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神の子扱いされている優しい義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました  作者: 下菊みこと


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我らに命じられたのは

「ムーンリット様…いや、宿敵ムーンリットへの仇討ちの根回しを命じられるとは」


「出来る限り早く済ませて帰ってくるよう言われているのだし、弱音を吐く暇はないぞ」


我らがゴッドリープ様の妹御たるキューケン様をお守りするよう、お目付役と銘打っているもののほぼ護衛のような役割を与えられたというのに。


キューケン様に引っかき傷を負わせ、過呼吸にさせたこの体たらく。


それでもゴッドリープ様は許しを与え、もう一度キューケン様のお目付役の任をくださった。


ただし許しを与えていただくとはいえ、禊くらいはさせていただきたい。


そう乞うた我らに命じられたのは、宿敵ムーンリットへの仇討ちの根回し。


「我らがパラディース教に所縁ある貴族に、ムーンリットの仕打ちを知らせ関係を断つ」


「あの子爵家にはひとたまりもないだろう」


「我らがパラディース教は、今や貴族社会にも大きく根差しているからな」


貴族社会で浮く、関係を絶たれるというのは苛烈な仕置になる。


つまりはゴッドリープ様は本気で宿敵ムーンリットを貶め、すり潰す気だということだ。


「これを機にどれほどゴッドリープ様がキューケン様を溺愛しているかも伝わるだろう」


「見せしめとしても効果は高いだろうな」


「遠回しにではあるが、キューケン様の身の安全の確保も目的なのだろう」


ここまで愛されるキューケン様に喧嘩を売るなんて、正気の沙汰ではないから。


そうして我らは貴族の家々を回る。


どの貴族からも、パラディース教の使者と伝えれば歓待を受ける。


そこでキューケン様が現れてからの総本山での今までの流れを説明して、その後ムーンリットの所業を伝えた。


ゴッドリープ様の素晴らしい変化。それを齎した妹御であるキューケン様を貶めた挙句に傷つけるとはなんたる所業かと皆口々にムーンリットを非難して、ムーンリットの子爵家との断絶を約束してくれた。


「貴族同士の縁切りなど簡単なことではないだろうに、どの家も約束してくれたな」


「それもこれもすべて、日頃のゴッドリープ様の献身的な教徒への施しがあってこそだな」


「さすがはゴッドリープ様だな」


互いにゴッドリープ様を称え合いながら、総本山へと戻っていく。


どんなに急いでも数日が掛かってしまったので、急いで戻らねばならない。

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