2-7 FACE ②
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九時。
アドベンチャーニューワールドの入場ゲート前。
待ち合わせ場所に到着して直ぐに、リリカは友人の悪戯に気付く。待ち合わせ場所に居たのは、ヒマワリとマリィとその彼氏達。それから、名前も知らないチェックシャツの男の子。
クラスの女子をもう一人呼んだと聞かされていたのだが、それは嘘だったのだ。
笑顔を崩さないように、リリカはスマホのチャットアプリで二人に問いただす。二人は悪気の無い様子で、マリィの知り合いの男子を呼んだと答えた。
ヒマ :いいじゃない。東條君、今日はどっか行っちゃったんでしょ?
マリリ:クリスマスに独りにする、ヒカル君が悪いと思うの~!
リリィ:あのねぇ……。面白がってない?
ヒマ :たまには、嫉妬させてやんなって!
マリリ:そうそう! 写真撮って~送っちゃう??
楽し気な友人達に呆れつつ、リリカは諦めてチャット画面を切り替えた。
ヒカルとのトーク履歴は、昨日で終わっている。最後は「夕飯できたよ」と、一言だけ。
家を出た時のヒカルの顔が、リリカの脳裏に浮かぶ。屈託のない、いつも通りの笑顔だ。リリカにはそれが、腹立たしくも、悲しくも、虚しくも感じられたのだが。
(嫉妬……なんて、ねえ……)
朝のこともあって、リリカには、ヒカルが誰かに嫉妬するような人間には思えない。
全く気が乗らないまま、リリカは友人達とアドベンチャーニューワールドのゲートをくぐった。




