宣戦布告
私、篠崎花蓮。研輝学園に通う中学2年生。ある日、ジュエルランドの女王の使い魔フィーと出会い、ジュエルランドを侵略しようと企む組織シャドウアーモリーからジュエルランドを守るため、神秘の輝きジュエルパワーを授かり、ジュエルヴァルキリーとして戦っているの。その戦いも先日、シャドウアーモリーの基地を破壊したことで全てが終わったの。もうすぐ、フィーともお別れだと思うと寂しいけれど、きっとまた会えると信じてる。
そんなある日、下校すると物凄く格式の高そうな封筒が置かれていた。今時珍しく封蝋までされた物だった。そして切手や消印が見当たらない。不思議に思いつつハサミで封蝋を外して中身を見る。そして驚く。
内容は簡単に言えば食事会への招待状だった。ただし、シャドウアーモリーのボスだったパムの上司からの。急いで皆に確認してみれば全員に届いていた。違いは宛名だけだ。篠崎花蓮宛ではなく、ジュエルヴァルキリー・ルビーヴァルキリー宛だったけど。
みんなで相談した結果、十分に警戒したうえで招待を受けることにした。フィーは反対していたけど、私たちは情報が欲しかった。会場は市内の中で最も格式高い店だった。ドレスコードは制服で大丈夫だと招待状に書かれており、受付の人に招待状を見せるとすぐに部屋に通される。本当はフィーにも来て欲しかったのだけど今朝から姿が見えなかった。通された部屋にはオペラマスクを付けた紅いスーツを着た男性が待っていた。
「やあ、招待を受けてくれてありがとう。席に着くと良い」
席に座るとすぐにウェイターの人がすぐにグラスにブドウジュースを注いでくれる。対面に座る男性にはワインが注がれる。すぐにウェイターの人が居なくなると男性がワイングラスを傾ける。
「まずは自己紹介と行こうか。私はオルガ。君たちが知るパムの上司、分かりやすく言えば部長だ」
「部長?」
「そうだ。私の上にはまだまだ上役がいる。今日は君たちに色々と説明したうえで投降を呼びかけに来たのだよ」
「投降ってなんだ?」
美央ちゃんが首を傾げて質問する。
「降参しないかと言いに来た。君たちは良いように騙されて戦わされている可愛そうな女の子たち。我々シャドウアーモリーではそういう認識でいる」
騙されて戦わされている可愛そうな存在?一体何を言っているのだろう?
「ジュエルランドからは何も伝えられていないとは聞いていたからな。1つずつ説明しよう」
そういってオルガが説明を始める。多次元世界、ハブ世界、多次元世界条約。途中から食事を行いながら説明されたが信じられない。
「そしてこの多次元世界条約に批准しない状態でのハブ世界への干渉は認められない。ジュエルランドは条約違反というわけだ。君たちは非正規現地徴兵された民間人という形になる。そのおかげで多次元世界条約で認められる戦力での抵抗という形なのだが、君たちはやりすぎた。今までは可哀想な民間人だったが敵対的な民間人へとカテゴリーを変更する。その申請は通り、明日0時より君たちへの対応を変更する。これまで以上に君たちを追い詰めることになる。そして君たちに勝ち目は無い。私としては早目の投降をお勧めする」
「お断りします。貴方達の侵略行為は絶対に見過ごせません!!」
「私も同じだよ、君たちが無自覚な殺人鬼であることを見過ごすことは出来んよ」
「なっ、殺人鬼ですって!?」
テーブルを叩きつけながら立ち上がる。
「わが社の強化兵、君たちに分かりやすく言えば怪人たち、彼らを君たちはこれまで38人殺してきている。否定はさせんよ。彼らにも家族がいる。それだけだ」
「そっちが侵略なんて考えなければ問題はなかったはずだ!!」
「だが、君たちが殺人を犯した免罪符にはならんよ。存分に苦しむがいい。いつでも投降は受け入れよう。いつまで耐えられるか楽しみにしている。今日の所はこれでお開きとしよう」
逃がさない。ここでオルガを倒してしまえば全部解決する。そう思って変身しようとしたところで、恐らくはウェイターの人がドアをノックした音が聞こえる。
「変身しても構わんよ。一人だけ浮くがね。私は今日は戦うつもりはない。だからディバイディングフィールド、一般人を排除する結界を張るつもりはない」
どうするか反応する前にウェイターの人が入ってきてしまい行動に移すことができなかった。
「君、彼女たちはお帰りだ。私には白を、銘柄は任せるよ」
こうしてオルガとの会合は終わってしまった。そして二度とオルガと出会うことはなかった。翌日から始まったシャドウアーモリーの攻勢に私たちは何も対処することができずに降伏することになった。