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神の子扱いされている優しい義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました  作者: 下菊みこと


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失敗した

ムーンリットがお布施をしてオレに会いに来た。


許してやらねば、大目に見てやらねばとは思っていたはずだったが…やはり顔を合わせるとなると少しばかり文句を言ってやらねば気が済まないというもの。


それでも、遠回しに責める程度に留めておいたのは優しさだ。


だがムーンリットは、それでオレに嫌われたのだとようやく気付いたようで絶望した表情を浮かべた。


幼い恋心は散り際を悟り、諦めがついたらしく。だからオレはそんなムーンリットの表情を見て、完全に油断していたのだ。


「…ゴッドリープ様。今までご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。御察しの通り、すべて私のしたことです」


「そうか。残念だが、してしまったことは仕方がないね」


「はい。不遜にもゴッドリープ様の意に沿わない言動を重ねてしまいましたので、これ以後は身を引きます」


それはお布施をして会いに来るのも止めるということだろう。


たしかにムーンリットはいい金蔓と言えるが、ムーンリット一人がお布施を止めて破綻するほど我がパラディース教は脆くない。


ぶっちゃけてしまえば、他にも金蔓と言える金の余った教徒はいくらでもいる。


ムーンリットはたしかにその中でも熱心な方だったが、それだけだ。


むしろキューに悪影響が出ないなら願ったり叶ったりだ。


「そうか。残念だが、君自身がそう決めたなら仕方がない。でも、困ったことがあればいつでも頼っておいで。我がパラディース教は、困難に苦しむ人ならいつだって救うからね」


「はい…」


意気消沈した様子で出て行くムーンリット。


可哀想だが、優先順位というものはある。


ムーンリットより、キューの方が大事だ。


あの落ち込んだ様子ならば、キューに危害を加える元気もあるまい。


「さあ、次の教徒を呼んで来ておくれ」


お布施をして会いに来る教徒や総本山に暮らす中でオレに救いを求める教徒。


たくさんの者がオレを待つ。


こう見えてオレは忙しいのだ。















そうしてたくさんの教徒たちを相手にしていた間に、キューが大変な目に遭っているなどと思いもしなかった。


これは、オレの慢心が招いたことだ。

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