カーニゼーション 1
俺は【佐藤 顕】Y県で果樹農家を営む、30歳独身男性だ。
今日は、市内の直売所に、ラフランスを配達に来ていた。
「ラフランスって、見た目悪いけど美味しいのよね」「そうなの」と言う高校生の若い声が聞こえたが・・
「何これ?魔法陣」「ドッキリじゃないか?」そんな声と共に俺も・・<ぐにゃり>と意識を失い・・
「これ若者よ、何を望む・・・力か?創造か?」と言う声で目を覚ますと・・【白い部屋】に俺は居た。
<ひゅん> <ひゅん>と、若者数名が何処かに飛ばされた様子に・・少し焦る。
白いヒゲを蓄えた高齢の男性が俺を見て・・「おお・・ようやく目が覚めた様子じゃ・・オヌシが最後じゃあの・・オヌシ働きすぎではないか?」と、心配されてしまった。
俺は「あのう・・これって死後の世界なのですか?」と、尋ねると・・
「いいや。他の世界から召喚される途中なのだ。ワシは管理者なので、オヌシ達に少しでも恩恵を与えたいと思い、一旦こちらの空間に呼び寄せた」と、答えるのだった。
俺は「戦争に利用されるのでしょうか?」と、聞くが・・「それは分からない。彼らは【上級世界】の住人を呼び寄せる術を知っており、たまたまオヌシ達が補足されたのであろう」と、冷静に答えるので・・「仕事があるので、行きたくないのですが!」と申し出ると、
「ワシには、先ほどの若者たちから依頼された【四点セット】と、上級世界からの【差分ポイント】を与える事しか出来ぬのだ」と、ダメ出しされた。
4点セットとは【アイテムボックスD】【鑑定D】【魔法適正D】(生活魔法一般)【言語文字D】だそうで、ラノベを読まない俺にはチンプンカンプンの内容だった。
神様風の男性は「ワシは創造の力を持っており、お前の住んでいる世界も【創造の世界】なので、何か一つ餞別を与えたいのだが、何かしらの希望は有るか?」と言われたので・・
「農業は資材にお金が掛かり、収益の多くを金属パイプ、針金などで持って行かれてしまいます。出来れば【金属創造】とかの力をいただければ助かります」と申し出た。
<もやもや>と、俺の体の中に~煙の様なものが入ったかと思うと・・
<ぱあっ>と、俺の体が輝き・・転送される感じがして・・気を失ったのだ。
「「もう一人いるぞ」」そんな声で目を覚ますと・・アニメでしか見た事が無い様な【王城】に召喚されて来たことが理解できた。
「この者もソナタたちの学友か?」と、神官風の男性が言うが・・「「いいえ」」と、若い男女の声で拒否された。
<むっくり>と、体重90キロの体を持ち上げて、立ち上がると俺は【全裸】だったが、そんなことよりも・・
「私は巻き込まれてしまったのだと思います。畑仕事が待っていますので、返して下さい」と、申し出たのだった。
「この水晶に触れてみなさい・・」と、言われ、台に乗せられた水晶玉に触れるも・・
「「色が変わらんぞ!」」「「文字も出ない」」と、失望感溢れるコメントが、周りの衛兵?からこぼれる。
神官は「とにかく、今は魔導師も疲れておる。話しは明日だ!」と、強引に俺を含めた5名は、大広間から追い出されてしまうのだった。(服はもらったが)




