー』が居るってね。」

 委員長は開いた口が塞がらなかったようで、口を開けたままだった。

 「そうだ、委員長、この3人保健室に連れて行って先生にはごまかしておいて!頼む。」

 裕二は両手を合わせ委員長へお願いした。



 それ以降、大和を見る目が変わって、怒らせてはだめな人認定を受けたわけだな。




 「全く、何も情報を得ずに人を見た目で判断するからそうなるんだ。」

 「お前がそれ言うんだ。俺は大和の方が外見で決めつけてると思うぞ?」

 「俺は自由に生きているからな。それは当たり前だ。でも他人に評価される時はきちんと評価してもらいたいものさ。」

 「行っている意味が分からないが、まぁとりあえず究極の自己中ってわけだな。」

 私達はそんなやり取りを続けながら掃除用具を取り持ち場へと向かった。



~放課後~



 「今日は生徒会で定例会があるから先に行くけど裕二はどうする?」

 私は1学期最後の定例会のため生徒会室へ向かわないといけない。

 「あぁ、俺はちょっと寄るところがあるけど、それ寄ったらそのまま帰るわ。」

 「そうか、じゃあまた明日な。」

 私は裕二と帰りの挨拶を済ませ、生徒会室へと向かった。


◇生徒会室


 ガラッと扉を開け、生徒会室へ入っていく。中には会計の高橋裕美が居た。

 高橋先輩は会長が選出した役員で、3年生だ。


 「先輩早いですね。」

 「あぁ橘君。君も相変わらずね。定例会は4時からじゃなかった?」

 「私は早く来てここで読みたいものがあったので。――隣構いませんか?」

 「えぇ、構わないわ。――あっ!そうそう。今日ね会長から話があるけど、ようやく1年生が決まったみたいで今日初顔合わせみたいよ?」

 「そうなんですね?結構時間かかりましたね。私の時はすんなりだったのに。」

 「貴方は学年主席だったわけだし、2人とも元気だったからすぐ生徒会へ入ってもらったけど、今回はちょっとね…。」

 高橋先輩が口ごもる。そんなに厄介な下級生なのだろうか。

 

 高橋先輩と話をしていると突然扉が開いた。



 ガラガラ。



 「待たせたな。皆集まっているか?」

 入ってきたのは3年生の先輩で髙山日華夏たかやまひかげ会長だ。

 「かげちゃん…」

 高橋先輩が髙山会長をそう呼ぶと、きりっと睨まれいた。

 「裕美。下級生の前でその呼び方はやめてくれ。」

 「ご、ごめんなさい。えっと会長、開始時間には後30分あります。なのでまだ全員揃ってません。」

 「なっ!?え?うそ!開始時間って4時でしょ?」

 「それは間違ってませんよ。でも今は3時30分です。」

 会長は自分の腕時計の時間を確認し、スカートのポケットからスマホを取り出した。

 「―――はははっ。私の腕時計が30分早かったみたい。ごめんなさい。」

 しょんぼりした顔でこちらへ頭を下げる会長。



 「ふふふっ、もうしょうがないわね。ごめんね、橘君。かげちゃ、いや会長ってこういう抜けた所多くてね。でも頭だけはいいから貴方と同じタイプかもしれないわね。」

 「いえ、お気になさらず。」

 去年も同じ生徒会で、その一面には出くわしていたので驚かなかった。

 「ねぇ、会長?今日は1年生がやっと来るんでしょ?どんな子を選んだの?」

 実は私も気になっていた。学年1位は頭が良いのだからそれなりのやつが来るって相場が決まっている。でも、会長推薦枠は違う。私が副会長になる際に会長推薦枠として選ばれたのは副会長補佐の『高峰日高』だ。頭は私より悪いが、会長の幼馴染で気配りが効くいわゆる『いいやつ』だ。



 「会長、私も気になりますね。会長がどのような子を選んだのか。」

 「珍しいな、橘君がそんな人に関心を持つなんて。」

 私の評価ってどんなになってるんだろうか。

 「まぁ一応後輩なわけですし、使える人間かどうかは把握しておきたいじゃないですか。」

 「まぁ確かにな。そういう点で言えば、使えるやつだ。2年の日高より十分にな。」

 高峰副会長補佐より約にたつ子だなんて…。



 「会長!聞き捨てなりませんね!私より役に立つなど、笑わせてくれますね!そいつはどんな奴なんですか!?」

 私と高橋先輩は声の方へ振り向いた。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の最新話更新は午後10時を予定しています。

よければブックマーク、感想等お待ちしています。

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