神様が好きな食べ物?そんなのたい焼きじゃ!
チュンチュン.....
あぁ、いい朝だな。今日から初めての高校かぁ...楽しみだなぁ...
この不審者が居なければ、の話だが。
「おい人間、ワシに飯を作らんか。」
不審者はソファに寝そべり、僕の漫画を読んでいる。昨日の夜から勝手に家に上がってきて、ずっとソファを占領している。
「嫌ですけど。てか、そもそもあなたは誰ですか?なんでここに居るんですか?」
僕はそう答えると、不審者は不満げに漫画を地面に投げ捨て、ソファから立ち上がり、こっちを見る。
「今の日本じゃ、名乗るのは自分からなんじゃろ?まずは貴様から名乗らんか。」
「いいから答えてください。」
少し怒るとしゅんとして不審者は答える。
「はい。ワシは『堕落の神』のアキステノ・ハミユレンと言う。アキと呼ぶがいいぞ。」
ほうほう.....『堕落の神』ね.....ん?神様?
確か、神って高貴な人物だったはずなんだけど?目の前の神は今も僕のおやつの冷凍たい焼きに手を伸ばしてる不審者なんですけど?
「そろそろ答えんか。人間、お前は誰じゃ。」
目の前の神は僕の冷凍たい焼きを勝手に頬張りながら僕にそう説いてくる。
「僕の名前は.....」
「うみゃ...!?この菓子とても美味いぞっ!?人間!この菓子をもっとワシに作らんか!お前が作らぬのならワシが!」
僕が名乗ろうとしたら、アキが喜々としながら僕の残り一つの冷凍たい焼きを口に咥えながら冷凍庫目掛けて走る。
冷凍庫を開け、中身を漁ってる神をほっといて僕は自己紹介の続きを始めようとする。
「僕の名前は.....」
「あぁ、いらんいらん。知ってるし。霧島 蓮斗。歳は15。柳里高校の1年4組。両親は現在は県外に出張中。」
流石は神と言った所か。全てを言い当てた。そこは素直に凄いと思う。てか僕、4組なんだ......学校行く前に知っちゃったよ.....
「ワシは神じゃぞ?高校の説明書とスマホのパスワードくらい知ってるわ。」
前言撤回。ただの将来泥棒になりそうなただの不審者でした。
隠していた冷凍たい焼きを見つけて目を輝かせて「これ作って〜」とかほざいてる神は一旦無視して、これからの事を考える。
作戦1、完全に存在を無視をして、向こうが去るまで待つ。
しかし、相手は『堕落』の神だ。無視をされてもあの人は数日は居残り続けるだろう。却下。
作戦2、追い出す。
強引に追い出すのは簡単だが、問題はその後だ。玄関先で騒がれてお隣さんとかに通報されたらたまったもんじゃない。却下。
作戦3、この家に住まわせる。
僕にメリットが無い。一番却下。
作戦4、逆に通報してやる。
これが一番簡単だろう。ただし、相手は神だ。警察が話を聞いてくれるか.....
あれこれと考えてるとアキが近づいてくる。
「作戦5、やっぱり作戦3をやめてワシを住まわせる。メリットはワシという可愛い女子と毎日顔を合わせられる。高校生男児にとってはこの上ない褒美じゃろう。」
「あの〜勝手に僕の脳内に入り込んでくるのやめてもらえます?」
「嫌じゃ。レントがこのたい焼きとやらを作るまではな。」
「あぁもう!とりあえず家から出ていけぇ!」
僕の生活これからどうなるのっ!?




