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運命の経済学 Economics of Fate  作者: キズナ
第2章 リスクと危険回避
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8 勝者決定!

何と勝者は・・・まるで出来レースのような展開。すみません。

「じゃあこの問題はⅡが答えってことで大丈夫ですかね?」

 「あぁ。問題ないぞ。」

 栞は会長に確認した後、Ⅱのボタンを押した。



 「プレイヤー8の方はあいまい回避を行いました。おめでとうございます。今のマス目に加えて3つマスを進んでください。」

 アナウンスから6マス目へ行くよう指示がある。

 「はいはい~。このマスでいいんでしょう?」

 「なんだか投げやりじゃないか。」

 「だって大和君。わかっている結果ほど面白くないじゃない。特にこういうゲームはね。」

 「言いたい事はわかった。とりあえず近づくのはやめてくれ。鼻息荒いぞ?」

 栞は私の顔に顔を近づけてきていた。鼻息をフンフンとさせながら。



 「じゃあ南条君、横のボタンを押して会長へバトンを渡してくれ。」

 高峰の指示が入り、栞はボタンを押した。



 「イージーモードへ変更しますか?する場合は1を押してください。」

 二度目のアナウンスだ。会長が1を押す。

 「イージーモードへの変更が認められました。これよりイージーモードへ変わります。通常モードへ戻す際はもう一度変更ボタンを押して下さい。」

 「イージーモードか。これでさくさくだ。」

 「それではイージーモードにて再開します。プレイヤー1の方はルーレットを回してください。」



◇◇◇



 「今日は教室で何か部活動するらしいわね。顧問としてちょっとは覗いておかないといけないわね。」

 担任の荻原先生が生徒会室の扉の前までやってきた。


 「くっそーーー!!!数字が足りない!!!」

 「私は多すぎるわ!」


 「これで終わりだ。4出ろ!!」


 「わあああああ!!!」

 かなりガヤガヤと賑やかにしている。


 ガラガラと扉を開けた。

 扉を開けると王冠を被った高山さんが居た。



 「え?一体どうしたの?高山さん?なんで王冠にマントなんて・・・。」

 「これこれは荻原先生。私が優勝したから王冠にマントなんですよ。」

 「ゆ、優勝?どういう事?私にも分かるように説明して?ここは生徒会室なのだから話によっては注意しなくてはいけませんからね!」

 私もたまには先生らしさを出さなくちゃ。



 「先生、問題ありませんよ。この人生ゲームをしていただけです。」

 「橘君?人生ゲームってお正月とかに集まって家族で団欒したりするあの人生ゲーム?」

 「いや、この人生ゲームはですね・・・。リスク回避人生ゲームなんです・・・。」

 橘君はリスク回避とかなんか変な事を言って臥せってしまったわ。一体何が起こってるの?


 「はっはっは!王は私だ!皆のもの!先生も巻き込んでしまえ!」

 高山さんがそういうと橘君、南条さん、高山さん(妹)が私のほうへ両手を向けまるでゾンビみたいに歩いてきた。


 「はっはっは!そうだそ・・・んぐっ!」

 高山さんの高笑いの後にバシンとハリセンで叩いた音がした。



 「もう!かげちゃん、先生戸惑ってるじゃない!橘君、南条さん、ひーちゃんも!いい加減にしなさい!」

 『はい!』

 高山さんたちは高橋さんに怒られちゃったのかしら?



 「先生すみません。人生ゲームは人生ゲームを部活動の一環でやっていたんですが、優勝した会長がそろそろ先生が来る頃だから一芝居するぞなんていうもんですから・・・。」

 『スミマセンでした・・・。』

 生徒会役員の子全員と原田君が頭を下げて謝ってきた。


 「まぁ部活動の一環ならしょうがないわね。でも、あんまりはしゃぎすぎると外まで声が聞こえてるから、あまり騒がないでね?私が怒られるんだから。」

 

 私は手に持っていた書類を高山さんに手渡した。

 「そうそう、これ頼まれていたものね。任せたわよ?」

 「そうですか!わかりました。」

 「じゃあ私はまた職員室へ戻るけど、あまりはしゃぎ過ぎないように!いいわね?」

 私は生徒達にそう忠告し生徒会室を後にした。



◇◇◇



 「会長これは?」

 「そうだ、これは午後からやろうと思って先生にお願いしていたものだ。」

 「何か書かれているみたいですけど・・・?」

 「1ヶ月程前に何でもお悩み相談ボックスというものが校内のいたるところになかったかい?」

 「ありました!!あれなんなんですか?」

 「あれはだね、私が先生に頼んで置いてもらったのだよ。」

 「あれどれぐらい集まったの?」

 「この資料だけでも20枚はくだらないな。」

 「あれって先輩方が置いてたんですね。でも何で・・・。」

 「生徒会だからだろう。」

 「その通りだ日高。生徒会役員としての意識が高いみたいだな。」

 「じゃあ意見箱ってことですか?」

 「まぁそういったところだ。」

 会長や高橋先輩は置いた本人達だが、高峰はなんとなく分かっていたみたいだ。私は全然気付かなかったのに。


 「じゃあ俺はこの辺でおいとましますか・・・。」

 祐二が生徒会の仕事っぽい資料について話している私たちをみて外へと出ようとしたところ会長に呼び止められた。


 「原田君待ちたまえ。君はもうこの部活のメンバーだ。更に言えば、この資料の問題はこのBE部で受け持つ事になっている。だからこの場から逃げ出すことは許さないぞ?」

 「あ・・・はい。」

 祐二はまた元の場所へと戻っていった。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の最新話更新は午後10時を予定しています。

よければブックマーク、感想等お待ちしています。


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