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捨てられた荷物持ちの俺、死にかけて覚醒する  作者: beck2026


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第24話 力を高める方法

封印強化の試験から数日が経った。亀裂の状況は、幸い急激な悪化は見られなかったが、災厄の言葉――「まだ足りぬ」という声は、ずっと頭に残っていた。


臨時拠点の会議で、セレンが新たな方針を発表した。


「君たちの連携自体は、確かに効果を発揮していた。問題は、純粋な力の総量だ」


「力を高める方法は、あるんですか」


「いくつか、可能性を考えている」セレンが資料を取り出した。「一つは、アーシェル殿の遺跡そのものに、まだ眠っている力があるかもしれない、ということだ」


「遺跡に、まだ何かあるんですか」


「結晶との対話で、君たちは『欠片』としての力を引き継いだ。だが、遺跡自体には、もっと深い場所があるかもしれない」


ガレンが、地図のようなものを指し示した。


「実は、本部の古い記録に、気になる記述がある。『アーシェルの眠る場所は、一つではない』というものだ」


「複数の遺跡、ということですか」


「断定はできない。だが、もしそうなら、別の場所に、力を高める手がかりがあるかもしれない」


ミラが、少し不安そうな表情で口を開いた。


「もし別の遺跡があるとしたら、また誰かを覚醒させる必要がある、ということですか」


「いや」セレンが答えた。「今いる遺跡そのものに、もっと深い層があるかもしれない、という意味だ。ロウ殿とミラ殿、二人で再び訪れてみてほしい」


「分かりました」


俺たちは、座標点を使って再び遺跡へ向かった。これまで何度も訪れた場所だが、結晶の言葉に「もっと深い場所」が示唆されていたことを、今になって思い出していた。


台座のある空間に到着すると、結晶はいつもと変わらず静かに浮いていた。


「アーシェル様、聞きたいことがあります」


俺が声をかけると、結晶がわずかに光を強めた。


『……何か』


「あなたの力は、この場所だけにあるんですか。それとも、もっと先に、何かあるんですか」


結晶の光が、少し違う色合いに変わった。


『……そなたたちが、共に来たか』


「俺とミラさんの力を合わせても、災厄には届きませんでした。もっと強くなる方法を、教えてほしいです」


『……この遺跡の奥に、まだ眠っている場所がある。だが、そこに至るには、二人の力だけでは足りぬ』


「足りない、というのは」


『この場所は、私が最初に力を封じた場所。本当の核は、もっと深い――地脈そのものに刻まれている』


台座の足元、これまで気づかなかった小さな紋章が、淡く光り始めた。


「これは……」


『そなたたちの力を、この紋章に注ぎ込め。道が開くかもしれぬ』


ミラと顔を見合わせ、互いに頷いた。


「やってみましょう」


俺は座標点を、ミラは時間の流れを、それぞれ紋章に向けて集中させた。


「繋がれ」

「遅れろ」


二つの力が紋章に流れ込むと、足元の床全体が、淡い光を放ち始めた。地面が、まるで生きているかのように脈動する。


『……良い。確かに、欠片としての力は本物だ』


紋章の光が広がり、台座の奥、これまで見えなかった通路が、ゆっくりと姿を現した。


「あった……」


『その先に、本当の試練が待っている。だが、覚悟なくして進むな』


俺とミラは、新たに現れた通路を見つめた。これまでとは違う、もっと深い場所へと続く道。荷物持ちだった頃には、想像もできなかった運命の核心に、確実に近づいていることを実感した。


「行きましょう、ミラさん」


「はい」


二人並んで、新たな通路へと足を踏み出した。

お読みいただきありがとうございます!


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