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祭 1
分かってはいた。
分かってはいたんだ。
移動する前に、あらかじめ見て確認していたんだから。
だが・・・・・それでも、実際目の前に広がる光景を見た俺と勝は、目を丸くするしかなかった。
「おい。今度は一体何をおっぱじめたんだ?」
勝の台詞ももっともだ。
様々な姿の神妖たちが、数百・・・・・いや、少し離れた茂みの中や、湖の中、空を舞う者たちまで含めると、もはやどれだけの数がいるのか全く想像できないくらい、物凄い数の神妖が湖のほとりへ集まっていた。
砂地のひらけた広場が広がるその中央には、巨大な薪が組まれ、その前に小さな鳥居が建てられている。
広場際に建てられた特設の舞台の脇では、炊き出しを行っている神妖や、餅をついたり、呆れるほど大きな酒樽を担いだ岩のような神妖たちで活気づいていた。
提灯をつるした屋台が広場を囲うようにひしめき合い、そこかしこから楽しそうな声がにぎやかに響いてくる。
・・・・・湖のほとりで祭が始まろうとしていた。




