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運命の経済学 Economics of Fate  作者: キズナ
第2章 リスクと危険回避
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7 あいまいな情報

まだこの人生ゲーム終わらないの?って方。大丈夫です。大方これで終わりです。

次回は人生ゲームの勝者が決まります。

「私もボーナス欲しいです。レッドゾーンか高橋先輩と同じマスに・・・。」

 栞がいつにもなく興奮している。

 「プレイヤー8の方はルーレットを回してください。」

 そしてルーレットが回される。・・・・・・出た目は3。

 よりにもよって高峰と同じマスか。



 「あぁ!高峰先輩と同じマス・・・なんて地味なんですか!」

 「南条君、君は素晴らしいな。日高と同じとは・・・・・・。」

 会長は笑いを堪えている。

 「先輩そんなに笑うなんて酷いです・・・。」

 栞はシュンとなるやいなや高峰を睨んだ。

 「あぁ・・・・・・南条君の様な美少女に睨まれるとなんだかゾクゾクするよ・・・。絵美君とは違ってこれもいいね。」

 とんだ変態だな。

 「高峰・・・・・・私もあまり言いたくはないんだが、私の幼馴染には手を出すなよ・・・。お前には既に妹を生け贄にささげているんだ。これ以上周りの美少女要素を奪わないでくれっ!」

 私は高峰の耳元で忠告した。

 高峰は私の方を見てニヤっとし、親指を立てる。



 「まぁ栞、そんなに高峰を睨んだってルーレットの目は変わらないぞ?」

 「祐二君、分かってるよ。でもあんな先輩と同じマスだなんてちょっと・・・。」

 「まぁ・・・同情するよ。」

 祐二が栞を落ち着かせてくれたようだ。



 「3マス目に止まったプレイヤーに問題です。」

 アナウンスの問題が始まった。



『ここに1つの大きな箱があります。ここには大きさや重さが同じな箱が入っています。箱にはそれぞれ①②③とかかれており、全部で200の箱が入っています。現在分かっているのは①が60個だという事だけです。進行役Aは箱の中から一つ選択し取り出します。挑戦者Bは取り出された箱を2択で選ばなければいけません。この選択をBは2度別の選択肢で行います。何を選択するでしょうか。』

【1問目】

A 取り出された箱は①だ

B 取り出された箱は②だ

正解すれば賞金がもらえる。


【2問目】

A 取り出された箱は①か③だ

B 取り出された箱は②か③だ

正解すれば賞金がもらえる。


ⅠAA

ⅡAB

ⅢBA

ⅣBB



 高峰の時とは全くレベルが違う。

 「んー・・・Aは60個って分かってるけど、Bは何個か分からないよね・・・。ブツブツ」

 栞が真剣に考えている。ものすごい集中力だ。



 「あー!分かりません!!!何これ!どう推測してもあくまでも推測にしかならないし分かってるものしかいえないじゃん!Ⅱよ!Ⅱ!」

 「南条君はなぜⅡのAとBだと思ったんだい?」

 「最初の問題で問われているのは分かっている60個と残りの140個のうち分からない②の数を比較したもので、140個の割合が分からなければ60個を選択するしかないですよね。」

 「確かにその通りだ。」

 「2問目は今度は60個+140個の内分からない③を足した数と140個を比較したもので、③が80以上あるという証拠が何所にも見当たらないので選択肢的にはBかなと。」

 「素晴らしいな。流石橘君の幼馴染だ。」

 「えっ!?そ、そんな・・・。照れちゃいますぅ~。」


 

 「これはあいまいな回答をどう考えるかという問題だ。人間は情報を収集する上で分かっているものと分からないもので分類する。今回は①が60個、②と③で140個あるとわかっている。しかし、問題で問われるように②と③の割合なんて分からない。これは不確定要素を嫌うあいまいさ回避と言うものなんだ。おそらくこの行動は日常でもやっていると思うぞ。」

 「例えば何があるんですか?」

 「そうだな、例えば南条君は幼馴染の橘君と会長の私の関係を友人に聞かれたとしよう。おそらく南条君は生徒会の会長と副会長の関係でそれ以上の関係はないと言うだろう。」

 「そうですね。そうでしょ?大和君。」

 「あ、あぁ。そうだな。」

 栞の目線が痛い。去年好きな人はいるかと聞かれたことがあるとかそんなこと今言うと空気がヤバイ。それに会長がこけた時にたまたまパンツを見てしまったことも・・・。



 「そうだ、南条君にとってそれが確定された情報だからだ。でも実はそうじゃない関係だったとしたら?」

 「え!?そうなんですか!?一体どんな関係なんですか!?」

 「まぁ落ち着きたまえ。あくまで例えばだよ。南条君は知っている情報だけで判断してしまい、あいまいな情報、いわゆる不確定な要素についてはないと判断してしまったわけだ。これこそが日常的にしてしまっているあいまい回避というものだ。」

 会長がどこまで話してしまうのか私はドキドキしながら聞くしかなかった。



 ふぅ~。少しほっとしたため息を見過ごさなかった人が一人いた。



 「で、本当のところはどうなの?かげちゃん。」

 「ひ、ひろみ!?なんだ本当のところって言うのは!」

 「その反応・・・はっはぁん。先輩後輩以上の関係の匂いがするわ。」

 高橋先輩の鼻息が荒くなっている。


 これ収集つくんだろうか。



 「まぁ落ち着いて。私と会長は何もないですから!本当に!」

 「まぁそういう事にしておきましょうか。でもまた教えてね橘君。」

 あ、これは逃げられそうにない。栞に聞かれなければもうなんでもいいや・・・。

 私は覚悟した。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の最新話更新は午後10時を予定しています。

よければブックマーク、感想等お待ちしています。

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